Japanese
後藤まりこ × コンテンポラリーな生活
メンバー:後藤まりこ 朝日廉(コンテンポラリーな生活, Vo/Gt)
インタビュアー:石角 友香 Photo by 石原 慎
-話は変わるんですが、後藤さんはレコード会社や事務所を辞めたとき、ひとりでSNSとかを使って結局SHIBUYA-AXは大盛況でしたよね。
朝日:それも伝え聞いております。やっぱり話題になったじゃないですか? どうなるんだろう?ってとこから"埋めたんだ"ってとこまで話題になったんで、すごいなという。
後藤:いやもう、支えられてばっかりというか。ぼく、もうバンドやないんで。責任取るんもひとりでせなあかんから、せなと思って。
朝日:AX......僕も出たいなぁと思ってたんですけど。若いバンドマンのひとつの目標になってたじゃないですか。
後藤:AXなくなって目標のライヴハウスはどこですか?
朝日:AXなくなったらやっぱりLIQUIDROOM ebisu......埋めるバンドになれたならと。
後藤:大阪やったらどこなんですか?
朝日:BIGCATを埋めたいなって。僕、BIGCATに初めて行ったのがMO'SOME TONEBENDERのワンマンで、めちゃめちゃかっこよかったんですよ。だから初めて行ったモーサムの思い出で、僕の中ですげえかっこいいバンドが出た最高のライヴハウスだっていうイメージがあるんで、満員のBIGCATでライヴできたら最高の気分やろなっていう。
後藤:なんかあれですね、すれてないですね。大阪出身ぽくない。"あのステージに立ってる俺"みたいなことを直接的な言葉で言えるバンドの子って今少ない気が。
朝日:そうですか?
後藤:僕の周りにおれへんだけかな。
朝日:どうでしょう。バンドやってる理由がやっぱりそれなんで。
後藤:そっか。僕、バンドやってたとき、全然そんなん考えてなくて、もうとりあえずムカつくとか、めちゃくちゃしたいとかそれだけやったから。そんなピュアな動機、そこはちょっとアイドルちゃんと似てるかも。そういうとこ建設的に考えてらっしゃるんですね。
朝日: "うわ、ムカつくな"っていう曲はいっぱい作ってるし原動力になってるんですけど、なんかワクワクするものがすごい好きで。実はアニメもすごい好きで。
後藤:好きそうやね。めっちゃ好きそう。
朝日:子供の頃から、ちょうど10代ちょっと前からジブリがガンガン作ってて、新作出たら親に連れていってもらってたりとか。ちょっと前に亡くなられたんですけど、今敏さんていう"パプリカ"とか"PERFECT BLUE"とか、その人の作品がすごい好きやったんです。最近では"サマーウォーズ"とか"おおかみこどもの雨と雪"って映画を作った細田守さんてかたがすごい好きで。子供のころからこんなにワクワクさせてもらったんだから、俺もワクワクさせたいっていう、なんかそのワクワク感を作りたいと思うんですよね。
後藤:今、ワクワクするアニメはないのん? 僕、今、"プリキュア"やねん。プリキュアなりたいねん、まじで。すっごいなりたくて、子供がさ変身ベルトとかつけていけてると思ってるやん? ぼくも最近、プリキュアのTシャツとか着て、バリいけてると思っててさ。
朝日:いいっすね(笑)。
後藤:やっぱワクワク感、大事やんな。大丈夫やよ、今見てもワクワクできるって。
朝日:実は今も見てるんですけど(笑)。"キルラキル"っていう"エヴァ"から"グレンラガン"で抜けたチームが作ってるアニメなんですけど。
後藤:へー、ロボット系? 僕、アニメとかクソや、オタク気持ち悪いと思っててんけど、めっちゃ心が弱ってる時に尊敬してる人に勧められて見たらどハマリして。"まどか☆マギカ"と"プリキュア"しか僕の心に存在してへん。弱ってるときに心にクッて入ってくるね。アイドルとかもそうやと思う。弱ってる時にクッて入ってくる。
-そういうときに入ってきたから信用できるとか?
後藤:もちろん。弱ってるときの自分がニュートラルであるっていうのも、最近わかって。だから自分を追い詰めまくろうと思って。けっこう朝日くんとか自分を追い詰めるのは嫌いでしょ?
朝日:嫌いかどうかはわからないですけど、苦手です(苦笑)。追い詰めるやりかたは確かにあんまりやらないかもしれないです。"ワクワク!"ばっかり考えてます。
後藤:僕は逆で最悪のパターンしか想定せずに作ってて。最悪なことばっかり、もうあかん、絶対あかんっていうところから始める。自分に自信がないから、今回のCDでも、歌詞見返してびっくりしたんが、ほとんどの曲で"わたしなんか""わたしごときが"って言葉が入ってて、すごい自己分析になって、こんなに自分のことクソやなって思ってることに改めて気付いて。でもそんな人間でもCD出せんねや、ありがたいなと思って。そんなワクワクして音楽作れる域に行きたい(笑)。
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