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INTERVIEW

Japanese

majiko

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Interviewer:三木 あゆみ

黒髪ボブに金髪のインナーカラー――そのイメージを覆し、アートワークでは予想外すぎるモヒカン姿でクールなスタイルを見せ、驚かせたシンガー・ソングライター、majiko。彼女がこのたび完成させた『MAJIGEN』は、まさにmajikoの"新次元"を体現した1枚となっている。昨年の中国ワンマン・ツアーや台湾での単独公演、ソールド・アウトとなった恵比寿LIQUIDROOMでのワンマン・ライヴなどを経て得た自信やモチベーションが、今までやったことがないことに挑戦する力に繋がっていると話す彼女。今作についての思い、そしてインパクト大なその髪型についてなど、話を訊いた。

-前作の『寂しい人が一番偉いんだ』(2019年6月リリースの3rdフル・アルバム)について、majikoさんは"よりいっそう自分の色が出た作品になった"とおっしゃっていましたが、今回の『MAJIGEN』ではほとんどの楽曲の作詞や作曲を手掛けられていますよね。よりmajikoさんの色を押し出していきたい気持ちがあったのでしょうか。

はい、めちゃくちゃありますね。ここまで自分が書いた作品だけっていうのは、『CLOUD 7』(2017年リリースの1stミニ・アルバム)以来で。どんどん自分で作曲作詞、アレンジまでやるようになって、あの頃とは違う感じになれているんじゃないか、成長しているんじゃないかっていうふうに思います。ちょっと緊張しますけど。

-自分の色を出していくことはやっぱり重要だと。

自分で歌う曲は自分で作りたいっていうか、そのほうがシンプルにかっこいいって思うこともあります。

-今作は"かっこいいと思うもの、今までやったことがなかったことをこの作品に詰めた"とのことですが、まさにアートワークといい、MVといい、これまでにないものばかりで、驚きの連続で。なぜそういう思いで作品を作ろうとなったのでしょうか。

昨年の中国や台湾でのライヴや、恵比寿LIQUIDROOMでのワンマン・ライヴでの体験が大きくて。もちろんそれまでのライヴの数々もそうなんですけど、本当にたくさんのお客さんが来てくれて、日本の公演もソールド・アウトして、そこで培ってきた自分への自信というか、少し自分を見直せる段階になってきたんですよ。見損なうときもあるんですけど、そのたびにファンのみんなから自信を貰ってるので、その自信が私の意志というか、かっこいいものを作ってみたい、新しいことをしてみたいっていうモチベーションに繋がったということだと思うんです。もっとみんなと楽しいことがしたいというか。

-具体的にはどんな"かっこ良さ"をイメージされていましたか。

女性ならではのかっこ良さみたいなものですかね。"女性がこれやったらかっこいいよね"、"女性がこういう髪型したらかっこいいよね"という軸でやってましたね。

-それが、今回のアートワークにも表れているんですね。

そうですね。今回のアートワークの髪型は、美容院で毎回インナーカラーをリタッチするときに黒髪だけ上にあげるんですけど、そのときに"なんかイケてんな~"ってちょっと思ってたんですよ。で、アートワークの話になったときに"なんかないかい?"って聞かれて、冗談半分でこういう感じのをやってみたいんですって話をしたら、"ええやん"ってなって。MVにもそういう髪型で出ることができたんです。自分でもびっくりですし、公開するのも怖かったですけど、いいって言ってくれる方が多くて、今はほっとしてます。

-「エスカルゴ」のミュージック・ビデオですね。あれは女性の私でも惚れ惚れするほどかっこいいです。個人的には、majikoさんにはもともと中性的なかっこ良さもあるなと思っていて、男前って言ったらアレですけど――

でもほんとに、それはなぜこの髪型にしたのかっていう理由のひとつでもあるんですよ。前に"majikoさんって女装してる男の人みたい"っていうつぶやきをチラホラ見たことがあって、別にショックってことはないんですけど、"マジで!?"みたいに思ってたんです。なんでだろう、どこがなんだろう、鼻かな? みたいな(笑)、そんなふうに考えてて。で、今回のMVで突き止めたいと思ったんですよね。ほんとに私が男前だったら、この髪型が似合うはずだと。怖さはあったんですけど、自分の中で確かめたい、挑戦してみたいという感覚があったんですよね。でも、ほんとにその通りですねっていうか、"majikoさんって女装してる男の人みたい"って私も思いました(笑)。

-かわいらしさももちろんありますよ。でも、Twitterで女性のファンの方から"結婚して"とかも言われていましたね(笑)。反応はかなり良かったんじゃないですか。

ありましたね(笑)。反応が良くて本当に良かったです。ギリギリまで、スタッフさんと"やっぱりボブのほうがいいんじゃないか"、"いやでもモヒカンのほうがいいと思うんですよ~"みたいな話し合いを経て、"えーい! もうやったる! どうなっても知るかー!"みたいな感じで実行したので。本当は撮られているときも、上がってくるラフの映像を観るまでも、すっごく怖かったんです。"あぁ、終わったわ"ってずっと思っていたんですけど、実際にラフを観たら、加藤マニさんがすごくカッコ良く撮ってくださってて。かっこいいながらにちょっと笑える要素も入れてくださって、ありがたいです。男の人も女の人にも"すげーかっこいいよ"って言ってもらえて嬉しいですね。

-加藤マニさんと、こういうMVにしたいとかは事前に話されたりしましたか?

モヒカンにしたいってことだけは伝えていて(笑)。過去のマニさんの作品をいくつか挙げさせてもらってイメージとかを伝えて、ちょっとクスって笑える要素があるようなものがいいみたいな発注をさせていただきましたね。本当にその通りシュールでかっこいいMVができて本当に嬉しいです。

-以前の取材のときにmajikoさん自身はルーティンが好きで、変化が苦手みたいな話をされていたのですが、殻を破ってみようという思いがあったのかなって。

今ならこういう曲が書ける、こういうことができる気がするって思ったんです。新たな一面というか、毎回新たな一面ばっかりなんですけど(笑)、その時その時じゃないと作れない曲があって、それを1曲たりともこぼさないように制作には励んでいますね。自分の挑戦みたいな、今はそういう心情なんだと思います。