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INTERVIEW

Japanese

PENGUIN RESEARCH

2019年08月号掲載

PENGUIN RESEARCH

PENGUIN RESEARCH

Official Site

メンバー:生田 鷹司(Vo) 神田 ジョン(Gt) 堀江 晶太(Ba) 新保 恵大(Dr) 柴﨑 洋輔(Key)

インタビュアー:沖 さやこ

1stフル・アルバム『敗者復活戦自由形』から、シングル2枚とEP 1枚を経てリリースされる、PENGUIN RESEARCHの2ndフル・アルバム『それでも闘う者達へ』。アルバムの仕上げに入ったのは、5月にリリースしたシングル『決闘』のリリース・ツアー"PENGUIN RESEARCH LIVE TOUR Penguin Go a Road 2019 「なぜ決闘なのか」"の真っ最中。ソングライターの堀江晶太の環境や、ツアーで得たひらめきなどが、楽曲が着地するきっかけになったそうだ。バンドとしての強度が増した、生命力と躍動感が溢れる作品の実態をメンバー全員に語ってもらった。

-前作『敗者復活戦自由形』(2017年リリース)以降、シングル2枚(2018年9月リリースの『WILD BLUE / 少年の僕へ』、2019年5月リリースの『決闘』)とEP 1枚(2018年1月リリースの『近日公開第二章』)をリリースしていらっしゃいますが、アルバムの構想はどれくらいのタイミングでできあがったのでしょうか?

新保:去年の夏くらいにミーティングをして、晶太君が一気に6曲くらいワンコーラスのデモを上げてきたんです。それが全部アルバムの新曲になってます。「ドブネズミ・ザ・ナイトクルーザー」とかは、去年の11月にドラムを録り終えてるし。

神田:シンプルな言葉で言うと"ロックなアルバムにしよう"という感じでしたね。

堀江:どういう歌詞にするかは置いといて、ひとまずババッと曲を作ったんです。リリースはまだまだ先だから、歌詞はあとにしようと。

-原型は去年からできていたと。『敗者復活戦自由形』はなかなかデモが上がらなかったとおっしゃっていましたが、今回は用意周到な状態でのレコーディングを?

堀江:いや、結局今回もギリギリで。

神田:なんなら今回のほうがギリギリだったよね。5月から『決闘』のツアー("PENGUIN RESEARCH LIVE TOUR Penguin Go a Road 2019 「なぜ決闘なのか」")が始まっちゃったから、そこと並行してレコーディングを進めていったんです。

堀江:デモはできてるけど、そこからフル尺にする、各々のアレンジを考える、作詞をする、レコーディングをする......という過程に時間がかかって。特に作詞に時間がかかったかな。ツアーに行って戻ってきてレコーディングして、ツアーに行って戻ってきてレコーディングして......の繰り返しでした。

-となるとツアーでのモードが制作に反映された?

堀江:まずは、PENGUIN RESEARCH以外の仕事やプライベートで感じたことや――自分の周りで亡くなってしまった人が多くて、もどかしい気持ちややりきれない気持ちが大きかった。そういう時期とツアーが重なったんです。ツアー先にはいろんなお客さんやスタッフさんがいて、新しい出会いもあって別れもあって。そういういろいろを曲にしたいなと思って、湧いてきたイメージを順々に曲に乗せていきました。周りからの影響で生まれた曲が多いかな。

-音も歌詞もすごく生命力を感じられるのには、そういう背景があったからなんですね。

堀江:今回のアルバム曲の歌詞を書き出した頃から、生きることに特化した作品になっていることは自覚していて。今の自分は、そういう気持ちが大きな時期なんだろうなー......と思っていたし、そこを無視するのもおかしいし。1曲2曲書いていくうちに自分の言いたいことが見えてきて、それをいろんな方面から書いていきました。ツアーのライヴが終わったあとに書いた曲もあれば、ライヴ本編中に思い浮かんだからアンコール前に歌詞の大枠をメモっておいたり、ライヴ終わりの車の中で書いたりしたものもあるし、打ち上げの最中に書き上げたものもある。アルバムの新曲は、ツアー中のどこかで完成したものばかりですね。

-まさにバンドマンの制作というか。

堀江:うん、そうですね。自分にとっては新鮮な制作でしたし、ライヴ・ツアーをやっていなかったらできなかった曲ばかりだと思います。目の前にあること、今思うことを書きたかったので、そっちに舵を切っていきました。

生田:最終的にいつも、今の自分たちを詰め込むと、"これがPENGUIN RESEARCHじゃん"と言える熱量が込められたものができるから。なるべくしてこうなった気がしてますね。

-『決闘』の2曲がクールなイメージだったので、そういう路線のアルバムになるのかな?と思いきや、蓋を開けてみるとスタジアム・ロック風の曲もあるし、メタル風の曲もあるし、お酒を題材にした曲もあって......と、とてもカラフルで。中でも1曲目である表題曲「それでも闘う者達へ」は、アルバムの象徴となるドラマ性を持った曲だと思います。

神田:晶太君がレコーディング中に作ってきた曲ですね。スタジオで聴かせてもらいました。

堀江:それから温めて......ツアーの高崎公演が終わったあとですね。メンバーとスタッフさんと朝まで飲んでて、そのときにノーパソ(ノートパソコン)開いて、イヤホンをつけて歌詞を書いてました。

新保:ついさっきまで一緒に飲んでたのに、目を離した隙に晶太君がいつの間にか仕事してて(笑)。

堀江:その寸前までしょうもない話をしてたのにね。

-その会話の中身や場の空気にヒントがあったのでしょうか?

柴﨑:(堀江は)どうしょうもない話をしてる恵大さんを見て"あ、ちょっとひらめいた"って言ってました(笑)。

堀江:よく覚えてるね? 僕自身は酔っぱらってたのであんまり記憶にないんですけど、この曲で書きたいテーマが、"こういう言い方にしよう"とか、"こういう言葉の配置にしよう"という歌詞のパズルにようやくハマったのが、その打ち上げの席だったことはなんとなく覚えてます。そういうひらめきが、曲になっていったところもあるのかな。「ゴールド・フィラメント」は、ライヴで「冀望」(『敗者復活戦自由形』収録曲)を演奏しているときにステージで光る電球をぼーっと見ていて、その電球のフィラメントを見ていたら"あ、「ゴールド・フィラメント」って曲にしたいな"と思ったんですよね。

-「ゴールド・フィラメント」の歌詞に"冀望"という言葉が入っているのは、そういうことだったんですね。

堀江:今回はほんとに、見えた風景の中で合点がいく瞬間をキャッチしていったというか。だから映像的な雰囲気が掴みやすい曲になっていった気がします。