Japanese
majiko
Skream! マガジン 2020年01月号掲載
2019.12.15 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 秦 理絵 Photo by Viola Kam (V’z Twinkle)
ふと気がつくと、涙が出ていた。満員のLIQUIDROOM ebisu。昨年6月にアルバム『寂しい人が一番偉いんだ』をリリースして以降、国内でのリリース・ツアー、アコースティック編成のツアー、初の中国でのツアーという充実の1年間を経て、2019年国内ラスト・ライヴという位置づけで開催された、majikoのワンマン・ライヴ"MAJIROOM"だ。majikoにとってLIQUIDROOMは、2015年、まじ娘名義で"歌い手"としての活動をメインにしていた頃に立ったことのある会場。その後オリジナル曲を歌うようになり、一時期はライヴの集客に苦戦する時期も経験したmajikoにとって、LIQUIDROOMをソールド・アウトすることは夢のひとつだったという。そんな彼女のヒストリーを考えれば、この日majikoが特別な想いでライヴに臨んだことは想像できる。だが、そういう"majiko側の事情"は抜きにしても、そのステージで彼女が届けた歌は本物だった。魂を震わせ、自分自身を削り、聴き手の心の深い部分を揺さぶる歌。まるで生きることとイコールのように紡がれるmajikoの全身全霊の歌に、理由がわからない涙が何度も出た。
ステージがブルーの照明に照らされると木下 哲(Gt)、伊藤翔磨(Gt)、北原裕司(Ba)、camacho(Dr)、吉野ユウヤ(Key)のバンド・メンバーに続けてmajikoがステージに現れた。"いくぞー!"と気合を入れると、ピアノが踊るアグレッシヴなロック・ナンバーの中で、majikoの鋭くパワフルな歌唱が炸裂した「ミミズ」、そして、「エスケイパー」へと序盤からアップナンバーを連発してフロアを温めていく。"今日は喜ばしいことにソールド・アウトということで、ふぅ~(笑)!"。歌っているときこそロック・シンガー然とした佇まいに目を奪われるmajikoだが、ひとたび喋り出すとおどけたポーズを見せ、噛みながら話すmajikoの等身大の姿に会場からは"頑張れー!"と声援が飛んだ。LIQUIDROOMをダンス・フロアに変えた「世田谷ナイトサファリ」や、歌詞に綴られる葛藤や迷いを全身で表現した「アイロニ」など、ライヴの前半にはボカロ曲も披露。次々に変わる曲調の中で、majikoはその歌の主人公に憑依するようにメロディを紡いでいく。
"人って恋をすると気持ち悪くなると思うんだよね(笑)"と切り出したMC。"私も女性ですから、片思いをしてた時代とかあるわけ。学校に忍び込んでリコーダーを交換したり(笑)"と若気の至りを暴露して、和のテイストが漂う「春、恋桜。」を届けるとそこからはハイライトの連続だった。スクリーンに手と手を取り合うミュージック・ビデオを映し出した王道バラード「WISH」、"守りたい君"への想いを刹那的なヴォーカルで聴かせた「ひび割れた世界」、majikoが敬愛するharuka nakamuraとの二度目の共作が生んだ、神聖なバラード「グラマー」から、これまで数々の歌い手にカバーされたボカロP、カンザキイオリの名曲「命に嫌われている。」へ。7曲にわたりMCを挟まず畳み掛けた歌の中で、特に鮮烈だったのは「エミリーと15の約束」だった。亡き母から娘へ。生きるうえで大切にすべきことを諭すように綴られる歌詞を、若くして母を亡くしたmajikoは"自分に向けて歌っている感じもある"と言っていた。最新アルバム『寂しい人が一番偉いんだ』の中でも大切な楽曲だ。
ライヴの後半にかけては、一夜限りのワンマン・ショーに相応しいスペシャルなサプライズとしてサックス、トランペット、トロンボーンというホーン隊を呼び込んだmajiko。"すごくない? すきやきって感じ(笑)"とその贅沢なバンド編成を独特の言い回しで表現すると、「狂おしいほど僕には美しい」や、原曲でもホーンが入るジャズ・ナンバー「パラノイア」を続けて披露。場末のキャバレーのような不思議な世界へといざなう「ワンダーランド」では、ヴァイオリニストも迎えた総勢9名による大所帯の演奏の中で、フロアのお客さんと一緒に踊る狂騒的な空間を作り上げた。さらに、"すごかった。興奮しちゃったね"と満足そうな笑顔を見せ、"バッドエンドのおとぎ話を、片っ端からハッピーエンドにしようっていうテーマで生まれた曲です"と紹介して、12月に配信リリースされた最新曲「グリム」をライヴで初めて披露すると、いよいよクライマックスに向かっていく。「MONSTER PARTY」では、クリスマス目前ということでステージに立つ全員がサンタ帽を被り、majikoがフロアにプレゼントを投げ込みながら歌うと、ストレイテナーのホリエアツシ(Vo/Gt/Pf)が手掛けた、majikoの始まりの曲「アマデウス」ではフロアにバルーンが投げ込まれ、最高潮の盛り上がりのなかライヴ本編を締めくくった。
フロアからの鳴りやまない手拍子に応えたアンコール。静かにアカペラで歌い出し、次第に加わるドラマチックなバンド・サウンドをバックに、「心做し」を歌い上げたmajiko。最後のMCではLIQUIDROOMをソールド・アウトできた喜びを伝え、"majikoの歌を好きでいてくれて、応援してくれて、本当にありがとうございます。この先もまだまだ突っ走っていきたいです"と涙をこらえ、声を震わせて感謝も伝えた。そして、"泣くなんて恥ずかしいと思ってたけど、泣いちゃったよ(笑)"と照れたように笑い、本当のラスト・ソングとして届けたのは、majikoのテーマ・ソングとも言える大切なナンバー「声」。"君のその/悲しみ 輝いていたよ"と叫ぶように紡ぐその歌は、自身を"闇属性"と言うmajikoだからこそ、その闇を消すのではなく、そのまま輝きに変える、優しくて美しい歌だった。
[Setlist]
1. ミミズ
2. エスケイパー
3. このピアノでお前を8759632145回ぶん殴る
4. 世田谷ナイトサファリ
5. アイロニ
6. 春、恋桜。
7. ノクチルカの夜
8. WISH
9. ひび割れた世界
10. グラマー
11. 命に嫌われている。
12. エミリーと15の約束
13. 狂おしいほど僕には美しい
14. パラノイア
15. ワンダーランド
16. グリム
17. MONSTER PARTY
18. アマデウス
En1. 心做し
En2. 声
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