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INTERVIEW

Japanese

PENGUIN RESEARCH

2017年03月号掲載

PENGUIN RESEARCH

Member:生田 鷹司(Vo) 神田 ジョン(Gt) 堀江 晶太(Ba) 新保 恵大(Dr) 柴﨑 洋輔(Key)

Interviewer:沖 さやこ

作曲家、編曲家として幅広く活躍していた堀江晶太とヴォーカルの生田鷹司を中心に2015年に結成、2016年にメジャー・デビューをしたPENGUIN RESEARCHが、待望の1stフル・アルバム『敗者復活戦自由形』を完成させた。コンポーザーの堀江いわく、今作はノー・コンセプト。いま書きたいと思ったことをそのまま音楽へと落とし込んだという。奔放でエネルギッシュなバンド・サウンドが炸裂する今作について、メンバー全員に訊く。

-PENGUIN RESEARCHは2015年に結成。2016年1月にメジャー・デビューをし、1年間でミニ・アルバム1枚とシングル3枚をリリースしました。BLASTとしての制作活動もあったのでかなり忙しかったのでは?

堀江:頑張ったとは思うけど......振り返ってみると、意外とまだまだいろんなことがやれたかなと思います。極端な話、バイトしながらでもできるかな、くらいの(笑)。だから2017年はもっと忙しくしたいなと思ってます。悩む暇もないくらい手足を動かしている状態でもいいのかなって。

神田:とはいえ始まって間もないバンドでもあるので、すべてが体当たりでした(笑)。試して間違えてを繰り返して。

新保:うん。結成してすぐにメジャー・デビューしたので、去年1年でバンドの基盤を作ったような感覚がありますね。

柴﨑:だからこの1stフル・アルバム『敗者復活戦自由形』を作って、ようやくひとつの達成感に浸れているようなところはあって。

-なるほど。現在、バンドとしての手応えはどういうところに感じていますか?

神田:リスナーさんからの反応の絶対数が増えたなと思います。「敗者復活戦自由形」(Track.1)のMVを公開したときもTwitterとかでの反響がすごく大きくて、そのときに"あ、自分たちの音楽が広がってきてるかも"という実感はありました。

生田:僕はライヴでもそれを感じますね。対バンのライヴで、PENGUIN RESEARCHのことを全然知らない他のバンドさん目当てで来たお客さんが、"ライヴが良かったから次も観に行きます"と言ってくれたりすることが結構多くて。

神田:鷹司が一番ライヴで成長してるんですよ。完全にライヴを引っ張ってくれている。そうすると、楽器隊の僕らもやりやすくなるんですよね。結成直後は正直、散々だったので(笑)。

堀江:鷹司はこのバンドに入るまで田舎で保育士をやっていたので、最初のステージはよくわからないまま立ってたんですよね。ちょうどこの前、そのころのステージの動画を見てたんですけど、鷹司以外のメンバーはそこそこ経験があったはずなのに、鷹司だけじゃなくて全員そわそわしててイモっぽかった(笑)。そのときに"1年で全員が変わったんだなぁ"と思って。

柴﨑:最近はメンバーそれぞれが色づいて、前よりももっとキャラが強くなってきてるなと思いますね。活動を続けるにつれて、もっと面白いバンドになっていきそうだなとは日々感じています。


好き勝手にその場その場でいまやりたい曲を作って
その結果、一本筋が通ったものができた

-1stフル・アルバム『敗者復活戦自由形』はリード曲の応酬と言わんばかりの、フックの強い引きのある楽曲が揃っていて。エネルギッシュで、タイトルのとおり勝負を挑むうえで抱く感情が詰まっていると思いました。タイトル・トラックが1曲目を飾ります。

堀江:もともとリード曲は「スーパースター」(Track.3)の予定だったんです。リード曲を作るつもりで完成させたんですけど、もうちょっと何かあるんじゃないかと思って。そのあとに「嘘まみれの街で」(Track.2)ができて、"お、いいんじゃない?"という反応がチーム内にあり、"じゃあもうちょっと書かせて"と頼んで「敗者復活戦自由形」を作って、全員が"これこれ!"となったというか。ノー・コンセプトでやみくもに作ったなかで、一番リードっぽかったのが「敗者復活戦自由形」だったんですよね。PENGUIN RESEARCHらしさとかも一切考えず、好き勝手にその場その場でいまやりたい曲を作って、その結果、一本筋が通ったものができた。

-では、昨年リリースしたミニ・アルバム『WILL』とは真逆の作り方であると。

堀江:まるで反対ですね。曲作り中に、メンバーから"コンセプトのないアルバムを作ってるの?"と言われたけど、"いま言われてもなぁ"と思って(笑)。

神田:"カバー・アルバムにするか?"、"むしろアルバムのリリースを打ち止めにするか?"という話が出たくらい、アルバムの制作の進行が遅れまくってたんですよ(笑)。でも、流れのままに作り続けて、終わってみたらすげぇいいものができあがってたんですよね。

堀江:結果良ければ、だよね(笑)。

-ということは当初、堀江さんが難産だったのでしょうか?

堀江:難産というか、"作りたい曲がない"ってずっと言ってました(笑)。もともと必要に迫られないと作らないので、ストックがないんですよ。アルバムの曲作りをしていた時期は作りたい曲も届けたいメッセージもあまりなくて。でも、なんだかんだのらりくらりやっているうちに、ふと衝動的に"いま作りたいな"と思って。完全に自分のペースで作って、1曲できた、1曲できた......というのが繰り返されて、詞を書いていって、という。

新保:最初は全然出てこなかったのに、最後の方はものすごいスピードだったよね(笑)。

柴﨑:だからプレイヤーもどんどん追われていくんですよ(笑)。

堀江:制作期間中は全然作りたいと思わなかったんですけど、後半は逆に作りたさがありすぎて。本当は全部で11曲で良かったのに、"もう1曲お願い!"と無理を言って「ひとこと」(Track.10)を作って12曲にして。