Japanese
PENGUIN RESEARCH
2018年01月号掲載
Member:生田 鷹司(Vo) 神田 ジョン(Gt) 堀江 晶太(Ba) 新保 恵大(Dr) 柴﨑 洋輔(Key)
Interviewer:沖 さやこ
2017年3月にリリースした1stフル・アルバム『敗者復活戦自由形』のインタビューで、ソングライターでありベーシストの堀江晶太は"結成2年にも満たないバンドに、「らしさ」も何もないから、自由に曲を作った"という旨を語っていた。今作『近日公開第二章』はそのアティテュードがさらに明確に表れた4曲入りEPである。年またぎツアーのファイナルZepp DiverCity TOKYO公演を控える彼らはいま、楽曲、ライヴ、バンドに対してどんなことを思っているのか。メンバー全員へのインタビューで探っていった。
-PENGUIN RESEARCHはもともと個々で活動していたメンバーが集まって結成され、現在も個々の活動が盛んなグループですが、結成から2年以上経ったいま、みなさんにとってPENGUIN RESEARCHはどんな場所になっていますか?
神田:実家ですね、完全に。PENGUIN RESEARCHはまさに5人全員の活動の軸になっているし、音楽をやっている理由を満たしてくれる。
堀江:そうだね。実家だ(笑)。実家ゆえにあんまり話さなくても意思疎通ができるし。
新保:2017年は特にこの5人でいた時間が長かったから、たしかに実家感はあるな。家にいたりサポートの仕事をしたりしているときよりも、この5人で一緒にいる時間の方が長いし。
柴﨑:PENGUIN RESEARCHでのスケジュールが1~2週間空くと、"あ、そんなに会わないんだ"と思うくらいには一緒にいるよね。僕にとってはペンギン(PENGUIN RESEARCH)が音楽の情熱を一番思いっきり曝け出せる場所になっているので、いいストレス発散にもなっています(笑)。
生田:最近は活動のバランスが取れてきて、一歩引いて周りを見ることができるようになってきて。最近は声優での仕事をどうPENGUIN RESEARCHで生かすかを考えられるようになったし、何をペンギンに持ち帰ろうかな? と考えるようになりました。やっぱり活動の軸がペンギンなんだと思います。
-『近日公開第二章』に収録されている「千載一遇きたりて好機」は、2017年8月20日の赤坂BLITZ(※現在はマイナビBLITZ赤坂)ワンマン("Penguin Grand-prix Revolution")で初披露し、その翌日に配信リリースされました。このときにはすでに今作のヴィジョンが見えていたのでしょうか?
堀江:最初は「千載一遇きたりて好機」を中心とした3曲入りシングルにしようか、4曲入りEPにしようか......と考えていたんですけど、赤坂BLITZでツアー・ファイナルを迎えたあとに、チームから"これ以外にもリードになりそうな曲があるならそれがリードでもいいかもね"という話が出て、それでデモのストックから引っ張ってきたのが「近日公開第二章」ですね。この2曲を入れることが決まっていたうえで作ったのが「方位磁針」と「ハートビートスナップ」です。
-「千載一遇きたりて好機」は堀江さんの哲学が反映された歌詞に激しい音像で、アルバム『敗者復活戦自由形』(2017年3月リリースの1stフル・アルバム)の延長線上というか、もっとパワー・アップした曲だと思いました。
堀江:『敗者復活戦自由形』を作ったあとに"もうちょっとこうできたな"と思ったところを生かして作ったのが「千載一遇きたりて好機」ですね。テンポも速くて(展開が)忙しい曲という、前作と同じカラーの曲だけど、この感じはいまのうちに形にしないと忘れちゃうかなと思ってその勢いに乗って作りました。
-頭のドラム・カウントから尋常ではない速さで、そのあとも最後までとにかく大暴れしているので、まさに勢いそのものというか。でもコード感やメロディは弾き語りでも映えるくらいポップという。
堀江:アレンジに関してはいろいろ崩壊するけど"まぁいいや、やるならとことんやろう"って感じで(笑)。ラウド寄りなことをしているんだけど、コードはおしゃれなポップスやフュージョン要素を入れる......というぐちゃぐちゃ感や無理やり感が僕は昔から好きなんですよね。「千載一遇きたりて好機」で『敗者復活戦自由形』の路線をやりきって、そこから自分の曲作りのブームが変わってきて。あまりがちゃがちゃしていない、素朴で正直なロックがやりたいなと思ったんです。
-それが「近日公開第二章」であると。
堀江:そのくらいのタイミングでちょうどチームのミーティングがあって、"バンドが3年目に入るタイミングだから、映画で言う第一章が終わって第二章のオープニングを飾るような曲を作るのがいいんじゃないか"という話が出たんですよね。その中で一番第二章のオープニングっぽいなと思ったのが「近日公開第二章」のデモだったんです。作った当初はバンドにとってベストな曲ではなかったけど、半年経って聴き返すとメンバーやスタッフさんのリアクションも作った当初より全然良くて。それでいま出すべき曲だなと思ったんですよね。そこにちょうど"バンドやろうぜ!"(※音楽ゲームアプリ)のキャンペーン・ソングの話をもらったので、"バンやろ(バンドやろうぜ!)"のニュアンスを差し込みました。
生田:いままでの晶太が作ってきた曲ももちろん好きなんですけど、「近日公開第二章」は僕の中二病心がくすぐられるというか。自分が物語の主人公になったような気持ちにさせてくれる曲だなと思いましたね。出だしの疾走感や、サビの突き抜け方、もろもろ含めてすごくいいなと思ったし、イントロ聴くだけで主人公が伏し目がちにニヤッと笑う表情が浮かんで......"これ! これだよ! この中二感!!"って感じでしたね。よーよー(柴﨑)には一緒に車に乗ってるときに熱弁しました!
神田:鷹司の"中二感"って言葉のチョイスがな~。曲の良さを伝えられている手応えがないなぁ(笑)。
生田:えっ、ほんと......!? すごくいい意味で言ってるんだけど!
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