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INTERVIEW

Japanese

UNCHAIN

2012年04月号掲載

UNCHAIN

メンバー:谷川正憲(Vo&Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

前作『SUNDOGS』から10ヶ月。配信限定リリースされたカヴァー・シリーズ『Love & Groove Delivery』でも我々リスナーを驚かせたUNCHAINから、5thアルバム『Eat The Moon』が4月25日にリリースされる。過去最多のゲスト・ミュージシャンを招いて制作された今作のテーマは“深夜の移動遊園地”。最高にファンタジックでロマンティックなこのアルバムについて谷川正憲に訊いた。

-前作のリリースから約10ヶ月ですが、その間のスケジュールや心境などを振り返って頂いても宜しいですか?

レーベルを移籍した前作『SUNDOGS』から“変わり続けることを貫き続ける”ってのがバンドのテーマでして。別にリスナーのみんなを置いてきぼりにしたいわけではなかったんですけどね。でも“ジャンプするのはいいとしても、その着地点をしっかりと意識しなければいけないなぁ”というのを『SUNDOGS』のツアー中に思いまして(笑)。このアルバムを制作するにあたって、結成16年目にしてほぼ初となる真面目なミーティングをメンバーと何度も繰り返したんですが、僕たちみんな口ベタだし、しかも目に見えない音をクリエイトする際のミーティングだから、どうしてもイメージ論になってしまって(笑)。それなら分かりやすいキーワードが必要だろうと。あれやこれや言いながら“深夜の移動遊園地”というテーマに辿り着いたわけです(笑) 。

-曲作りはいつ頃行われたものでしょうか。

『SUNDOGS』発売前から曲を作っていて、曲出しが始まったのは昨年7月からでした。最初の頃は“小説を書いて、それをもとにアルバムを作りたい!”って言っていたんですが、普通に考えて、まず今まで小説なんて書いたことがないのに、そこに時間を割かれるのは明らかに本末転倒だろうと気付きまして……。ただ昨年の震災後、これから時代はどうなっていくのか、その想いを正直に書くべきだと思ったし。

-『SUNDOGS』発売前から曲作りということは、丁度震災直後でもありますものね。

そうですね。“事実は小説より奇なり”という言葉がありますが、震災という事実はもう想像を遥かに超えてしまったと思ったので、今僕に出来ることをもっと掘り下げて考えながら曲を作っていました。

-非常にファンタジックでロマンティックなアルバムだと思います。先程おっしゃって頂いた“深夜の移動遊園地”や“夜に現れるサーカス団”と今作を例えてらっしゃいますが、このコンセプトに至った経緯を詳しく教えて頂けますか?

先ほども少し触れましたが、ミーティングを重ね、僕らに出来ること、伝えることを考えた結果、まず出てきたキーワードが“逆転満塁サヨナラ・ホームラン”でした。逆境を超えて前へ進んで、最後まであきらめないという強い意志を表すアルバムはどうかと。僕らはもともと“影を抱えて光を目指す”というメッセージを歌い続けているし。ただ“別に野球じゃなくてもよくないかい?”というツッコミも当然入りましたので、シンプルに“大逆転劇”とは何かを考えました。前回の“SUN”から、今回は“MOON”かなぁ……というのがなんとなく頭にあって“夜が明けるのは逆転だよね”みたいな話もしつつ、そこに“楽園”というものをプラスすることで、堅苦しくなく自由で楽しくて踊れるブラック・ポップ・ミュージックを表現しようということになり、遊園地やサーカスというワードが出てきました。

-深夜の遊園地ではなく、深夜の移動遊園地、というところが個人的に興味深いです。

移動するのはやはり、全国ツアーを回るバンドマンの感覚からでしょうか。夜が明けたらいつのまにか幻みたいにその遊園地はなくなっていて、夜が来るとまたどこかの街に出現するんです。遊園地が人知れず一晩で移動することはなかなか現実では難しいし、タイトルの『Eat The Moon』も月を食べるなんてことは不可能だけど、音楽がそれらを想像させることは出来るかなと。想像上かもしれないけど、不可能を可能にすることが出来る。それが今必要とされている音楽の魅力のひとつじゃないかと思いました。