Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

あゆみくりかまき

あゆみくりかまき

Interviewer:吉羽 さおり

あゆみくりかまきにとっては初のミニ・アルバム『ぼくらのうた』がリリースとなる。昨年3月のアルバム『大逆襲』以来となる今作の表題曲「ぼくらのうた」は、3人の事務所の先輩であるファンキー加藤が作詞、BUZZ THE BEARSのサトシが作曲を手掛けている。エモーショナルで、リスナーの傍を一緒に歩んでくれるようなミディアム・チューンであり、あゆくまがここまで来た道のりや、そこでの心の機微を描いた曲で、3人の歌への想いやライヴへの想いがしっかりと込められた曲になった。すでにライヴでは大合唱も巻き起こしているということだが、3人となって5周年を経て、思い新たにさらにパワーアップして突き進む宣言にもなっている。これまでとこれからを繋いでいく大事な曲だ。今回は、今作についてのそれぞれの現在の思いを訊くべく、初のソロ・インタビューを行った。

あゆみ

あゆみ(歌うたい) ソロ・インタビュー


-あゆみさんは、ファンモン(FUNKY MONKEY BABYS)が好きで今の事務所に入ったとうかがいました。そのファンモンの加藤(ファンキー加藤/MC)さんが作詞した「ぼくらのうた」はすごく大切になりそうですが、この歌詞を見てどう感じましたか?

この歌詞を貰う前に、今回は加藤さんが曲を書いてくださるという話を聞いたときに、自分のこれまでのことを思い出しました。私は歌が好きで、ずっと歌いたかったんですけど、でも自分が歌い手になると思っていなくて、誰にも言えないでいたんです。でもファンモンさんの「ちっぽけな勇気」を聴いたときに、"今やらな後悔する"って思って。それでファンモンさんの事務所を調べて、自分の歌ったものを勝手に送りつけたんです。

-そうだったんですね。

それで今に至るんです。あのとき一歩踏み出して良かったなってすごく感じました。

-そのくらい「ちっぽけな勇気」という曲に背中を押されたんですね。

はい。「ちっぽけな勇気」を聴いていなかったらやっていなかったと思います。

-どういうきっかけで「ちっぽけな勇気」を聴いたんですか?

友達に聞いたのか......そこの記憶は欠如していて(笑)。でも親には今もこの仕事を反対されていて、当時は勝手に事務所へ応募して、親には事後報告だったので、ずっと喧嘩していたんです。何ヶ月も何ヶ月も親と話をして、そのときは寝れないから「ちっぽけな勇気」を朝までずっと聴くとかしていました。

-当時のあゆみさんにとっての大事な曲だったんですね。

はい、今でも聴くと泣いてしまいます。

-その「ちっぽけな勇気」という曲から、こうして今回その曲を書いたファンキー加藤さんが、あゆみくりかまきの曲で作詞をしてくれるというところに繋がっていくのは、あゆみさんにとって大きなことですね。

はい。私たちはまだまだファンモンさんのように大きくなれているとは思っていないですけど、この「ぼくらのうた」が聴いてくださる人にそっと寄り添える曲になったらいいなって考えてます。

-歌詞を見たときに、率直にどう感じましたか?

あゆくま(あゆみくりかまき)の等身大だなと思いました。加藤さんとは、そんなに話をしたことはなかったんです。私はすごく大好きだし、ヒーローやと思っているから、事務所で会ってもうまく話ができなくて。もともとコミュニケーション能力が低くて初めての人とうまく喋れなかったりするんですけど、特に加藤さんとは目も合わせられなかったんです。この歌詞を書いてもらって初めてちょっと喋るようになって、そのときに今の自分の話をしたら、"あゆみはいつも目を見てくれないから、俺ずっと嫌われてるのかと思ってた"って(笑)。

-尊敬していたからこそだったんですね。でも、先輩としてあゆくまのことを見ていてくれて、しかもリアルに等身大を描いてくれるっていうのは嬉しいですね。

歌詞のひとつひとつがめちゃくちゃ刺さりました。"上手になんて生きられない そうだから歌うんだ"っていうところが特に刺さりましたね。親に対しても、自分の感情を言葉にしてっていうのが苦手で。本当に歌っているときが、解放できるというか、自分の感情を出せるところだったので、その歌詞は特に刺さりました。

-歌を歌いたいっていう以外で、そうやって自分から動くことっていうのはあまりなかったんですか?

歌以外ではなかったんです。

-それは家族もビックリですね。

めちゃくちゃビックリで怒られました。

-あゆくまとしてひとつひとつ何かを叶えていって活動をしていくなかで、あゆみさん自身が強くなっている感覚はありますか?

うーん、どうなんだろう。話は違うかもしれないですけど、この活動をして後悔はないです。どう終わったとしても......というかまだまだ終わらないですけど(笑)、この経験は自分の財産だし、出会った人すべてが財産だと思っています。

-この5年間であゆみさんが自分で一番変わったなと思うことはどんなことですか?

テンションが......高くなった?

-今日はどのくらいですか(笑)。

結構高めです(笑)。

-良かったです。先ほど「ぼくらのうた」はあゆくまの等身大という話がありましたが、これからの3人にとっても大事な曲になっていきそうですね。こう歌っていきたいというのはありますか?

あゆくまのライヴって、またぎ(※あゆみくりかまきのファンの総称)がいないと成立しないと思っているんです。またぎの声と熱気があって成立するもので、まさに「ぼくらのうた」はそれを表している曲で。逆に私たちが歌わなくても、"またぎ"が歌ってくれたらいいなと思う曲です。

-本当に"ぼくら"のうた、なんですね。

そうです。

-レコーディングには、加藤さんは立ち会っているんですか?

プリプロのときに来てくださったんです。でも、私は歌の順番的にお会いすることができなくて、あとから加藤さんが歌入れしたものを聴いたんですよ。それを最初に聴いてしまって、自分の歌い方が引っ張られてしまったら嫌だな、加藤さんが書いてくれた曲だけど、自分たちのものとして表現したいなと思ったので、自分で歌ったあとで聴かせてもらいました。

-レコーディングでも歌って、この曲はすでにライヴでも披露していますね。ライヴで歌ったことで何か変化していることはありますか?

レコーディングのときにもまたぎのみんながいるっていうのは想定していたので、そこまで変わりはないですね。どちらかというと、プリプロとレコーディングの間で自分の感情の変化がすごくありました。プリプロのときは、歌詞が直前に来たこともあって、曲をいただいて、まだ受け身の感じで歌ってしまっていたんです。加藤さんからのあゆくまへの応援ソングみたいな感じで歌ってしまっていて、歌いながら泣いてしまったんですよ。でもやっぱり、それではあゆくまの歌ではないと思って、レコーディングには、きちんと私たちがまたぎを引っ張っていきたい気持ちで臨めました。歌詞をちゃんと見直して、こういう気持ちで歌わないといけないなって思いましたね。

-なるほど。でもその最初に曲を貰ったときの、"これは自分たちの応援歌だ"って思った気持ちもとても大事な気がしますね。

はい、そうですね。