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INTERVIEW

Japanese

UVERworld

UVERworld

メンバー:TAKUYA∞(Vo)

インタビュアー:増田 勇一

-いつも"男祭り"にはわずかな女性招待席が設けられていますよね。そういった幸運な目撃者以外の女子たちには"男だけでやると何がそんなに違うもんなの?"という素朴な疑問があるはずだと思うんです。

そうでしょうね。だけど女の子たちも、例えば女子会とかの場だと全然違う会話をしてるはずじゃないですか。それと一緒だと思いますよ。男に見せたくない部分、見せたらまずい部分というのがあるんだろうなと思う。女の子同士だからこそできる会話とか、情報交換とかってあるはずで。コスメ情報なり(笑)、恋愛の話なり。それこそ、男についての話とかね。それと同じように、男だけで話をするというか、いわば男同士で男を磨くための修行みたいなものなんです。というか、ほとんど苦行ですから。ライヴ中はマジで苦しいし、履いてる靴はなくなるし(笑)、服は破れるし、喉も無茶苦茶な状態になるし。ある意味、喧嘩みたいなところもありますね。

-それくらい本気ということですよね。客席に飛び込んで人波の上に立って歌うシーンも象徴的です。あれは、それこそ裸祭りとかああいった光景にも似ていて、ちょっと常軌を逸してる感じでもあるんですけど、あのような環境に身を置いているときの興奮というのは、やっぱりステージ上で普通に歌っているときとはかなり違うものなんですか?

だいぶ違いますね。UVERworldってことすらも忘れるし、ライヴ中だということも忘れてしまうことがある。記憶が定かじゃないというか、あっという間に終わったような感覚にもなるし、"あれ? この曲の1番、歌ったっけ?"って思う瞬間とかもありますもん(笑)。だから結構、イッちゃってますね。普段のライヴも本当は気持ちをそこまで持っていけた方がいいと思ってるんです。自分のステージ上での振る舞いというか、気持ちの持って行き方というか。僕、毎日10キロ走ったりしてるのも、正直、しんどいんですよ。走る前の準備とかめんどくさいし、単純にキツいな、と思うときもある。だけど、その状況に身を置かないと自分の中で開かへん扉みたいなのがあるんですよね。独特のテンション感というのがあって、その先に行けたときに浮かんでくる言葉とかもあったりして。普通に机に向かって考えてても出てこないMCとかが、しんどい状況にいるときにこそ出てきたりする。だからこうして毎日走ってるのとかには、開いた扉の先に行くための練習みたいなところがあるし、"男祭り"にもそういう部分があるんだと思う。そこまで進めてやっと初めて炸裂するものというのがあるし、"男祭り"ではそこに行きやすいんですよね。

-この先まで行くとヤバい、というギリギリのところまで追い込まれてこそ出てくるものってあるわけですよね。さて、こうして"男祭り"の開催を重ねてきたなかで改めて気づかされたこと、発見できたことというのは何かありますか?

うーん。もちろん「IMPACT」(2014年リリースの8thアルバム『Ø CHOIR』収録曲)とか「Don't Think.Feel」(2012年リリースの7thアルバム『THE ONE』収録曲)とかそういったわかりやすいところで盛り上がったりするのはわかるんですけど、それ以上に「ALL ALONE」(2016年リリースの29thシングル『WE ARE GO/ALL ALONE』収録曲)とかああいった曲で熱くなってる奴らが実は多いんですよ。特に、客席を向いてるカメラが捉えた光景とかからそれを感じるんですよね。炸裂する熱さじゃなく、にじみ出てくるような熱さがあるというか、それが痛いほど伝わってくる瞬間があって。お前のその気持ちわかるわ、というのがある。というのも、その歌詞を書いてるのは僕が同じ思いを越えてきたからだし、そこは僕自身が通ってきた道だから。"その気持ちわかる。なんでお前が今この歌を聴いて泣いてるのか、俺にはわかるわ"みたいな。言葉で言い表せないもどかしいジレンマみたいなものを抱えながら、頑張ってた自分。それと同じ人たちがそこにいっぱいいるような気がして。

-そこはポイントのひとつかもしれませんね。"男祭り"というと激しくて暑苦しいもの、というイメージを持たれそうですけど、そういう種類の共鳴ばかりではない。男同士、本音で語り合えるその場は、女の子の視線を気にせず堂々と泣ける場でもあるというか。

うん。盛り上がりたいだけなら、自分ら以外にもっと盛り上げ方が上手いバンドがいると思うんですよね。だけど、みんながここを選んでるということは、そういう種類の共鳴ができてるからなんだろうな、と思う。


東京ドームには呪いを解きに行きます


-先ほど、東京ドームを"男祭り"のファイナルにするつもりだという発言がありましたけど、それは確定的なんですか? 男どもから"え~っ!"という声が上がってきそうな気がしますが。

男のくせに"え~っ!"とか言う奴らには"黙れ!"と言いたいですね(笑)。でも、これは逆に女性ファンの人たちに対して思うことなんですけど、こういう事実を誇りに思ってほしいんですよね。自分たちの好きなアーティストはこういうことをやれるんだ、ということを。同性ファンをたくさん獲得するのって、やっぱり難しいことだと思うんですよ。だからこそ価値がある。女性のアイドルだったら普通はファンの大半が男性だろうし、同性にも圧倒的に支持されてこそすごいわけじゃないですか。完全にイーヴンな状態にするのって、すごく難しいことだと思いますよ。結局はどっちかに偏ってしまうんですよね。だけど僕はその状態を目指したいし、そのために"男祭り"をやってきたし、女の子たちにも"私の好きなバンドはこんなに同性から支持されてるんだ"ということを誇りに思ってもらいたい。でも、時々思うのは、これ以上男が増えないでほしいな、ということで(笑)。もちろんそれはそれですごいことなんだけど、そうなっちゃうと面白くないな、と僕は思うんで。とにかく僕は、どっちかに偏るのが嫌ですね。

-イーヴンな状態を作るためには男性ファンを強化しなければならなかった。そっちの方がやや多いんじゃないか、というくらいの状態にしないとそうはなり得ないと考えてきた、ということなんですね。そして今、そういう状況が実際に作れている。

うん。だから東京ドーム以降、それ以上に"男祭り"を広げていくことは考えてないですね。今はまったく興味がない。もちろん二度とやらないということじゃないし、やりたくなればZeppとかでやるかもしれないですけど、これで僕の中の"男祭り"の呪いが解けるというか。

-呪縛が解ける、ということですか? ある種の使命感というか。

使命感とはちょっと違う感覚かな。東京ドームには、呪いを解きに行きますよ(笑)。それが解けたら、もっとフラットな感じでメッセージを発信できるようになるんじゃないかな、と思うし。

-呪いが解けた途端、走らなくなったりして。

いや、それはない。UVERworldをやってる間はずっと走り続けるって、僕は決めてますから。もうやめられないですよ、ここまできたら。

-実際、今回の東京ドームにやって来る人たちの何割かは、これまでの"男祭り"を体験してきたわけですけど、東京ドームでしか味わえないものというのも何か期待できそうですか?

もちろん。ドームでやれること全部やろうと思ってますから。飛びたいな、とか考えてたりもするし(笑)。ちょっとふざけたこともやりたいし、やれることを全部やり尽くして、きっちり爪痕を残してやろうかな、と思ってます。

-よりイーヴンでフラットな状態になったUVERworldが立つべきステージとして、東京ドーム以降に目指したいと思っている具体的な場所というのは、どこかありますか?

目標という形では特にないです。でも、新しい国立競技場が作られてる様子とかを目にすると、いつかあそこでやってみたいな、とは思っちゃいますね。また他に新しい場所ができれば、そこに立ってみたいと思うだろうし。だけど"男祭り"は東京ドームで終わりでいい。そう思ってます。

-最後に、実際に"男祭り"にやって来る野郎どもに対して言いたいことは?

ライヴの恥はかき捨てや、と言っといてください(笑)。踊らな損やぞ、と。なんの準備も必要ないし、カッコつける必要もない。女の子がいる前だとどうしてもカッコつけてしまいがちなのが男ってものですけど、そこではそういう視線も気にしなくていい。男同士の、裸の付き合いでいいんです。

-そのときまでには新しいものも届けてもらえるはずですよね?

もちろん。新しいアルバムを絶対に出しますよ。秋には出せると思う。それを持って、年末に臨む。今年の年末には、"男祭り"以外にも大きなものが控えてるし、そこに向かうためのアルバムを作ってるんです。より洗練されたアルバムになるはずだし、余計なものの入っていない、より色濃く思いの詰まったものになりつつあります。僕の中ではもうほぼできあがったも同然のようなところまで来ているので、楽しみにしててください。