Japanese
BLAST
Skream! マガジン 2016年10月号掲載
2016.09.07 @新代田FEVER
Writer 沖 さやこ
Aniplex×Sony Musicが贈る"青春"×"バンド"リズム・ゲーム"バンドやろうぜ!"に登場するバンド BLASTと、TVアニメ"ReLIFE"オープニング・テーマ「ボタン」をリリースしたPENGUIN RESEARCHによる完全招待制リリース・イベントが、それぞれのシングルのリリース日である9月7日、新代田LIVE HOUSE FEVERにて行われた。BLASTのヴォーカルは、PENGUIN RESEARCHのヴォーカル 生田鷹司が担当。生田はこの日、PENGUIN RESEARCHのヴォーカルとして、そしてBLASTのヴォーカルとしてステージに現れた。
先攻はBLAST。"バンドやろうぜ!"のテーマ・ソングをSEにし、バンド・メンバーがゲームそのままの衣装で登場した。ん? よく見てみるとドラムはどこかのドラマーに、赤髪のベースはどこかのギタリストに、ギターはどこかのベーシストとよく似ているような......? と思っていると、彼らは1曲目からシングル表題曲の「Dreamer」を投下した。リズム隊の刻む爆音ビートは特攻してくる戦車のようだ。ゲームの中から飛び出してきた、というよく聞く台詞がばっちりハマるシチュエーションにもとても夢がある。
生田が"こんばんは、BLASTです! よろしく!"とひと言告げると、間髪入れずにアッパーなシングル・カップリング曲「Objection」へ。イントロからOiコールが起こるなどフロアは熱狂に包まれる。やはり声優活動も行っている生田は、その経験を活かしてか歌詞に合わせてしっかりと演じ、効果的に自身の声を使っていく。
"みんな拳上げて、楽しんでいってね"と生田が言い、ラストに演奏されたのはYouTubeにショートMVがアップされている、未音源化ながらに人気曲である「Alternative」。5人の全力投球の演奏が、まだ見ぬ高みを目指すBLASTの青春感を後押しするようだった。メンバーがステージから去る際、観客が"翼くん!"とキャラ名を呼ぶなど、わずか3曲とはいえ2.5次元の世界を堪能することができた。
後攻はPENGUIN RESEARCH。生田、堀江晶太(Ba)、神田ジョン(Gt)、新保恵大(Dr)、柴﨑洋輔(Key)がステージに登場すると、1曲目は「SUPERCHARGER」。堀江と神田は狭いステージの上を華麗に動き回り視覚を刺激。間奏のソロ回しでは全員が俺が主役だと言わんばかりのパワフルなプレイで魅了する。続く「wasteland」は、ど派手なフレージングが終始爆竹のように破裂していた。そのあとのMCでは生田が"今日はBLASTと僕らのデュエル・ギグに来てくれてありがとう!"、"BLASTめっちゃかっこよかったね"と話すと観客からは笑いが起こる。軽快なトークで場内を和ませると、シングル表題曲の「ボタン」へ。シンプルなアレンジが楽曲の持つ純真な心を引き立てていた。
堀江が"生きているうちに、魔法も奇跡もないんだなということに気づくんだけど。それでもこの世界で前に進んでみよう、地を這ってでも進んでいこうと思っているから生きているんでしょう――そういう意志を込めて作った曲を演奏します"と語り披露されたのは「敗北の少年」。堀江の語った強い想いが音にひとつひとつ込められていくような演奏と歌唱だった。生田が"最後にみんなとひとつになりたい"と呼びかけ、ラストの「boyhood」はフロアからこの日一番のクラップ、シンガロング、Oiコールが起こる。観客ひとりひとりが自分の歌のように誇らしく楽しむ姿が美しかった。
PENGUIN RESEARCHの協力を得ながらBLASTの初ライヴは大盛況で幕を閉じた。"バンドやろうぜ!"にはBLAST以外にも様々なバンドが存在している。今後彼らがどのように現実世界で活躍していくのか注目だ。
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