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UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第15回】

2014年08月号掲載

UNCHAIN 谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太【第15回】

墨澄み田でふもとが"ゼロ"の能力を手にしたころ、渋々谷では"炎帝"と"氷結"が地に伏せていた。「...レビレビ」すっかり戦場と化したこの渋々谷で唯一自分の足で立っている男。「全ては私の物だレビレビ」彼の名は、藤手 レビィ。クラウドノイド最凶の男。「レビレビ...レビレビ...」"雷神"なき渋々谷で、"炎帝"と"氷結"を倒した"シーフ"藤手レビィは、もはやこの東京合衆国を支配しつつあった。「わざありぃぃぃ!!」伊釣が急にドスの利いた低音を発した。「なんだよ巣蚊伊釣。急におっさんに戻るんじゃねえよ」僕はアッパーカットを喰らい、ひざが笑っているが、キスをしたという事実に顔も笑っていた。「ニヤニヤしやがってっつって。気色が悪いっつって」元に戻った千異汰が悪態をつく。「てやんでぃ!で?風神さま。今度はどうしたってんだ!?」汰異牙は服が卸したてのようだ。「あいつだわよ。ちょーわざありなあいつが来たんだわよ」ちょーわざありってどうゆう感じなのだろうか。「最凶だわよ。最凶の"シーフ"が来たんだわよ!」伊釣はそう言ってシッポをフリフリした。「いいかいあんたたちよく聴きな。あいつは、藤手レビィは、」言いかけた伊釣は次の瞬間真っ黒になった。そして遅れて音がやってきた。ピシャァァァァ!!!「...」あまりの出来事に僕たちは沈黙する。どうやら雷らしきものが伊釣を直撃したようだった。「韋駄天!!つって」千異汰が韋駄天を発動ふもとを突き飛ばした。「!?」ふもとの立っていた地面に大きな割れ目が現れた。ピシャァァァァ!!!音が遅れて降ってくる。「ぐああああああ!!!」千異汰が苦痛に叫ぶ。見ると左足が真っ黒に焦げていた。「..."ゼロ"」すかさず千異汰に触れるふもと。するとみるみるうちに足が元通りになった。「すまんふもとっつって。ここは危ない!すぐに移動するぞっつって!その前に"ゼロ"で風神さまも治してやってくれ!つって」千異汰は言う。がしかし「ダメダ。アノクソイヌハモウ、シンデル...」死んでしまった者に"ゼロ"は使えないということなのか。「くそっ!とりあえずみんなここを離れるぞ!」「ちょっとお待ちくださいレビレビ」姿は見えないが声だけが聞こえてくる。「私からはレビレビ。逃げることは出来ませんレビレビ」独特な口調だ。「てやんでぃ!千異汰!こりゃあ間違いねえ」「おう兄ちゃん。あのいかづち、そしてこのテレパシーは間違いなく瑠休さんの、"雷神"の技だっつって」「てやんでぃ!だが、瑠休さんは死んだはず。信じたくねえが、やはりあいつの、藤手レビィのしわざかよバカヤロー!」「そうゆうことレビレビ」ライオン坂ミーティングにテレパシーが口を挟んできた。「そのお台場のテレビ局みたいな名前のやつは一体誰なんだ?」僕は言いながら嫌な予感がした。「それは最凶のクラウドノイド。レビレビ」その声は、今度は後ろから聞こえてきた。その真っ白なスーツに身を包んだ白髪の小学生のような少年から。ふもとが僕の腕をガッチリと掴んで言った。「ガニタハ、ワタシガマモル」少年は炎の柱を汰異牙に、氷の剣を千異太に、そしていかづちを僕とふもとの上に落とした。「てやんでぃ!!」「つって!!」それぞれの特徴的な口調で痛みを表現した。「こ、これは"炎帝"の!てやんでぃ!」「こ、これは"氷結"の!つって!」汰異牙は片腕を、千異他は片足をもぎとられた。ふもとはいかづちに触ると同時に"ゼロ"を発動し、僕とふもとへの攻撃をキャンセルしたようだ。「こいつが藤手レビィ?"雷神""炎帝""氷結"の技が使えるなんて、どぉなっちゃってんだよ?」僕はどさくさで好きなアーティストの曲名みたいなことを言った。「てやんでぃ!こいつが瑠休さんを殺した!」「高島一世短と茶沢星優もだ!そして能力を盗んだ!つって!」能力を盗むだと!?「そうレビ。私は皆港の"シーフ"藤手 レビィ。あなたの"ゼロ"も私が盗んであげるレビ」
 
...to be continued