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INTERVIEW

Japanese

後藤まりこ × コンテンポラリーな生活

後藤まりこ × コンテンポラリーな生活

メンバー:後藤まりこ 朝日廉(コンテンポラリーな生活, Vo/Gt)

インタビュアー:石角 友香  Photo by 石原 慎

-でもコンテンポラリーな生活もバンドをやる元々の動機はけっこうドロドロしてたって話してくれましたよね。

朝日:中学のころ、学校が嫌いやったんですよ。

後藤:へー、なんで? 嫌やったん?

朝日:学校ってすごい狭いのにそん中でもカーストみたいなんがあって、勉強できるヤツ、スポーツできるヤツ、押しの強い奴は上にいて、外に出たらどうでもよくなるんですけど、中にいたらどうしてもそれから抜け出せなくて、なんの特技もないというか、絵描くだけが特技の自分みたいな人間は教室でどうでもいい存在というか。

後藤:僕もそやで。ぼくも中学、数えるほどしか行ってなくて。

朝日:全然楽しくなくて。で、もう......今回「ヘドが出る前に」って曲を作ったんですけど、そんときに中島らもさんの"僕に踏まれた町と僕が踏まれた町"の中で"ロックンロールは殺意だ"みたいな言葉を思い出して。ロックをやってる人はなんらか殺意を持って音楽やってるけど警察につかまらずにやってるじゃないですか。そういう気持ちをロックンロールに変換できるってことは、中学のときにためた心の黒い何かはこれも音楽に変えれるんだったらこれも出してやろうと。ヘドとして出す前に音楽として出す。だから"これがヘドが出る前にできた曲なんだ"っていう意味で「ヘドが出る前に」っていうタイトルで、アルバム・タイトルもそうなんですけど。

後藤:それはワクワクしながら作れる?

朝日:歌詞に関係ないところはワクワクするんです。僕は曲調と歌詞にギャップあるねっていうのはよく言われて。そうなんです、ベクトルがバラバラで。

後藤:作るときはバラバラなんや。

-しかも論理的な解釈をするのが男子っぽいなと思いますけどね。

朝日:性格もあるんでしょうけどね(笑)。

後藤:僕も中学のとき被害妄想......最近までバンドやってたときも被害妄想すごくて。まあ完全なる病気やってんけど、なんやろな、人の目とかカーストのことをめっちゃ気にしてたし、社会における自分の立ち位置とか見られかたを気にしてたけど、やっぱ自分が考えてるほど人って気にしてないと思うねんな。ようやく大人になってわかんねんけど、よう考えてみたら気にしてんの自分だけで、逆に人に順位をつけてた人間になってしまってたんやな、って自分で自分が残念になった瞬間で。ソロになってなんかしばらく残念な自分に打ちひしがれた時期があった。

朝日:学校に行ってたときはなぜか気づかないじゃないですか。出ようと思ったら出れたのに。

-その中で戦わないといけないと思い込む?

後藤:学校行ってた?

朝日:行ってました。

後藤:僕行ってなかったから。行って戦ってた派でしょ?

朝日:いや、結局逃げてた自分が1番腹立ったんですよ。ヘラヘラして戦おうとしなかった自分が、外に出たとき見つめ直してイヤだった。

後藤:僕は試合完全放棄やった。

-大人になって生きやすくなった気はしますか?

後藤:僕はつい最近、自分次第やなっていうのは感じてます。

朝日:今24なんで......大人、どうなんでしょう。まだわかんないです。

-じゃあ最後に、大きなテーマですけど、おふたりは何を手段に、何を変えていきたい、やっていきたいと思っていますか?

後藤:僕はとにかくむちゃくちゃしたいですね。なんか形式こだわらず、求められたらなんでもするし......自分の考えと違うことはやらないですけど、ある程度相手の気持ちはわかりたいし、望まれたことはなんでもやりたいし。人に楽しんでほしいし、嫌な気持ちにさせたくないという意味でめちゃくちゃしたい、です。

朝日:俺は今のところ1番したいことは、めちゃくちゃいいアルバムを作りたいです。満足することってないと思うんですけど、少なくとも昔憧れのアーティストで感じた"うぉー!"っていう高揚感みたいなものを自分のアルバムでも感じられるぐらいいいアルバムを作りたいです。