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INTERVIEW

Japanese

あゆみくりかまき

 

あゆみくりかまき

Interviewer:吉羽 さおり

あゆみくりかまきにとっては初のミニ・アルバム『ぼくらのうた』がリリースとなる。昨年3月のアルバム『大逆襲』以来となる今作の表題曲「ぼくらのうた」は、3人の事務所の先輩であるファンキー加藤が作詞、BUZZ THE BEARSのサトシが作曲を手掛けている。エモーショナルで、リスナーの傍を一緒に歩んでくれるようなミディアム・チューンであり、あゆくまがここまで来た道のりや、そこでの心の機微を描いた曲で、3人の歌への想いやライヴへの想いがしっかりと込められた曲になった。すでにライヴでは大合唱も巻き起こしているということだが、3人となって5周年を経て、思い新たにさらにパワーアップして突き進む宣言にもなっている。これまでとこれからを繋いでいく大事な曲だ。今回は、今作についてのそれぞれの現在の思いを訊くべく、初のソロ・インタビューを行った。

あゆみ
まき

-3人でこれからの話もするんですか?

そうですね。でも結構真剣なトーンで話し合いするタイプなので、そういう話って笑ってあまり喋れないんですよ。週2回リハーサルをしているんですけど、月に1回くらいはそういう真面目な日っていうのがありますね。やっぱり伝えないとわからないこともあるし、楽しいだけではやっていけないので、"ここはこうしたほうがあゆくまのためじゃない?"とか、そういう作戦会議っていうのは増えてるかもしれないです。前までは、何か自分で感じていても、"まぁいいや"、"なんかわかるやろ、気づくやろ"って思っていたんですけど、それでは良くはならないなっていうのがあったので、相手を思いながら自分の気持ちをちゃんと伝えようっていうのは、意識しています。

-グループとしてタフになってきましたね。且つまきさんは、その盛り上げ役としていようとしてる。

はい、盛り上げようと。楽屋でしか盛り上げてないですけど(笑)。

-そうなんですか? ステージでもそこもっと出しましょうよ。そこは加藤さん節でどんどんいくところじゃないですか。

そこがめっちゃ悩みなんですよ。なんですかね? 加藤さんすごいなって思います。自分はなんか真面目なんですよね。リーダーだし、ちゃんとやらなっていうか。しかも、ふたりはふわんふわんしてるので、よりそう思うっていうか。楽屋ではそういうのがないから自由にできるんですけどね。もうちょっと肩の力を抜きたいなって思っているんです。それをライヴで見せていけたら面白いかなと。

-徐々に自分を出せているなっていうのは、感じるんですか?

今リリース・イベント("1st mini Album「ぼくらのうた」発売記念ミニライブTOUR")をやっているんですけど、リリイベではちょっと肩の力も抜けるんですよね。大きなイベントとかだと、"ここにいる人をみんなまたぎにしたるぞ"っていう気持ちがめちゃくちゃあるので、どうしても力が入っちゃうんですけど、リリイベでは素の自分が出てます。

-そうなんですね。でも3人個性がそれぞれだから、リーダーとしてまとめていくっていう大変さはありそうです。

私、めっちゃ喋るタイプなのでしっかりして見られることが多いんですけど、実はふたりがすごく支えてくれることが多いんです。私、"0か100か"って言われてる人間なんですけど、それをわかってくれているし。ふたりが支えてくれるからこそ、自分が盛り上げ役としてステージに立てているなっていうのは、しみじみ感じるんです。

-ライヴではずっと100でいられるような感覚ですかね。

そうですね。そこに音楽がかかれば、あゆくまの音楽が大好きなので、"ハッピー・ロック届けるで!"ってエンジン全開になるんですよ。

-もともとそうやって自分のことをアピールできるタイプだったんですか?

まったくないです。学生時代は、授業で手を上げられない感じでした。手を上げると腕がポキッて鳴るタイプだから恥ずかしいっていうのもあるんですけど(笑)。なので、ちょっとだけこっそり上げるような感じで。本当は音読とかしたかったんですけど、手を上げるのも恥ずかしいしで、上げてるか上げてないかわからんような感じでしたね。でも歌いたいっていう気持ちはあったんです。いつも夕食のあとに洗面所に入って、鍵を閉めて、歌手ごっこをしていたんですよ。

-でも鍵閉めるってことは誰にも見せてなかったんですね。

見せなかったですね。お母さんたちは気づいてたからそっと見守ってくれてましたけど。

-そういう自分を何が変えてくれたんですか?

なんやろうなぁ。でも一番はくうちゃん(くりか)との出会いですね。高校のとき一緒のクラスになって、自分はこういうお仕事をしたいなと思っていることをくうちゃんに話したら、くりかも実は音楽が好きで、みたいな感じで。"でもこういうことって言えへんよな"って意気投合したんです。それでふたりでライヴをいっぱい観にいったりして、そのうちに自分たちがそのステージに立ちたいねっていう気持ちに強く変わって、何百枚かわからないですけど、応募用紙をマクドナルドで書いたり、毎週木曜日にカラオケでライヴごっこをしていたりとか。そこから自分の気持ちを固めていったというのはありますね。

-それくらい歌だと自分が解放できるんですね。

できますね。歌でしかできないです。

-そういうところに今回のように自分にぴったりの歌がくるっていうのは、とても心揺さぶられますね。

本当に夢みたいやし、家宝というか、自分の音楽人生で大切な曲やなって思います。

-実際にライヴで歌っていて、思うことはありますか?

今、リリイベではラストに(「ぼくらのうた」を)入れているんですけど、またぎの顔を見たら、じっくり聴いてくれている姿があって、もっともっとこの歌詞を届けたいなって思いましたね。この曲では、みんなで肩を組んで大合唱するところがあるんですけど、徐々に徐々にそれが広がっているのをリリイベをやっていて感じるので、感動しちゃうんですよ。

-それはお客さんが自発的にやってくれたんですか?

5月5日のワンマンで初披露したとき、ちょっと勢いで"肩組んで"って言ったんです。そこからその光景がいつも広がるようになっていたんですよね。あとは、歌声が徐々に大きくなってきているので、自分たちがマイクを通さんでも、会場に響きわたる感じがすごくエモくて。あゆくまだけじゃないなって。またぎとあゆくまでライヴを作っているんだなっていうのを、この曲でさらに感じます。

-一方では、これまでのパーティー・チューンをパワーアップした「スペース・エスプレッソ」や、ラヴ・ソング「MILLION」といった曲が収録されて、いろんな扉が開いた感じがあり、この1枚からさらにあゆくまが進んでいく意志というのが伝わってきます。

そうですね。これでいくぞっていうのが6年目にしてようやく固まったアルバムなので、ミニ・アルバムではない、ベスト・アルバムだなって思うんです。

-この作品で変化を感じてくれる人もいると思いますが、あゆくまとしてはどう進んでいきたいと思っていますか?

今、こうしてアルバムの取材をしてもらったり、ラジオに出させていただいたりしているんですけど、"めっちゃいい曲ですね"って言われることがすごく増えたんです。自分たちも自信を持っている1枚なんですけど、そう言ってもらえることでそれが確信に変わるというか。"やっぱそうやんな"って思う瞬間があるので。しかも久々のリリースなので、またぎには"待たせたね"っていう気持ちもあるし、この1枚で新たに出会える方もきっといるなと思うんです。今まで届けられなかった部分にこの「ぼくらのうた」は届く気がしているので、それが種となり実になり、また花になればいいなと。このアルバムを出したから終わりじゃなくて、今年の最後に"これを出したからだよね"って言えるような。ミニ・アルバムを引っ提げてのツアー(2019年9月から10月にかけて開催する"ボクらの熊魂2019~本気(マジ)の地方大巡業ツアー~")も始まるので、たくさんたくさん歌っていきたいです。

-この先、すごく楽しみですね。

めっちゃ楽しみです。今までは怯えてた部分もあったんですよね。クマに戻れる/戻れないとか、会場を即完できるかどうかとか、オリコンに入れるかどうかとか、気負いすぎていた部分もあったんですけど、今はそれを取っ払って――と言っても一切考えてないわけではないし、未来設計というのは自分たちの中であるんですけど――でも今いる状況を楽しんでいこうって進むことが、一番大事やなって気づいたので、今年は本当に楽しんでやるっていう気持ちです。だから、目を離さないで見ていてほしいですね。


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