Japanese
Half time Old
2019年09月号掲載
Member:鬼頭 大晴(Vo/Gt) 小鹿 雄一朗(Gt) 内田 匡俊(Ba) 阪西 暢(Dr)
Interviewer:秦 理絵
-制作に流れに関しては、内田さんが加入したことで変化はありましたか?
小鹿:よりスムーズになったかなとは思いますね。今まで僕らはベースなしで曲を作って、あとからベースを入れるっていう感じだったんですよね。でも、今回はベースありきのアレンジもできたので、選択肢も増やせたんです。
阪西:あと今回はアルバム全曲じゃないですけど、打ち込みのストリングスとかホーンを結構入れられたのは大きいんですよ。えっと......どの曲に入ってるんだっけ?
内田:「101分の1の本音」と「スイッチバック」、「愛の真ん中」ですね。
阪西:うっすらですけどね。いやらしくない程度にいろいろな音を入れられたんです。
内田:僕は2015年にサポートをやらせてもらって、抜けた時期があったんですけど、そのときにプレイヤー系の活動を主にやってたんですよ。
阪西:そのときに培った知識でね? パソコンでいろいろな音を作ってくれるとか、(内田は)そういうことができる知り合いのツテが多いのもデカいです。
-これまでもHalf time Oldにはストリングスの音が入った楽曲もあったけど、それをバンド内で作れるようになったのが大きいんですね。
阪西:そうなんです。それありきで曲のイメージを考えられるんですよ。
鬼頭:今までも"こういう曲を作りたい"っていう話が出たりはしたんですけど、なかなか実行されなかったんですよ。試しに打ち込んで作ったりもするけど、イメージ通りにならなくて。でも、今回は"「101分の1の本音」にブラスを入れたい"って言ったら、ちゃんとイメージ通りになったんです。
-今回のアルバムがバラエティ豊かな感じになったのも、内田さんの加入で音作りの選択肢が広がったぶん、自然な流れだったんですか?
鬼頭:うーん......最初から決めてたわけじゃなくて、曲単体としてイメージを持って作っていくなかで、そうなった感じですかね。前回は全曲リードっぽい曲にしようっていうのがあったけど、今回はミニ・アルバムっていうのもあるから、いろいろなことを試しつつ、7曲全部バラエティに富んだものにしようっていう流れだったと思います。
阪西:それを(内田が)底上げしてくれたんですよね。
-鬼頭さんのソングライティングの作業に関しては、どんな感じでしたか? 毎回、結構苦戦するっていう話がありますけど。
鬼頭:今回、そんなに闇は入ってないですね(笑)。やっぱり曲作るのは大変だし、多少悩むことはありましたけど、比較的、安産だったなっていう感じです。
小鹿:比較的ね(笑)。
阪西:今までよりはっていう感じだけどね。
-鬼頭さんの口から"安産"っていう言葉が出るなんて珍しい。その勢いは、「スイッチバック」っていう曲に出てるような気がします。"スピードにのった僕たちは"とか"どんなもんだ僕らきっと無敵"って歌ってますけど、これはバンドの歌ですよね?
鬼頭:そうです。まさに今の僕らを書きたいなと思ったんですよ。そうなると、後ろ向きにはならない。ちょっと調子に乗ってますね(笑)。今回のアルバムの中でポジティヴなことを全面に出してるのはこの曲ぐらいじゃないかな。
小鹿:最初のほうにできたよね。
阪西:曲自体はオーソドックスな作り方だったと思います。大晴君が、だいたいこういうのを作りたいっていうものを作ってきて、それを洗練させていった感じです。
-制作の中で、"この曲ができたことでアルバムの方向性が見えた"っていうような曲はありましたか?
内田:僕は「マッシュルームソング」ですね。"あ、この感じは久しぶりだな"と思ったんですよ。ちょっとポップな感じというか。っていうことは、前作よりもバラエティ豊かにするんだろうなっていうのは感じました。
鬼頭:これは明るい雰囲気の曲を作りたかったんですよ。前回の『真夜中の失踪に聡明と音楽』にはこういう曲がなかったから。
-今までの作品で言うと、『人生の使い方』(2016年リリースの1stフル・アルバム)の頃に入ってそうな曲調ですね。
阪西:たしかにそうかもしれない。
小鹿:この曲にはピアノが入ってるんですけど、ピアノって、今までの僕らの曲だとバラードにしか入れてなかったんですよ。でも、今回は明るいテンポ感のある元気な曲の中にピアノを入れたから、新しい一面を出せたのかなと思いますね。
-明るい曲を目指したわりには、歌詞は辛辣ですよね。
小鹿:あ、俺もそれ思った。
鬼頭:サウンドは明るいけど、歌詞ではトゲのあることを言うのが好きなんです。たぶん真面目なことを大真面目に言いたくない感じがあるんですよね。酒飲みながら、ちょっとした愚痴を言うみたいな(笑)。もちろんたまにシリアスな曲を作ったりもするんですけど、普段からずっとそう言ってるのはキツいなと思っちゃうんです。
-歌詞は、SNS上の幸せ自慢や揚げ足取りについてですよね。
鬼頭:ほっときゃいいのにって思うんですけどね(笑)。基本的にはいいものに"いいね"って言うのはいいけど、嫌いなものを叩く必要はないっていうスタンスなんですけど、この曲では言いたくなっちゃいました。
-これ、タイトルが"マッシュルームソング"なのは?
鬼頭:一時期、髪型でマッシュが流行った時期があったじゃないですか。そうやって何かが流行ると、それに対してダサいって叩き出す人がいて、そういうのはどうなのかなっていうことですね。......別に暢君のことを言ってるわけじゃないよ(笑)?
一同:あはははは!
阪西:大丈夫。高2から僕はこの髪型だから、流行りとかじゃないんです。
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