Japanese
神はサイコロを振らない
2022年03月号掲載
Member:柳田 周作(Vo) 吉田 喜一(Gt) 桐木 岳貢(Ba) 黒川 亮介(Dr)
Interviewer:秦 理絵
"事象の地平線"とは、光ですら到達できない宇宙の領域のことを指す。そこから転じて、神はサイコロを振らないが3月2日にリリースするアルバム『事象の地平線』は、表現者としてのスタンダードを崩しながら、未知の世界へと足を踏み入れていきたいという願いが込められているという。そのタイトルが表す通り、ドラマ、アニメ、CMソングとして手掛けてきた数々のタイアップ曲をはじめ、昨年n-buna(fromヨルシカ)やアユニ・D(BiSH/PEDRO)、キタニタツヤを迎えて話題になったコラボ曲なども収録した、2枚組全20曲というフル・ボリュームで完成した今作は、まさに"メジャー1stアルバム"の常識を覆し、固定観念にとらわれない神サイ(神はサイコロを振らない)というバンドの全方位な魅力をこれでもかと詰め込んだ作品になった。2020年にメジャー・デビューを果たして以降の集大成とも言える『事象の地平線』について、メンバー全員に語ってもらった。
-メジャー1stアルバムが2枚組20曲入りというのはまさかのボリュームですね。
柳田:我々も驚いてます(笑)。
-この取材の時点では、新録曲のレコーディングが間に合わなかったみたいで......。
柳田:すみませんっ! でも昨日で全部終わりました。あとはミックスとマスタリングだけですね。なので、今日は新曲についてもお話しできます。
-わかりました。今聴かせていただいている音源だけでも、メジャー・デビュー以降の神サイの2年間の集大成のような1枚になりそうだなと思っています。
柳田:傑作ですね(笑)。神サイはメジャー以降にいろいろなチャレンジをしてきたバンドやなと思っていて。今回のアルバムには、神サイの代名詞であるバラードから、「パーフェクト・ルーキーズ」とか「イリーガル・ゲーム」、「タイムファクター」、「クロノグラフ彗星」みたいなアッパー・チューンもあるし、キタニ(タツヤ)と作った「愛のけだもの」とか「遺言状」みたいなファンク調の曲も入ってる。インディーズ時代の神サイにはなかったような要素もどんどん取り込んでいった楽曲たちが収録されているんですよね。
-ええ、神サイというバンドの守備範囲の広さをまざまざと見せつける作品です。
柳田:自分で聴いてびっくりしたのが全部の曲に映像が浮かぶことだったんですよ。全曲がリード・トラックっていうか、1曲入魂を全部の曲でやれてたなって思うんです。アルバムを作ろうと思って作った曲たちじゃないからこそ、それぞれの色がすごく濃くて。新録も含めて、どれをとってもミュージック・ビデオが浮かぶし、どれをとってもライヴの光景が浮かぶっていう神サイの強みが見えてきたなと思いましたね。
-全部がキラーチューンになりえることが神サイの強みである、と。
柳田:うん。前回のインタビュー(※2021年9月WEB掲載)のときに"俺は自信がない"みたいなことを言ったじゃないですか。
-みんなで"そんなことないよ"って言い合う、みたいな(笑)。
柳田:そうそう(笑)。けど、改めてこの20曲を自分で聴き返したときに、曲やったら誰にも負ける気がせんなっていうのが初めて芽生えたっていうか。すべてにドラマがあるし、一曲一曲が持つパワーも漲ってる。すごいのを作ったなと思いましたね。
-アルバムのために作った曲じゃないからこそ、いざアルバムとしてまとめようと思ったときの大変さはなかったですか?
柳田:アルバムの話が初めて出たのが半年前ぐらい......?
吉田:夏ぐらいですね。
柳田:n-buna(ヨルシカ/Gt/Composer)さんとかキタニとかとコラボ曲を作ってた頃だったんですけど。あのへんでフル・アルバムを来年の春に出そうっていう話をしてて。そのときはまだ20曲っていう頭もなくて。メジャー以降のどの曲を厳選して入れる? っていう話をしてたんです。もともと神サイは闇属性なバンドだから、そっちに振り切ったアルバムを作ってみる、とか。
-へぇ。そういうアイディアもあったんですね。
柳田:ありました。で、いろいろなミュージシャンのフル・アルバムを聴き漁って。ミスチル(Mr.Children)の一番暗いアルバム......『深海』を聴きながら、神田からシモキタ(下北沢)まで散歩をしたりしてたんですよ。
-『深海』はそれこそ当時のミスチルがタイアップ曲で大ブレイクした頃に、その反動みたいに作ったアルバムでしたもんね。
柳田:うんうん。あのアルバムって色はあるものの情緒不安定っていうか。神サイはそれに近しいものがあるんですよ。心が苦しいときのことを歌ってる曲もあれば、急にハッピーな部分を歌ったりして。そういうものを作ろうかなと思ったりもしてたんですけど。冬ですかね。チームで"20曲で出すのはどう?"っていう話になって。それができるなら、それが最高ですよねってなったんです。初めてのフル・アルバムが20曲2枚組のバンドってあんまおらんだろっていう。だからこそ、そこにチャレンジしたかったんです。
黒川:特に『文化的特異点』(2020年11月リリースの1stデジタルEP)の曲を入れられたのが良かったなと思ってて。今って音楽が消費されてるなって感じるんですよ。でも自分たちが作った曲って、つまりは柳田が魂を削って作った曲だから。それは配信だけで終わりにしたくなかったので、盤に入れられて良かったですね。
桐木:本当にベストにも近いような感じがありますよね。アルバムって俺の感覚の中では、写真に使う言葉だと思ったんですよ。
柳田:何の話?
吉田:いきなり脱線した(笑)。
桐木:いや、音楽で使うのが不思議だなぁと思ってたんです。
-フォト・アルバムのほうを連想するんですね。
桐木:そうそう。でも、こうやって『事象の地平線』っていうアルバムが完成してみて、あのときのあの出来事を思い出すなっていうのがあるんですよね。それが写真のアルバムとすごく似てて。収録されている曲を聴くと、そのときの風景を思い出すから、そういう意味で"アルバム"って付けたのかなって勝手に思いました。
-たしか"アルバム"の語源は、レコード時代に7インチで出したものをまとめるときに冊子のように束ねていたから、というのを聞いたことがあります。
柳田:へぇー、そうなんだ。
桐木:そうなると、僕の説とも辻妻が合いますよね。
一同:(笑)
柳田:たしかになぁ。それで言うと、今回のアルバムの新曲でレコード時代みたいな録り方をした曲があるんですよ。昔は1回録ったらパンチイン(録り直し)もピッチ修正もないじゃないですか。そういう本来のレコーディングのかたちでやった曲があって。
-どの曲ですか?
柳田:「少年よ永遠に」っていう曲です。この曲はアレンジもセルフ・プロデュースで完全に4人だけで作り込んでるんですけど、一発録りなんですよ。僕たちのレコーディングにドラム・テックでついてくれてる方がいるんですけど、その方に"一発録りをやるって言い放ったからには本当に一発録りやぞ"って言われて。誰かひとりが一瞬でもミス・タッチしたら、もうそこで終了。4人でせーので録ったものしか認めないっていう。
-緊張感がありますねぇ。
柳田:そう、誰もミスれない。なおかつグルーヴも出さなきゃいけないから、あの感じは今までのレコーディングでもなかったですね。
-実際にやってみてどうでしたか?
柳田:すげぇ楽しかったです。バンドとしての根本っていうか、実力がそのまま出るわけじゃないですか。そっくりそのままお化粧なしで。
-そういうことってタイアップ曲に取り組んでるときはなかなかできないですよね。
柳田:そうなんですよ。主題歌とかCMソングのお話があってそこで新しいアイディアだったり、発想みたいなもんが生まれる瞬間も僕らにとってはすごく重要なんですけど。このタイミングで改めて何もないところから、純粋にゼロからスタートするものを作るっていうのが本当に久しぶりで、苦戦しつつも楽しんでましたね。
-どんな感じの曲なんですか? やっぱりガツンとしたロックな曲?
柳田:まずドラムからロックですね。
黒川:ドラムはキックとスネアとハットだけとシンバル1枚だけです。ドラマーとして本当にかっこいい8ビートを目指したんです。フィルもほぼないんですよ。
柳田:ずっと同じビートだよね。
黒川:そこにいかに説得力を持たせるかっていう。キックも26インチとかの、LED ZEPPELINのJohn Bonhamが使ってたようなめっちゃデカいやつを使ってて。一発に魂を込めるみたいな。そこにすべてを捧げましたね。
桐木:ベースも他の曲ではめちゃくちゃ動いたりするけど、ほぼルート一発っていう感じにして。こういう緊張感をちゃんとライヴにも持ち込まないといけないなって気づけたというか。僕はアルバムの中で一番いい経験をしたレコーディングでした。
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