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INTERVIEW

Japanese

UNCHAIN

2012年04月号掲載

UNCHAIN

Member:谷川正憲(Vo&Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-(笑)。曲ごとに色を変える谷川さんのヴォーカルが今回は特に栄えていると思います。ひとりの人が歌っているとは思えません。

曲ごとに声を変えているつもりはありませんでしたが、今回は裏声と地声の間“ミックス・ヴォイス”に挑戦した曲が何曲かあります。「Cream Pie」、「4U」、「Until Dawn」などがそうです。部分的になら、ほぼ全曲使っているかもしれません。この歌唱法で表現の幅はグッと広がったと思います。あとは夜がテーマなのでセクシーさを意識しました。息を多めに吐きながら歌うのがコツです。

-「暁のコドウ」の作詞はMIZUEさんと行っていらっしゃいますね。メンバーさんではないミュージシャンさんと言葉を作るとはどういう感覚でしょうか。

MIZUEさんとは一度お会いして、お茶をして、世間話を挟みつつミーティングをして。僕の「暁のコドウ」の漠然としたイメージが“もののけ姫”だったんです。壮大で、神秘的で、壊れそうな世界がぴったりだったので、そうお伝えしたらMIZUEさんから“光を炎に置き換えてみるのはどうですか?”と助言をいただきました。震災後の世界で、いろんなことをあきらめてしまった人もいるかもしれません。でもその人たちの心の炎は完全に燃え尽きてしまったわけではないと思っています。まだ心の奥でくすぶっているその炎を再び燃え上がらせるようなそんな内容がいいね、という話になり、僕が最初に作った歌詞をもとにMIZUEさんに言葉を選んでいただいたって感じです。

-まさにおふたりの魂が封じ込められた歌詞ですね。それでは『Eat The Moon』というタイトルに込められた意味や想いを教えて頂きたいです。

月を食べてなくなっちゃうと朝が来るという裏設定があったり、“Eat The Moon”という名前の楽団もあって中でパレードしたり、“Eat The Moon”という悪の組織があって月を食べて夜の光をなくして本当の闇だけにしちゃうという悪役がいるとか……いろいろ想像が膨らんでおもしろいんですが、月を食べるという実際にはありえない世界、Eat The Moonという名前のアミューズメント・パークみたいな移動遊園地があって、その中にいる時間、つまりこのCDを聴いている時間だけは夢の世界で好きなだけ楽しんでください、と。でも朝が来てここを出ると、現実に一気に引き戻されてしまいます。最初にも触れましたが、事実は小説より奇なり。現実はディズニーランドよりすごいことが起こるんです。震災みたいな怖いことも起こるけど、それ以上に楽しくて嬉しいことだって絶対あるはずなんです。この『Eat The Moon』のゲートを出る頃には、それをしっかりと胸にとどめて前を向いて歩いていって欲しいです。

-4月にはSkream! EXPOにもご出演下さいますが、どういうライヴをご披露下さるのでしょうか? 会場でもあるGAMEは煌びやかな照明はUNCHAINにピッタリだと思います。

GAMEは初めてなので楽しみです。最近のUNCHAINが目指しているのは、ハイヤー・グラウンドではなく、プレジャー・グラウンド。音楽をやる者として高みを目指し、その技術やストイックさをお客さんに見ていただき喜んでもらうのではなく“お客さんと一緒にその空間を楽しいものに作り上げる”ことなんですね。技術はそのためにあり、歌はそのために歌う。もはや自分のためだけの音楽ではなくなってきています。そうゆうとこも今回のアミューズメント・アンチェインに繋がって来るんですが。とにかく、お客さんと一緒に作るライヴを一緒に楽しみたいと思っています。

-5月と6月はリリース・ツアーで、ワンマン・ライヴ以外のライヴには若手のバンドさんを多く招いていますね。

Skream! EXPO -04-でもそうですが、対バン・ライヴは特にイベントの頭からケツまで熱気とテンションを持続させて、その日が丸ごと全部楽しかったと感じてもらえるようなライブをしたいです。だからお客さんにもUNCHAINだけ見て帰っちゃうとか、そうゆうことにならないようにバンド同士で士気を盛り上げて挑みたいですね!