Japanese
a flood of circle
2015年11月号掲載
Member:佐々木 亮介(Vo/Gt)
Interviewer:沖 さやこ
-なるほど......。「ベストライド」は聴く人を力強く突き動かして、引っ張っていくような曲でしたが、「花」は聴衆へ届ける想いは強いけれど、人を引っ張るというよりは、自分たちを奮い立たせるために存在する曲という気もしました。
まさにおっしゃる通り。「ベストライド」で"君の世界を変えるのさ"と歌っているけれど、"それを歌ってるお前はどうなの?"という疑問が湧いて。それは誰かの視線の影響ではなく、自分でたしかめたかったんですよね。ちゃんと"なんでこいつは必死になってロックンロールと叫んでいるのか"ということを曲や歌詞に落としこめてないと、連れて行く側の人間としては頼りないような気もしていたし。新しい事務所の人たちも含めて、俺が先頭に立って全員を連れて行くには、ちゃんと苦しんでちゃんと音にしないとだめだなって。俺の大好きなブルース・マンのBuddy Guyが"苦しんだぶんだけ音が良くなる"と言っていたんです。自ら苦しみにいくのは愚かな行為に見えるかもしれないけど、そこにチャレンジしないと生まれないものは絶対にあるし。10年バンドをやってきて、29年生きてきて、歌詞の通り同じところに住んだことがない"根無し草"の俺が"ここが俺の居場所なんだ"と言えるか言えないかの瀬戸際に来てるなと思って。だからここでちゃんと胸を張って歌える場所を作っておきたかったんですよね。そのとき言いたい言葉は"君"がどうこうではなく、"俺"はこう、と歌いきること。そのカッコ書きで"君はどう思う?"が書いてある感じでいいなと。
-そういう精神性が詰まった歌があってこその曲だと思います。
だからアレンジも歌ありきで決めていきました。最初は8分の6拍子で作ったんですけど、歌を強調するためにしっかりとスネアが鳴り続けてるような音にしたかったから、4分の4拍子に変えて。あと......地味なことなんですけど、より言葉を強く届けるためにサビで転調させてるんですよね。今までAFOCは転調したらそのまま行きっぱなしだったんだけど、「花」は1サビが終わったら元に戻るんです。その歯車を噛み合わせるのにかなり時間がかかった。でも自分の言いたいことにフォーカスを当てていたから、シンプルながらに音楽的な工夫はしましたね。ギター・ソロもめちゃくちゃ気合い入れて弾いたし、ひとつひとつの音色やフレージングが、歌のためにちゃんとあると思います。
-そうですね。音が歌と言葉にさらに説得力を与えていると思います。歌詞は佐々木亮介自伝とも言うべき内容で、ちゃんと時代の流れが描かれているところも見事だと思いました。まず1Aで"太陽が当たる方へ"と必死に"太陽"へ向かう描写がありますが、1Bには"明るい未来とか言うけどさ/実際全部闇の中さ"というラインが出てきます。"太陽"を求めていた少年が"闇の中"で"泥水にまみれもがいてでも/呼吸をして生きていく"という決意を固めたというのは、ターニング・ポイントが描かれているようにも見えました。
3年ずつ引っ越しを繰り返していたという人生を思い返すと......自分がどこにいるかわからないけれど、とにかく日の当たる方へ行こうとしていた気がするんです。いろんなところを転々としながらも、どこでも言われていたことは"ちゃんと勉強をして就職をして、ちゃんと結婚をしてちゃんと死んでいけ"ということで。それは"明るい未来"が提示されているような気がするけれど、それはとっくに崩壊してるし、大人になるにつれて誰かの詭弁だったということがわかってきたんです。震災のあともそうだし、何がいつ壊れるかわからない不安定な世界......そういう時代に生きている。誰かに言われていた"明るい未来"は、自分でたしかめたら"闇の中"だった。だからそこで生きていかなきゃいけないとも思ったし。俺の好きなミュージシャンたちは、闇の中で生きていたぶん自分で光ってるからなおさら輝いて見えて。だから俺はバンドを始めたところもあるんです。それは別に俺が誰かの光になりたいという話ではなくて......目の前が闇だということを自覚しないとできないことや、進めない場所があるんじゃないかな。今の解釈を聞いて、そういうところはあるなと思いました。
-闇の中にいることを絶望と捉えるか、それを逆手に取るか。佐々木さんは後者だと思います。
見えないからこそたしかめに行くという生きがいがあるとも思うんですよね。何があるかわからない闇の中で、手探りで何かを見つける方が絶対にいい。それが自分の経験にもなるし。今のバンドマン界隈は"今後こうなっていきますよ"なんてものはないから、実際自分たちで作るしかない。だから決意表明みたいな歌詞になっているのかもしれませんね。
-お話を聞いていて思いましたが、AFOCが、佐々木さんが転がり続けてるのは"帰る場所がない"というのも理由のひとつなんですね。
"土に還るまでが遠足です"って歌詞を書いたとき、俺は何を書いてるんだろう?と思ったんですけど(笑)、真実だなと。"帰る場所がない"と思ったと同時に、"自分は死ぬまで動き続けて、表現し続けるんだろうな。そうしたいし、そうしちゃうんだろうな"っていう気持ちもあって。そういうことを、笑える感じに素直に書けたのは良かったな(笑)。4人組でメジャー・デビューしてから"あ、これでやっと自分の場所が見つかった。ここで戦っていけばいいんだ"と思うんだけど、それが毎年崩壊していって(笑)。でも......毎年再生させている。どれだけそのときが最高でも、そのときそのときで最高のパフォーマンスを出し切れてないと次はないというか――今できることをすべてやって自分を更新していきたいという気持ちがすごくあるんです。だから今、バンドマンとしての人生、いち個人としての人生がすごくリンクしてる感覚があるので、こういう曲を10年目でやっと書けたと思うんですよね。
-「花」の秀でているところは、佐々木さんのパーソナルなことだけではなく、2番で"世界"を歌っていることだと思うんですよね。どちらかに偏った曲は世の中に数多く存在しますけれど、このふたつがどちらも落とし込まれているところが感動的で。だからこそ本当の意味で"佐々木亮介自伝"なのだなと。
そういう外に向けた歌を歌うようになったのは、感覚としてはテイチクエンタテインメントに移籍して1発目の『FUCK FOREVER』(2012年リリースの2ndミニ・アルバム)からかな......。それまではもっと内省的だったり、近い世界を歌ってた。「FUCK FOREVER」もそうだし、「Summertime Blues II」では思いっきり"核などいらねー"って書いちゃって。バンドを続けていく中で歌えるようになってきたことは絶対にあるので......だからやっぱり「花」は"自伝"なんですよね。そういう変化が歌詞に書かれている。その中でもユーモアは大事にしているので"こんな世界は嫌だ さてどんな/笑えない大喜利の答えがニュースの一面"という書き方をして。1番聞きたくない答えが毎日、新聞の一面になっているのが現実だし。それを真摯に捉えつつ、聴いてもらう工夫をして、ユーモアにしているのは自分のやり方でもありますね。
-そういう状況を歌いながらも、「花」はサビのラストで"すべて失くしても/くたばっても まだ世界は素晴らしい"という言葉が来る。今"世界は素晴らしい"と歌うのは勇気の必要なことだと思います。
めちゃくちゃいりますね。ただ"世界は素晴らしい"と歌うと"嘘だろ"と思っちゃうんだけど......これだけ俺が「花」という曲にかけてきた想いや熱量、実際に書いた言葉を考えたときに"まだ素晴らしい"と言いたい、という欲望がすごくあって。文章的には整合性がないものだとも思うんですけど、書いておきたかった。"CDがあれば音楽はずっと生き続けるよね"と言ったりもするけれど、俺はそれすらも疑っていて。だからこそ一瞬の勝負を曲に書いておきたい気持ちもあったし......。それは自分の哲学が入ってる部分もあるかもしれませんね。これまでの歴史を歌ってはいるけれど、過去に甘えていない、先に進むための曲を書けたと思います。
LIVE INFO
- 2025.12.02
-
RADWIMPS
LONGMAN
Dios
RAY
マカロニえんぴつ × DISH//
私立恵比寿中学
GLIM SPANKY
SUPER BEAVER
IneedS
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
SHERBETS
Homecomings
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
NANIMONO
eill
Laughing Hick
崎山蒼志
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
- 2025.12.08
-
ザ・クロマニヨンズ
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
RAY × きのホ。
ドラマチックアラスカ
PACIFICA
シベリアンハスキー
雨のパレード
never young beach
- 2025.12.09
-
キュウソネコカミ
天女神樂
ザ・クロマニヨンズ
FRANZ FERDINAND
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
ドラマチックアラスカ
TENDRE
PACIFICA
Galileo Galilei
Dios
ザ・シスターズハイ
ストレイテナー
PEDRO
モーモールルギャバン
- 2025.12.10
-
PACIFICA
Galileo Galilei
山本彩
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
くるり
森 翼
Wez Atlas
すなお
ストレイテナー
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
- 2025.12.11
-
MONOEYES
あいみょん
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
山本彩
オレンジスパイニクラブ
BIGMAMA
ポルカドットスティングレイ
そこに鳴る
The Ravens
FRANZ FERDINAND
- 2025.12.12
-
Hump Back
Chimothy→
崎山蒼志
VII DAYS REASON
LiSA
Another Diary
凛として時雨
TOMOO
BIGMAMA
PENGUIN RESEARCH
moon drop
ねぐせ。
私立恵比寿中学
くるり
PEDRO
サカナクション / Creepy Nuts / 羊文学 / ちゃんみな ほか
flumpool
the shes gone
VOI SQUARE CAT
SAKANAMON / Broken my toybox / SPRINGMAN / KEPURA
BRADIO
ザ・クロマニヨンズ
僕には通じない
LONGMAN
- 2025.12.13
-
MONOEYES
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
ぜんぶ君のせいだ。
VII DAYS REASON
Vaundy / THE ORAL CIGARETTES / sumika / マカロニえんぴつ ほか
UVERworld
eill
フラワーカンパニーズ
LITE
SHERBETS
清 竜人
ポルカドットスティングレイ
moon drop
吉井和哉
9mm Parabellum Bullet
Cody・Lee(李)
flumpool
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
[Alexandros]
Appare!
秋山黄色
藤沢アユミ
キタニタツヤ
THE SPELLBOUND
- 2025.12.14
-
downy / toe / unripe / aieum
(sic)boy
VII DAYS REASON
LiSA
ねぐせ。
10-FEET / クリープハイプ / go!go!vanillas / Saucy Dog ほか
UVERworld
ぜんぶ君のせいだ。
Devil ANTHEM.
フラワーカンパニーズ
TOMOO
NEE
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
OAU
PEDRO
鶴
SHERBETS
RADWIMPS
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
MOSHIMO
スカート
PHALUX
Bimi
ASP
22/7
古墳シスターズ
クジラ夜の街
[Alexandros]
キタニタツヤ
- 2025.12.15
-
MONOEYES
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
anewhite
山田将司(THE BACK HORN)/ 大木伸夫(ACIDMAN)/ 内澤崇仁(androp)/ 村松 拓(Nothing's Carved In Stone) ほか
TOOBOE
Mrs. GREEN APPLE
Hump Back
- 2025.12.17
-
あいみょん
Hump Back
優里
CENT
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
RELEASE INFO
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.06
- 2025.12.07
- 2025.12.09
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.19
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.11
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号















