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LIVE REPORT

Japanese

UVERworld

Skream! マガジン 2020年02月号掲載

2019.12.20 @東京ドーム

Reported by オザキケイト Photo by 田中聖太郎、渡邊玲奈、鳥居洋介

東京ドーム公演。それはミュージシャンにとって大きい、いや、大きすぎる夢だ。そこに辿りつけるのはトップ・ミュージシャンの中でもひと握りだが、UVERworldは2010年11月27日にそこへ到達し、その名を音楽シーンに刻んだ。しかし、彼らはそこで満足するバンドではなかった。2019年12月20日、初の東京ドーム公演から約9年が経ったこの日に、"UVERworld KING'S PARADE 2019 男祭り FINAL"と題して、なんと男性限定での東京ドーム公演を実現させたのだ。チケットはソールド・アウト。200人の女性の無料招待はあったものの、4万5,000人の男性で埋め尽くされた、前人未到且つ前代未聞の夜の模様をここに記したいと思う。

開演前から異様な雰囲気が東京ドームを包んでいた。テンション高めに開演を待つオーディエンスからは、自然発生的に野太い声とハンドクラップが湧きあがる。定刻、開演を告げるカウントダウンがスクリーンに映し出されるとそのボルテージは急上昇し、メンバーの登場と共に最高潮に達した。登場するなりTAKUYA∞(Vo)がオーディエンスを煽ったのが聞こえたが、その野太い声にかき消され聞き取ることができないほどの熱量の中、「Don't Think.Feel」で祭りの火ぶたは切って落とされる。タイトル通り理性のたがを外したCREW(※UVERworldファンの総称)が終始シンガロングする光景も、普段ではなかなか見られないものだろう。さらに、「WE ARE GO」で自分たちという存在を示すかのごとく、地鳴りのような重いビートを轟かせ、そして、"俺たちは昔、あなたたちと同じ場所にいた"と現在の姿をもってしてUVERworldそのものの存在を証明する「Q.E.D」で、常に無謀だと言われる夢に対してまっすぐに突き進む姿勢を見せてくれた。

この"男祭り"の歴史を振り返ると、彼らが2010年に行った初東京ドーム公演へと遡る。当時の動員の98パーセントが女性だったことをきっかけに、2011年からこの"男祭り"が始まった。初めは地元滋賀B-FLATという230キャパのライヴハウスから始まり、Zepp DiverCity(TOKYO)、日本武道館、さいたまスーパーアリーナと徐々にそのキャパシティを上げ、8年で東京ドームまで辿りついた。周りがどんなに悲観し、無謀だと言ってもUVERworld自身が希望を捨てることはなかった。これは"男祭り"に限った話ではなく、バンドを始めた頃から、これまでもこれからもきっと変わらないだろう。そんな思いを"どこのどいつが俺たち6人の未来に絶望していたって、俺たち自身が俺たち6人の未来に絶望することはない!"とTAKUYA∞が始めた「在るべき形」に込めると、それを祝福するように銀テープが降り注いだ。

UVERworldが新たなフェーズに入ったことを告げる最新作『UNSER』からもわかるように、近年の彼らの音楽性の軸になっている、EDMとバンド・サウンドの融合を見事に表現した「ODD FUTURE」で、フロアをダンス・フロアと化し最新のUVERworldを提示したかと思えば、「CORE PRIDE」では彼ら6人の変わらない"6 PRIDE"を示す。さらに、"お前らが聴きたい懐かしい曲もガッツリやってやるからさ!"(TAKUYA∞)と披露された「激動」ではイントロが響くなりひと際大きな歓声が上がった。

"誰だよいったい、UVERworldは売れないとか言っちゃったやつはよぉ。UVERworldは男にそっぽ向かれたロックじゃないバンドだってよ。あいつらがよく言ってたな。「そんな夢叶うわけがない」、「UVERworldが東京ドームで男祭りなんてできるわけがない」。成功した途端に掌を返す者どもに告ぐ。俺たちがナンバー・ワン!"

そうTAKUYA∞が言って始めたのは「NO.1」。披露される曲のすべてが、この日のためにあるのではないかと錯覚してしまうほどにドラマチックだが、決してこの日のためだけではなく、UVERworldというバンドが、常に夢に向かって挑戦し続けていることの証明にほかならないのだ。その夢に向かってあらゆる犠牲を払い走り続ける彼らが"いつか誰もが驚くような奇跡が この身に起きたとしても/きっと僕だけは驚きはしないだろう 起こるべき奇跡が起きただけさ"と歌う「PRAYING RUN」を、この場で聴けたことは格別だった。

"そろそろ女の子に会いにいきたくなってきた"とTAKUYA∞がつぶやくと、メンバーはフロートに乗り「和音」、「CORE STREAM」というインスト・ナンバーを演奏しながら、後方のサブ・ステージへと移動し、4万人を超える応募を勝ち抜いたラッキー・ガールに向けて、甘酸っぱい「First Sight」を歌い上げた。6人がステージに戻るとライヴは終盤戦。「UNKNOWN ORCHESTRA」でCREWの熱を再び上げると、その夢にまで見た4万5,000人の男性CREWで埋め尽くされた東京ドームに向かって、 "想像した幻想以上の今日を! 幻以上に望んだ東京ドームを!"(TAKUYA∞)と感情を爆発させ「ナノ・セカンド」を叩きつける。さらに"安心しろよ。お前らの導火線にはきっちり俺らが火をつけてやるよ!"と吐き捨てると、ド派手な特効と共に「Touch off」を投下した。

さぁ場は整った。CREWに火をつけ、とてつもないエネルギーが東京ドームに充満したのを確認すると、"今までファンの盛り上がりがエグすぎて出禁になったライヴハウスはいくつもあるよ。でもさ、今日お前らがデカい声出しすぎたせいで、東京ドームを出入り禁止になるんだったら俺は本望だ!"とTAKUYA∞は思いの丈をぶちまけ、さらに、"俺たちが願い続けた8年間の呪いにとどめさすぞ!"と続け、「IMPACT」を演奏すると、CREWもハンドクラップにシンガロングで応戦。異常なほどの熱量に包まれた東京ドームに対してTAKUYA∞は"間違いなくUVERworldの19年間の歴史の中で一番一体感を感じ、一番情熱的な瞬間を俺たちは感じた。間違いなく今の「IMPACT」が現状の俺たちの最高潮だ!"と最大の賛辞を送った。

"8年間かけて230人から辿りついた男祭りに終止符を打ちたい。でも、これは終わりではなく、俺たちはここから始まるんだ"(TAKUYA∞)。そう言って"始まりの合唱"「Ø choir」をプレイ。さらに、こんな素敵な未来が待っていると思っていなかったと語る彼らは、「7日目の決意」で後悔のない人生を歩む大切さを歌い、この日のラスト・ナンバーとしてUVERworldに関わるすべての"仲間"に向けて用意された「MONDO PIECE」を贈り、前人未到且つ前代未聞の夜の幕を閉じた。

このバンドにどれだけの人が背中を押されただろう。このバンドの生き様に、言葉にどれだけの人が心動かされただろうか。前述したように、彼らは常に無謀とも言える夢に向かって希望を捨てずに挑戦を続けてきたバンドであり、この"男祭り"もその挑戦のひとつに過ぎない。そして、"男祭り"の呪いに8年かけてとどめをさしたことで、何にも縛られることがなくなった彼らは、これからは年齢、国籍、様々なものを超えて愛してもらえるような楽曲を作っていくとも宣言してくれた。

最後に「7日目の決意」を演奏する前のTAKUYA∞からのメッセージを記しておきたい。

"もっと好きなことをやればいいんだよ。それがあってようが間違ってようが。もっと好きなことを言ってもいいはずなんだよ。それが合ってようが間違ってようが。もっと好きなものを好きになればいいんだよ。その対象に愛されようが愛されまいが。そのあとどうなるかは自分で腹括ってやれれば。あなたが、お前が、君が自分らしく生きることを喜んでくれる人がいっぱいいるから。見ろよ。俺らが俺ららしく自由に生きることを喜んでくれるやつがこんなにいるんだからさ。少なくとも君が君らしく生きて嬉しいと思う人間がここに6人いるからな。お互い後悔のない生き方をしようぜ。なぁ!"

まさにUVERworldにとってCREWは心強い応援団であり、CREWにとってもUVERworldは心強い応援団なのだろう。こうして、これからもUVERworldはCREWと互いに刺激し合いながら、彼らの生き様をもってして私たちの背中を押し続けるのだ。



[Setlist]
SE. UNSER
1. Don't Think.Feel
2. WE ARE GO
3. Q.E.D
4. stay on
5. 境界
6. 在るべき形
7. ODD FUTURE
8. CORE PRIDE
9. 激動
10. KINJITO
11. NO.1
12. PLOT
13. PRAYING RUN
14. Making it Drive
15. 和音
16. CORE STREAM
17. First Sight
18. 23ワード
19. UNKNOWN ORCHESTRA
20. ナノ・セカンド
21. Touch off
22. 零HERE~SE~
23. IMPACT
24. AFTER LIFE
25. Ø choir
26. 7日目の決意
27. MONDO PIECE

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