Japanese
PENGUIN RESEARCH
Skream! マガジン 2018年01月号掲載
2017.11.25 @HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
Writer 吉羽 さおり
年内の公演はすべてチケットがソールド・アウトとなったPENGUIN RESEARCHのツアー"PENGUIN RESEARCH LIVE TOUR 2017-2018 PENGUIN QUEST~お台場に導かれし者たち~"の3ヶ所目のライヴが、HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3で行われた。ヴォーカル、生田鷹司が「旅人の唄」のサビを弾き語り、"ここ埼玉で/君に会えてよかった"と歌詞の一部を変えて力強く歌い上げると、静かに息を呑んでステージを見つめていた観客から大きな歓声と拍手が起こる。フロアの期待感と興奮を乗せて、ドライヴ感たっぷりの「敗北の少年」でライヴはスタートした。
もともと作曲家/編曲家として多くのシンガーの曲や、ゲーム、アニメの曲を手掛け、また動画サイトでも高い人気を誇っていた堀江晶太(Ba)と声優としても活動する生田を中心に結成し、腕の立つミュージシャンたち──神田ジョン(Gt)、新保恵大(Dr)、柴﨑洋輔(Key)により、リリカルでポップな曲からアグレッシヴな曲まで生み出すPENGUIN RESEARCH。ライヴでは、その個々の力が冴えまくっていて、ダイナミックなアンサンブルがフロアを熱していく。軽快なピアノが映えるグルーヴィなサウンドに、心地よく歌が弾んでいく「Critical Hit」でアッパーに観客を踊らせていき、"新曲を持ってきました"(生田)と、2018年1月10日リリースの『近日公開第二章』に収録される「ハートビートスナップ」を披露。ファンキーでキャッチーな曲で観客のハンドクラップを誘う。自然とシンガロングができるような、このバンドらしい曲と言えるだろう。そして、ピアノと歌とでメロウに始まった「ボタン」から、「世界最後の日に」へと大きくサウンドのドラマを動かしていく。スケール感のある曲を、隅々まで描いて届けていくようなディテールの細かなアンサンブルや、力強くエモーショナルな歌は、フロアをがっちりと掴んでいる。3月にリリースした1stフル・アルバム『敗者復活戦自由形』から「冀望」、「スポットライト」と疾走感のある曲を連投し、高いテンションのまま前半戦を終えた。
"せっかくワンマンだから、俺ばかり喋るのもなんだし"と生田がメンバーを促すと、新保や柴﨑が、チケットがソールド・アウトとなった喜びを伝え、それを演奏で返していきたいと語る。そして、アグレッシヴな動きが冴える「雷鳴」や、ハイスピードで加速する「シニバショダンス」で後半をスタートした。みっちりと埋まったフロアを、さらにぎゅうぎゅうに濃い密度にする前のめりな観客に、"もっとみんなの力を貸してほしい"と生田が叫び、続く新曲では、観客が一体となってそれぞれのタオルを振り回した。後半はとにかくノンストップ。全力疾走という言葉がぴったりとくる、エネルギーを残らず放出していくパワーが、ビートに、ギター・リフに、細やかなタッチの鍵盤にわたり、生田のヴォーカルもさらに艶やかさを増してフロアに切り込み、観客をジャンプさせる。「SUPERCHARGER」の快速ぶりに会場はもうもうとした熱気に満ちて、さらに「千載一遇きたりて好機」という燃料を投下すると、大きく爆発。観客は、笑顔で汗を飛び散らせていた。ツアーのタイトルにもあるように、来年3月には旅の最終地点であるZepp DiverCity TOKYO公演がある。各地での観客の熱を受け、それを力に、"僕らとみんなで、Zepp DiverCityへ。その先へ一歩踏み出していきませんか"と最後に生田が語る。そして、"せーの"の叫びで「敗者復活戦自由形」を爆裂なパワーでフロアに見舞い、大きなシンガロングを巻き起こして締めくくった。
今回のツアーでは、各会場でアンコールにスペシャルな曲を用意しているというPENGUIN RESEARCH。この日の埼玉のライヴでは、"懐かしい曲を"と堀江のボカロP kemuとしての代表曲「インビジブル」を披露した。そして、今ツアーのテーマである"旅"への気持ちや、その先に続く道への想いも込めて、冒頭でも歌った「旅人の唄」を改めてフルで歌い、観客とまた会う約束をした。デビューからの曲、そして次に繋がる新曲を交えた、5人の"もっと先へ"という意志を伝えるツアー。その気概、いいグルーヴを感じる一夜となった。
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