Japanese
それでも世界が続くなら
2017年07月号掲載
Member:篠塚 将行(Vo/Gt)
Interviewer:吉羽 さおり
-よほど劇的な何かがあったとかでない限りは、同じようなテーマって出てくるものですし、書き方の変化はあるかもしれないけれど、目を向けるものは大きく変わらないものだと思うんです。
不思議ですよね。言いたいことや思っていることって、尽きないんです。同じような毎日で、例えば僕のTwitterにリプライをくれる人は、直接顔を見たことがない、喋ったことがない人もたくさんいて。なかには自分の思ったことを話してくれる人もいるんです。それこそ何年も前に、同じような苦しみ方をしていた人がいたり、でも今度は別の人が同じような苦しみ方をしていたりする。例えば、誰かが"アイラヴユー"という歌を歌って。今日また違う誰かが"アイラヴユー"という歌を歌ってもいいんですよね。同じことだし、同じ歌で、同じようなことを繰り返しているかもしれないけど。僕らはずっと繰り返して、音楽も、哲学も、生きることってなんだろうとかも、答えが出ないまま死んでいくんだろうなとは、なんとなく思うんですよね。
-先ほどのピカソの話と同じですよね、ひとつひとつ答えを書いていくわけではないというか。曲を書いていても、篠塚さん自身で何か答えがあるわけではないんですよね。
そうですね。曲を作って思うことなんですけど──これを言ったらインタビューを読んでるバンドの子でふざけんなって思う人がいるかもしれないですけど。僕は、オチがついている曲が嫌いなんです。オチをつけたなと思っちゃうんです。オチをつけた瞬間に、どんな素敵なこともちょっとした小話に感じてしまうんですね。だって、人生は続いていくし、答えは出ないこともあって。だから、嘘っぽく感じてしまうんです。嘘ではないんだろうけど。たぶん、きれいに落としたかったんだと思うんですけども、僕はリアリティの追求という意味では、起承転はあるけど、結はいらないと思っているんです。その結は、聴いた人がどう生きるかでしかないと思うんですよね。音楽って、結局人間のためにあるし。人間が曲を聴いて、明日生きる気力になったり、逆に悲しいことが減ったり、悲しいことを共有できたりする。本も音楽も言葉も、どこか遠くにいる誰かの言葉だったり、人の温度を感じるんですよ。どちらが素晴らしい音楽とは言わないけど、ゴールがない音楽の方がリアルだなとは思うんです。特に音楽って、何度も何度も同じ曲を歌うじゃないですか。答えを出して、例えば人として成長したときに、その同じ答えを歌い続けるのかというと、僕はそれだけの責任を持てないという。明日にはきっと、僕は考え方も誰かの影響で変わっているし、変わっていきたいんですよね。そういう意味では、着地したくないというのはあるかもしれない。
-リアリティを追求するなら、考え方が変わったときに、その歌がもう歌えなくなるわけですよね。
僕は性格が悪いから、歌わなくなっちゃうんですよ。レコード会社からしたら、地獄ですよね。シングルの曲とか平気で歌わなくなるから。昔、ケンカしましたもん。レコ発でリリースする曲をほとんどやらなかったって。
-あぁ、もう曲を書いたときからは思考が次に向かっちゃったんだ(笑)。
そうそう、ひどいですよね(笑)。レコ発じゃないって言われました。
-たしかにそれはレコ発のライヴではないですね。会社的には大変だ。
ダメですよね。人としてもね、世話になっているんだから恩くらい返せよっていう話ですからね。
-そうですね、ライヴに来た人もそのリリース作品の曲を聴きに来ているでしょうから。
難しいですよね。これはライヴに触れている話だと思うんですけど、例えば、ミュージシャンに対してこういう曲を書いてくれって、言われたとおりにしてほしいと思いますか?
-それはないかな。
ですよね。その尺度って難しい。バンドやってる奴は特にそうで、ライヴして、俺の本当の気持ちを歌っていいのか、それともみんなが聴きたいって思っていることをやったらいいのか、いろんなバンドが悩んでいると思うんです。評価されないバンドほど、みんなが聴きたいという方にどうしても媚びてしまうしかない道があったりする。僕はずっとライヴハウスの店員だったので、それで苦労しているバンド、苦しんで絶望して音楽をやめていくバンドも見てきて。最初にギターを持った瞬間って、たぶん自分の気持ちを言葉にできるって信じているんですよね。
-そうだと思いますね。
なかには、モテたいからっていう子もたくさんいると思うんですけど。それと同じくらい、自分の言葉を歌いたいっていうのはあったと思うんです。でも、やっていけばいくほど、例えば、俺はこんなに苦しかったんだって歌われたところで、いやお前が苦しかったのはもうよくわかったけどさっていう、聴いて俺にどうしろと? と、きっとみんな思う。その果てに、みんなに好きと言ってもらえる曲を作ろうとなるんだと思うんです。バンドをやっている子って器用じゃない子たちばかりだから、どんどん、中身がなくなっていくんです。
-自分の言葉を間引いて、無難になっていくというか。
言いたいことを減らして、みんなが聴きたいだろう言葉を作って、みんなが聴きたい形に落とし込んで。そんなものはコンビニのパンと一緒で、どこにでもあるものになってしまう。そして誰にも届かず、音楽に絶望してやめていくんですよね。器用な子や賢い子もいっぱいいるけど、そこに辿り着けない子もたくさんいて。僕は代弁者や代表になる気は全然ないけど、このバンドを始めたときに思っていたのは──今回のアルバムを作っていて思い出したんですけど、このバンドを組んだときに"一生売れないバンドになろう"と思っていたんです。
-周囲のスタッフ、苦笑いしていますけど(笑)。
(笑)千葉のライヴハウスから出ることはないだろうな、とね。千葉LOOKというライヴハウスを拠点にしていたんですけど、店長には千葉LOOKが始まって以来の劣等生と言われていたので。挨拶ができなければ、ライヴハウスの人がこうしたらいいよって言うこともひとつも聞かないし、すべてがダメだと。でも、もともといじめられっ子だったから、折れない心だけはあったんです、ギターを持った瞬間に、強そうな人の言うことは聞かないっていう気持ちになっちゃったんですよね。対バンしたバンド全員にも、媚びないっていう。一番悪いパターンのバンドだと思うんですけど。
-なるほど。
当時世話になったレーベルの人に、今のバンド名にしたいんだって言ったときに、まだインディーズでしたけど、同時期にSEKAI NO OWARI(※もともと"世界の終わり"と表記)が話題になっていて。"そのバンド名だとSEKAI NO OWARIに似てない?"って言われたんです。"そういやそんなバンドいますね。でも大丈夫です、僕のバンドが売れることないです"って。"誰かにいいって言われることもたぶんないし、僕は千葉でずっとやることになると思うので、バンド名が被ってるとか、そんな理由で自分の意思を変えることはないです"って言ったんです。本当に歌いたいことを、歌いますって言って。そのバンド名にするなら、うちのレーベルはCDを出さないからって話でケンカになって。じゃあいいですって。
-そのまま飛び出たんですか。
そう、それで今に至るんです。
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