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INTERVIEW

Japanese

The Floor

2016年05月号掲載

The Floor

Member:ササキ ハヤト(Vo/Gt) ナガタ リョウジ(Gt/Cho) ミヤシタ ヨウジ(Ba/Cho) コウタロウ(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

今年2月にシングル『リップサービス』で全国デビューを果たし、世代問わずリスナーの注目を集めている札幌発の4ピース・バンド The Floorが、シングル表題曲を含む全7曲を収録したミニ・アルバム『ライトアップ』を完成させた。シングルでは見えていなかった彼らの根本や原点も見えてくる今作は、音楽に対する純粋な想いと、同じ感覚を共有した4人の仲間で生まれるグルーヴが織り成す、まさしく青春の1枚。勢いの止まらぬこの原石、まだまだ快進撃を続けそうだ。

-『リップサービス』リリース時のインタビューで"踊れるから楽しい音楽"ではなく"楽しいから踊れる音楽"を作りたいとおっしゃっていましたが、今回のミニ・アルバム『ライトアップ』ではそれが実現した曲が揃っていると思いました。

ササキ:昔の僕らとこれからの僕らがいろいろ詰まった内容になっていると思います。「Toward Word World」(Track.2)は2年ぐらい前から、「アザーサイド」(Track.3)は去年ぐらいからずっとライヴでやっている曲で。

ナガタ:「さよなら、また明日ね」(Track.4)、「SING!!」(Track.5)、「ハイ&ロー」(Track.6)、「Teens」(Track.7)は今年に入ってからできた曲です。

-前回のインタビューで"ギター・リフができなくて制作に苦労している"とおっしゃっていた曲ですか?

ナガタ:「ハイ&ロー」がそうです(笑)。最初サビのメロディが(ササキ)ハヤトから出てきたときに"これいける! すげえいい曲だ!"と思ったんです。いつもはポンといいものができるとそこからいいテンポでいろんな曲が完成することが多いんですけど......今回はそのあとが全然うまくいかなくて。できたオケに対して作ったリフがなんかハマらなくて、詰まっちゃって。そこからどんどんモチベーションが落ちてしまったので、一旦その曲を置いて。それでライヴを何本かやって、ちょっと感覚を取り戻してから"もう1回やってみよう"と。それで作ったリフに対して、またさらにオケが変わって。

ミヤシタ:そのあとに1回大阪のライヴでやってみたんですけど、それがだいぶ大きかったですね。そのあとに間奏のフレーズができたし。

ナガタ:最終的に全員が満足できる形にまとまったので、すごく良かったなと思いました。

コウタロウ:「Teens」の元ネタはだいぶ前からあったんです。

ナガタ:弾き語りのデモがずっとあったんですけど、今回のアルバムを作るときに――

ササキ:聴き返したら"いいじゃん!"って。そこから詰めていきました。

-まさしく今までとこれからが詰まった内容になったと。

ナガタ:いろいろと新しい挑戦もしてみました。「さよなら、また明日ね」ではシンセ・ベースを使ったり、アコギを入れたり。もともとアコギもシンセ・ベースの音も好きだから、ずっと入れたいなと思っていて。今回音源にするにあたってシンセ・ベースの方が映えるんじゃないかなと思って。そのあたりはヨウジとも相談して。

ミヤシタ:全然抵抗なく(笑)。曲が良くなればいいので。

-The Floorにとって、"どうしたら曲が良くなるのか"を言葉にすることはできますか?

ナガタ:うーん、難しいなあ......。感覚的なところが強いから。

ササキ:セッションで作るときは、4人全員がノッててさくさく進むよね。途切れることなく自然と曲が出てくる感じがある。「リップサービス」(Track.1)とかはそういう感じですね。"楽しそうだぜ! やろやろ~!"って言いながらやってたらあんな曲ができました(笑)。

ナガタ:(笑)そうだね。みんなが呼応してアイディアが重なって"それいいじゃん、取り入れよう"の繰り返し。

ミヤシタ:そういう曲がリード曲や代表曲になってる気がするし、自分も気持ちが入れやすい。

ササキ:とはいっても曲によりけりでしょ。「Teens」や「アザーサイド」みたいにしっかりした曲は、ナガタがちゃんと弾き語りで持ってきたデモをもとにしていて。そういう曲は(ナガタ以外の)僕らがその気持ちに乗っかって作るのが1番いいんじゃないかなと思ってます。

コウタロウ:「SING!!」みたいな曲はいろんな要素が入っていて楽しいし、弾き語りから作った「Teens」や「アザーサイド」は何回も聴いてるとクセになる。どちらも聴き飽きないもので、そういう曲でないとテンションは上がらない気がします。

ササキ:そうでない曲はまず俺らが飽きちゃうからね。"飽きた"ってボツにした曲いっぱいあるし(笑)。

-ははは。最も古い曲という「Toward Word World」はイントロのリフが頭に残ります。

ミヤシタ:WILD CUBの「Colour」(2014年リリースのデビュー・アルバム『Youth』収録曲)という曲を聴いて"めっちゃこの曲の雰囲気いいな。こういう曲を作りたい"と思って、最初はミドル・テンポで浮遊感のある16ビートの曲を作りたいと思ってたんです。リズムを打ち込むだけのつもりだったんですけど、シャワー入ってるときにサビのメロディが思い浮かんで、慌てて打ち込んで。その裏にギターを重ねようとしたらこのリフが出てきたんです。だからイントロのギター・リフは最初サビメロの裏に入ってたもので。それをバンドに持っていって、(ナガタに)清書してもらって(笑)。

ナガタ:聴いたら"いいじゃん、いいじゃん!"、"もっとテンポ上げよう!"って(笑)。

ミヤシタ:当初のイメージとは全然変わっちゃったんですけど、俺も何度も"いいじゃん!"と言われていい気分になっちゃって(笑)、"よっしゃ~!!"みたいな感じの曲になりました。でも自分の中で"浮遊感"がキーになってたので、一定のリズムにウワモノが乗っかる気持ちいい感じは残したくて。だからテンポを速くしてもベースはシンプルにしました。