Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

The Floor

2016年05月号掲載

The Floor

Member:ササキ ハヤト(Vo/Gt) ナガタ リョウジ(Gt/Cho) ミヤシタ ヨウジ(Ba/Cho) コウタロウ(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-日本の音楽にも良さはあるし、海外の音楽にも良さがある。The Floorは2000年代の焼き増しではなく、さらに2010年代にアップデートしていると思います。「さよなら、また明日ね」はまさにそんな曲ですね。

ササキ:これは僕のTHE ROYAL CONCEPT好きが露骨に出たって感じですね(笑)。洋楽っぽいサウンドだけどメロディまでそれっぽくすると、そのへんのUKインディーぶってるバンドと同じみたいになっちゃって面白くないし、そういうのは好きじゃない。J-POPっぽさを残したいなという発想からメロと歌詞を書き始めました。詞は僕の中の最大限の優しさを出してます(笑)。コウちゃんが「Teens」を聴いて青春を感じたみたいに、俺もこの曲を聴いたときに昔の甘酸っぱさを思い出して青春を感じました。それで"俺、高校時代に何してたっけ......。恋してたなあ"って(笑)。だから赤裸々です。最初は片想いで、それが実って......でもうまくいかねーもんだな!っていう、そういう風景が浮かべばいいかなと。

-"青春"がテーマになった曲が多いと。

ナガタ:そうですね、自然と(笑)。自分たちの根本にあるんだと思います。

-それもあるだろうし、The Floorは今その根本とちゃんと向き合えているということだと思います。「SING!!」もそういう空気がありますね。また、「リップサービス」のようなインディー・ロック的なアンサンブルの妙もあるし、キッズ心もあるし、これまでのThe Floorの要素が全部詰まった曲だと思います。

ナガタ:これはヨウジと俺が家で他の曲のプリプロを作ってたときに、一段落して酒を飲んでて。そのときにヨウちゃんがいきなり「SING!!」の頭のリフを弾き始めたんです(笑)。それで"え、それめっちゃ良くない?"って、ふたりで5~10分くらいでバババッとワンコーラス作って、それをそのまま他のふたり(ササキとコウタロウ)にデータで共有したらふたりも"めっちゃいい!"って。

ミヤシタ:この曲は本当にギリギリのギリでこのミニ・アルバムに入れることになって。だからこれは最新の僕たちです。

ササキ:収録曲を決める3日前くらいに急遽できた曲で、歌詞も1日で書いて。音に合わせて......ほんと遊びの要素が強い。

ナガタ:ギターは2000年代のオマージュというか。"アジカンじゃん!"ってツッコミを自分自身に入れながらレコーディングしてました(笑)。音もアジカンに寄せて。

ササキ:早口で畳み掛ける感じがほしかったので、歌詞はRIP SLYMEを参考にしてます。もともと中学生のときにEMINEMとかヒップホップにハマってて、その時代を思い出してメロを作って、RIP SLYME先生のあの独特のリズムや歌い方、テンションをオマージュして。

コウタロウ:いろんなものが詰め込まれまくってて、ドラムはコロコロ変わるのでしんどいっす(笑)。

ミヤシタ:これはもう......悪ノリだよね(笑)。

-ははは。制作過程もすごく衝動的で青春感があるし、やはりThe Floorは今、純粋な部分に立ち返れてるんですね。"見渡すんだぐるっと 一人じゃないよきっと/背負い込んだ荷物 僕にも分けてよ"というラインもいい。

ササキ:あ、そこは韻踏むことしか考えてなかったです(笑)。

-また天邪鬼なこと言って(笑)。タイトル通りシンガロングできる曲ですし、この2行にライヴの画がぎゅっと詰まってると思いました。熱量もとてもあるし。

ナガタ:この歌詞がある箇所もCメロだしね(笑)。

ササキ:......やっぱり自分の根本にあるのは"生きてるとつらいことばっかりだよね"ということなんですよね。僕は嫌なことがあったりすると大声で歌いたくなるタイプなんです。だからみんな歌えばいいんじゃないかなって。この曲は爆発力もあると思うので、ライヴでみんなで歌いたいです。

ナガタ:新しい曲たちをライヴでやりたいです。曲作りでライヴをイメージすることも多くなって、その際に大事なのがライヴ映像を観てるときの興奮の感覚で。Cメロのあと、ギターがアルペジオになる落ちサビみたいなところでお客さんが歓声を上げる――その感覚を全員で共有できているのは大きいと思います。

ミヤシタ:ストレイテナーが雑誌のインタビューで、そういう話をしていたんですよね。俺はテナーをきっかけにバンドを始めたので、そういう部分も影響受けてます。

ササキ:僕ら4人だけじゃなくて、それをお客さんとも共有できたらなと思います。音源でもライヴでも、僕らと同じ気持ちになってほしい......というのはありますね。

-音楽的な偏差値の高さももちろん大事だけど、それはやはり感覚的な部分や精神性があってこそ活かされるものですし。『ライトアップ』はThe Floorの今、そして未来へと続く青春ですね。

ミヤシタ:『リップサービス』は2曲だけしか収録されてなかったから"The Floorって何者なの?"と思われていたと思うんです。でも『ライトアップ』は俺らっぽい曲が揃ってるし、俺らのことをちゃんと照らした内容になっていると思います。

ササキ:この『ライトアップ』が聴いてくれた人たちの明かりになればいいし、俺らにとっての起爆剤というか、俺らに火をつける作品になったらいいなと思ってますね。

ナガタ:今も曲作りはしていて。今作に収録されている新曲たちを作ったあとはちょっと休んだんですけど、やっぱり勝手にアコギを手に取っちゃうんですよね(笑)。これからもずっと音楽をやっていくんだろうな......と思います。