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INTERVIEW

Japanese

majiko × haruka nakamura

 

majiko × haruka nakamura

まるで楽曲に憑依するように、その声で様々な感情を描き出すシンガー・ソングライター majikoが、ミニ・アルバム『AUBE』を3月7日にリリースする。ホリエアツシ(ストレイテナー)や荒井岳史(the band apart)らのほか、数多くのクリエイターが集結した今作の中で、特に眩しい光を放つのが、音楽家 haruka nakamuraが楽曲を提供したリード曲「声」だ。2016年にリリースされた「morrow」以来、ふたりが共作したその楽曲には、胸に消えない"孤独"を抱くふたりの表現者だからこその悲しみが刻まれていた。そこでSkream!では、majikoとharuka nakamuraによる初の対談を敢行。なぜふたりは惹かれ合うのか、そして、なぜmajikoは多くのクリエイターに愛されるのか。話を訊いた。

majiko
haruka nakamura
インタビュアー:秦 理絵

-もともと、majikoさんはharukaさんの音楽が好きだったそうですね。

majiko:そうです。高校生ぐらいとのときに引きこもってたことがあって。夜眠れないときに、harukaしゃんの曲を聴くと、安心して寝られたんですよね。私にとって(この世に)踏みとどまることができた曲だったので、harukaしゃんは救世主なんです。当時は『twilight』(2010年リリースの2ndアルバム)とか『grace』(2008年リリースの1stアルバム)とかをよく聴いてました。

-一緒にお仕事にするようになったのは『Magic』(majikoが2016年にリリースした2ndアルバム)からですね。

majiko:そうですね。すごく好きなミュージシャンなので、アルバムを作るときに、スタッフさんに"harukaしゃんにお願いできないですかね"って言ってダメもとで相談したら、harukaしゃんが快く承諾してくださったんですよ。

-あの......ちょっと待ってください。majikoさん、harukaさんのこと、"harukaしゃん"って呼んでます?

majiko:そうなんです(笑)。harukaさんだと他人行儀な感じがするじゃないですか。だから、親しみを込めて呼ばせてもらってます。

-そんなふうに呼ばれることって......。

haruka:この子だけですね(笑)。「morrow」(harukaが楽曲を手掛けた『Magic』収録曲)のレコーディングのときに初めて会って、その場で即興みたいな感じで曲を作ったんですけど、(majikoは)ずーっとカーテンにくるまってて。

majiko:そうでしたね(笑)。

haruka:びっくりしたけど、"あ、イメージどおりだな"と思いました。

majiko:本当に緊張しちゃってたんです。

-harukaさんは、そのときに初めてmajikoさんを知ったんですか?

haruka:そうです。もちろんお話をいただいてから、音源は聴かせてもらって、"あ、すごい歌だな"と思ってたんですけど。やっぱり曲を作るとなったら、実際に会ってみないとどういう人かもわからないし、イメージも浮かばないじゃないですか。それで、最初にスタジオに入ったときに、"(harukaの曲を)どんな感じで聴いててくれたの?"とか、"どんなときに聴いてたの?"みたいな話を聞いたんですよ。そしたら学生のころはずっとひとりぼっちだったって言うんです。僕もそうだったから、そこに共通点があったんですよね。

-その場で「morrow」を作っていったんですか?

haruka:うん。何か作ろうかってなったときに、その場でピアノを用意してくれて。僕が作ってる間、majikoはずーっとカーテンの中にいて。そこから声が聴こえてくるんですけど(笑)。"こんな感じで歌ってみて"って言ったら、すぐに歌で返してくるから、面白かったですね。

majiko:目の前で歌詞も書いてくれてるから、本当に頭が真っ白だったんですけど、絶対にいいものにしたいっていう気持ちだけは強かったんですよ。harukaしゃんの歌をひとりで聴いてたときから、ずっと白い色のイメージがあって......。

haruka:へぇ、そうなんだ。

majiko:私もそれを表現してみたいと思ってましたね。

-ピアノを軸にした透明感のあるサウンドに乗せて、majikoさんがウィスパー・ヴォイスで歌うっていうのは、たしかに白いイメージですよね。

majiko:はい。だから「morrow」ができあがったとき、自分の中でもすごく浄化された感覚がありました。やっぱりharukaしゃんは私の救世主なので。自分の過去の孤独とかも聞いてくださったうえで作ってくれた曲だったので、なんとなく自分の過去が全部許されたような感じがしたんです。いまでもすごく大好きな曲ですね。

-その制作をきっかけにいまではプライベートでも交流があるそうですね。

majiko:仲良くしてもらってます。やっぱりつらい過去とか、ひとりぼっちな時間を経験してる人って、どこか人の痛みがわかるというか、包み込める優しさがあると思うんですよね。その優しさがharukaしゃんの曲には見えてたし、話をしても感じるんですよ。私が悩んでた時期にはすごく話を聞いてくださって。

haruka:メールで"悩んでる"って送ってくるんですよ。"だったら友達とかに話をしてみたら?"って返したら、"友達いません。いつもひとりです"ってくるから(笑)。"あ、俺もそうだったわぁ"と思って。すごく親近感が湧くんですよね。

-だからこそほっとけないというか?

haruka:いやいや、もうひとりで立ってるから、そんな感じではないですね。「声」は、そういう曲なんですよ。僕が手を差し伸べて救い上げたいとかじゃなくて。「morrow」のときからいままで、頑張って前に進んでいるmajikoの姿を見て書いた曲なんです。