Japanese
あゆみくりかまき
2021年05月号掲載
Member:あゆみ(歌うたい) くりか(DJ) まき(盛り上げ役)
Interviewer:吉羽 さおり
今年3月に、6月19日のEX THEATER ROPPONGIでのライヴをもって、グループとしての活動終了、解散を発表したあゆみくりかまきが、結成7周年を迎える5月5日にラスト・シングル『サチアレ!!!』をリリースする。このシングルには、あゆくま(あゆみくりかまき)が歩んできた道のりや様々な出会い、紡いできた思い出をパッケージし、"君のすべてを胸に抱いて この先で"と一歩を踏み出していく、輝きに満ちたはなむけの曲「サチアレ!!!」と、あゆくまを象徴する言葉をそのままタイトルに掲げた、ロック・チューン「HAPPY ROCK」が収録された。たくさんの泣き笑いと遊びが詰まった、あゆくまの真骨頂と言える1枚だ。このシングルへと込めた想いとともに、解散を決めた気持ちや、ラスト・ライヴに向かう心境など、話を訊いた。
-ニュー・シングルでありラスト・シングル曲となる「サチアレ!!!」。この曲はどんな思いで作り上げた曲ですか?
くりか:最初に、"ラストの曲どうする?"みたいな感じでマネージャーさんから連絡が来て、それぞれ"こういう曲がいい"と言っていたんですけど。やっぱり最後なので、あゆくまっぽさが大事やし、3人とも一番強く思ったのは明るく終わりたいという気持ちだったんです。それで明るい未来をイメージした曲を作ってもらいました。
-これまでへの想いや、感謝はもちろん、これからの想いも感じる曲ですね。
まき:3人の中ではラスト・ライヴのイメージが強くあったんです。そこで歌う曲と考えたとき、泣いて終わるより、笑って終わりたいねというのがあって。そんな意図を汲んでいただいて、明るい未来へ進んでいこうという歌詞になったんです。この「サチアレ!!!」の作詞は田中秀典さんなんですが、田中さんはあゆくまの代表的な曲「ナキムシヒーロー」(2014年リリースのシングル『ジェットクマスター』収録曲)とか、「蜜蜜蜜」(2015年6月リリースのシングル表題曲)、「森森森」(2015年11月リリースのシングル『心友フォーエヴァー』収録曲)を手掛けてくださった方で、あゆくまをクマの時代(※2016年7月8日までは人間ではなくクマとして活動していた)から知ってくださっている方なので。"何者かになろうとして"や、"ケモノのタマシイ引きずって"は、あゆくまにしか歌えない楽曲を作ってくれたんだなって、できあがったときにすごく感動しました。
あゆみ:3人の中では、笑って終わりたいというのが一番にあったので、解散は決まったんですけど、悲しい感じじゃなくて。あゆくまは"HAPPY ROCK"を掲げてやってきたので、そういう曲にしたい、みんながこの曲を聴いて笑顔になれる曲になればいいなって思っていたんです。それを汲み取って、作ってくださったので。これが伝わるといいなと思ってます。
-"歩みを 繰り返して 巻き戻しは出来ない"と、冒頭に3人の名前が織り込まれているのが、グッときます。
まき:そうなんです! そこは感動しましたし、愛を感じましたね。うわー嬉しいって思って。
-もう1曲の「HAPPY ROCK」も、あゆくまが掲げるテーマを曲として打ち出したものですね。
まき:そうですね。これこそあゆくまらしさを一番出している楽曲だなと思います。あゆくま自身、全然性格が違う者同士が集まってひとつになれているんですけど、それはライヴでも、またぎ(※あゆくまファンの総称)にとってもそうあってほしいなって思うんです。みんなでひとつになれる場所を作りたいなというのが、あゆくまのライヴのモットーなので。そこでバカみたいに騒げる曲をっていうのをお願いしたんです。振付も今までの楽曲を思わせるようなものも入れ込んで、みんなと一緒に騒げたらいいなっていう思いを込めて作りました。"HAPPY ROCK"というのはずっと、私たちの掲げていたワードでもあるので、これもあゆくまらしさ全開でパンチのある曲やなって思います。
-「サチアレ!!!」のほうは、振付はあるんですか?
まき:「サチアレ!!!」は、基本的に3人とも振りはいらないんじゃないかって言っていて。最後のライヴ(6月19日にEX THEATER ROPPONGIで開催する"ボクらの熊魂 THE LAST LIVE~これが あゆみくりかまき だ~")だけで披露する曲ということで、歌詞に入り込んで一瞬一瞬を逃さないし、逃したくないから。しっかりとその光景を目に焼きつけるという意味でも振りはなしにしようって言って。サビにちょっとみんなで手を上げるっていうのはあるんですけど、簡単なものしか入れてないですね。
-ラスト・ライヴも近づいてきていますが、どんなライヴにしたいかや、セットリストなども決まってきた感じですか。
まき:この間決めて、ちょうど社長確認を取ってもらっているところです(笑)。
-これも聴いてほしいし、あれも聴いてほしいしとセットリストを組むのって悩ましいところじゃないですか。
まき:最後だから、すごく悩みましたね。この曲入れたほうがいいんじゃないかとかで、それぞれ意見があるので。
くりか:そうだね。
まき:できるなら全曲やりたい思いはあるんですけど。自分たちの流れを感じてもらいつつ、間伸びはしないような、ジェットコースターみたいなライヴをするのがあゆくまだと思っているので。そういうのを考えてセットリストを組んでいこうって、話し合ったよね。でも、結構すんなりと決まった気がします。これはテッパンだなっていうのは、自分たちの中であったので、それを軸にこのブロックどうする? と話し合って。"で、コント入れる?"みたいな(笑)。
-(笑)
まき:あゆくまと言えば最近はコントもやっているから。ガッツリというよりは、次の曲紹介くらいのコントにしようかって感じで。それは、ここから詰めていくところなんですけどね。
くりか:やっぱり笑ってほしいんですよね。
-それは今回の新曲からも伝わってきます。また、今年は1月から、東名阪ツアー"ボクらの熊魂2021~BLACK & WHITE VALENTINE TOUR~"を開催しました。昨年はコロナで中止になってしまったライヴも多かったですが、久々のライヴ・ツアーにはどのような思いを持って向かっていったのでしょう?
まき:正直そのツアーのときは、チーム内では解散というのが決まっていて。そのなかで、ライヴをするのかしないのかというのも3人で意見が分かれました。コロナ禍だから、気をつけてライヴをしないといけないことも含めて、いろんなことを話し合ったんですけど、3人の中ではみんなに会いたいという気持ちが一番だったので、ライヴを開催することになったんです。でも、心の中では、解散することをみんなに言いたいけど言えないっていうもどかしさがあって。少し前の自分だったらきっと、それに押し潰されていたと思うんですけど、それよりも、今の瞬間をみんなと楽しみたいなっていう気持ちがまさっていたので。笑顔で終われたなというツアーでしたね。
くりか:そうですね。ライヴ自体はまたぎが楽しんでくれていたのが、嬉しくて。でも、まっちゃん(まき)も言っていたんですけど、もどかしい気持ちはすっごく強かったですね。自分たちは解散するとわかっているけど、言えないっていう状態が、嘘をついているつもりはないけど、ついてしまっているような気持ちになってしまって苦しかったんです。でもその気持ちを救ってくれたのが、みんなが楽しんでくれた姿で、自分も最後はすごく笑えたので。みんなの笑顔に助けられたツアーになったなって思いました。
あゆみ:自分も、ふたりが言ってくれたような思いがあったんですけど。それよりも、ふたりがボロ泣きしとったので、それのほうが心配になってしまって。自分はそこで、全然大丈夫やみたいな感じを出しているつもりやったんですけど──と言っても、出しきれてなかったんですけどね。私はふたりにずっと支えてもらっていたので、ここは自分が支えなきゃって思いがあったんですけど、たぶん何もできていなかったです(笑)。
-久々のツアーだという興奮と、みんなの熱をダイレクトに感じることで、胸にグッとくるものはありますね。解散の発表がツアー後の、3月のことでしたが、この解散という話はいつ頃から出てきていたものだったのでしょうか。
まき:正直な話をすると、数年前から常にどうしようかというのは話し合っていて、決断を引き伸ばしにしてきた事実はありました。そんなときにこのコロナ禍になって、すべてが止まった状態になって。改めて自分の人生を考えたときに、あゆくまとして進む時間が......これは自分たちの実力不足なんですけど、遅いなっていうのを痛感してしまったんですよ。これからの人生のことを考えたときにすごく苦しい決断だけど、あゆくまとしてではなくあゆみ、くりか、まき、それぞれの人生を歩んだほうがいいんじゃないかって3人で話し合ったんです。そこからチームで話し合って、社長とも話し合って。3人で始めたグループだからこそ、3人で終わらせたい気持ちがありました。それで、こういう決断をしてまたぎに報告したんですけど、自分たちが思っていたよりも温かいコメントが多かったので。あゆくまは愛されているなって思ったし、自分たちもあゆくまを愛しているからこそ、区切りをつけたいなというのがありました。
くりか:解散を考えるたびに一番に浮かんできたのが、またぎの顔で。ずっとそこで踏みとどまっていたという言い方をすると、やりたくないのに、やっていたと見えちゃうかもしれないですけど、全然そういうことではなくて、やっと前を向いて解散を決断できる時期が来たなって感じがあったんです。
-コロナ禍で思うようにライヴや、ツアーができなくなってしまったときは、どんな心境でしたか?
まき:昨年はツアーとかがいろいろ決まっていたんですけど、それが全部白紙になっちゃって、どうしようって思ったんですけど。でもあゆくまだけじゃなくて、いろんなアイドルのみなさんも活動が止まっている状態だったからこそ、"もしかしたらピンチはチャンス?"って感じで前向きには捉えていて。それでYouTubeを本格的に始めて、ありがたいことに早い段階で配信ライヴ("みんなと作るHAPPY ROCK LIVE")もやらせていただいたので、自分たちのモチベーションを保てたのはそのおかげかなと思います。あゆくま的にはコロナがあったから、モチベーションが下がったわけではなくて、逆に上がったかなっていうのはありますね。
-より身近に感じてもらえる存在になろうと。
まき:事務所の中でも初めて配信ライヴをしたグループだったので、挑戦でもありましたよね。それが成功という形になって、踏み込んで良かったな、やりたいって言って良かったなって思いましたね。
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