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INTERVIEW

Japanese

The Floor

2018年10月号掲載

The Floor

Member:ササキハヤト(Vo/Gt) 永田 涼司(Gt) ミヤシタヨウジ(Ba) コウタロウ(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

2018年2月に1stフル・アルバム『ターミナル』でメジャー・デビューした札幌出身の4ピースが、そこから約8ヶ月というインターバルで3曲入りのメジャー1stシングル『革命を鳴らせ』を発表する。表題曲はこれまでバンドが作り上げてきた"らしさ"の殻を破る挑戦の曲。様々な試行錯誤を繰り返し、彼らがこれまでしてこなかったアプローチを自分たちのカラーに昇華した。"気持ち的には超ミニ・アルバム"と語る渾身の作品について、メンバー全員に訊いた。

-メジャー・デビューから半年ちょっと経って、意識などは変わりましたか?

ササキ:この半年はバンドのことを改めて見つめ直す期間でした。5月ごろにみんなでミーティングをしたんです。最終目標はどこなのか、どういう存在でありたいのか――仲がいいからこそ聞けていなかったことをしっかりと話して、意思統一をしたうえで前を向くことができました。

永田:その話し合いを経て、スタッフさんやお客さんといった人たちを意識した曲作りに初めて挑戦したのが今回の『革命を鳴らせ』なんです。メジャーにフィールドを移すということは、セールスを期待される立場でもある。自分たちのやりたいこと、多くの人に受け入れられるもの、お客さんが思うThe Floorらしさとは、僕らが思うThe Floorらしさとは......と仕事として真剣に考えた時期ではありますね。その結果、今までの自分の殻を破らないといけないなと。

-"殻を破る"というと?

永田:フレーズひとつに対して、これは自分らしさなのか? それとも手癖なのか? とメロディやフレーズのひとつひとつ真剣にスタッフさんとも話し合いました。今までは自分たちの好きなことを素直に表現していたけれど、今回はメンバー以外の人たちが持っているThe Floorのイメージの中でも、僕らに重なる部分を意識的に狙いにいきました。メンバー以外の人たちの想いが、自分たちの作品に影響を与えてくれましたね。

-完成までの道のりはいかがでしたか?

永田:いや~......最初は出すもの出すもの"それだと殻を破れてないよ"と言われてしまって(笑)。自分的には破れている気がしてたんですけど、人から見て殻を破れていないなら破れていないのと同じだから。

-髪の毛をちょっと短くしたくらいではみんな気づかないのと同じかな(笑)。ロングをショートにばっさり切ったり、黒髪を明るい茶髪に染めるくらいしないと、自分以外の人間は気づかない。

永田:そうそう、まさにそうですね。分け目を変えるとか、自分からしたら劇的な変化じゃないですか。でもその程度だと誰ひとり気づかない(笑)。そういうことがThe Floorの制作にも起きていたことに気づいたんです。

コウタロウ:それで主観と客観の擦り合わせに力を入れていったんですけど......だいぶ悩んだね(笑)。

ミヤシタ:そうだね。自分たちの主観ではいい曲ができたと思って提出するんだけど、客観だと"これではシングル曲になりません"と言われることが続いて、最初は"えぇっ......!? これだめなんですか!?"と凹んだんです(苦笑)。でも話し合いを重ねて、どんどん擦り合わせていく......そんな半年間でしたね。

ササキ:独りよがりではなく、より伝わるものにするための半年間だったね。聴く人の胸の中にグッと届くように試行錯誤を繰り返しました。

-「革命を鳴らせ」の第1の突破口はどこでしたか?

永田:サビメロができたときに"あぁ、自分たちと他者との重なる場所はこういうことか"と思えたんです。サビメロも今までは「Wannabe」(2016年リリースの1st EP『Re Kids』収録曲)みたいに高いキーから入って言葉を繰り返すものが多かったんですよ。けど今回は低いキーから入る雄大でドラマチックなメロディにしました。そこに俺の根本的な要素を入れることが大事だった。だからThe Floorらしくもあり、他者も納得するポイントに落ち着いたのかなと思います。そこからサビメロを崩さないように自分たちの思うThe Floorっぽいものと、みんなが思うThe Floorっぽいものの折衷点を丁寧に丁寧に導き出して、アレンジを組んでいきました。

ササキ:「革命を鳴らせ」のサビが来たときに"いいじゃん!"と思ったんです。永田っぽいとかの前に、純粋にいいメロディ、耳に残るメロディだった。

コウタロウ:うん。永田の今までのクセがあまりない。新しい部分だと思いました。

ミヤシタ:うちらのメロディはサウンドに同化するリズムを持ったものが多かったけど、今回はメロディが浮くものを作ろうという話が出ていたんです。それを永田が会得したから生まれた曲だし、永田も1枚と言わず2枚くらい壁を壊せた曲だと思います。これから永田からどんな曲が生まれてくるのかもワクワクしていますね。

ササキ:「革命を鳴らせ」が完成して"あぁ、こういう曲が自分たちの思うThe Floorらしさとみんなが思うThe Floorらしさの融合なのか"と思いましたね。自分たちがこれから革命を鳴らすための1曲になった気がしています。