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それでも世界が続くなら、メジャー/インディーの垣根を超えた全時代ベスト・アルバム制作プロジェクトを開始

2025.12.17 21:15

それでも世界が続くなら、メジャー/インディーの垣根を超えた全時代ベスト・アルバム制作プロジェクトを開始

それでも世界が続くならが、2026年での完全復活を目指し、メジャー/インディの垣根を超えた全時代/再録ベスト・アルバムの制作をかけたクラウドファンディングを開始した。
 
このクラウドファンディングは、"約30曲を収録した2つのベストアルバムの制作"を目標としており、2026年2月28日23時59分59秒までに目標到達した場合のみ、ファンディングが実行される。集まった資金はアルバム制作費(制作人件費、レコーディング費用、ミックス費用、CD制作費、ジャケットデザイン費等々)とクラウドファンディング費用に充てられる。またストレッチ・ゴールとして、目標金額の150パーセント以上に達した場合は新たなオリジナル・アルバムも制作し2026年中に発表するとのこと。
 
篠塚将行(Vo/Gt)のコメント全文は以下の通り

 
▼はじめに
 
こんばんわ、初めましての人は初めまして。
 
僕たちは2011年に結成、2013年にメジャーデビュー、2017年にレーベルを移籍し、2022年に独立、その後メンバーの体調不良の活動休止を経て、今年活動を再開した、"それでも世界が続くなら"というロックバンドです。
 
僕たちのバンドは、最初に悪く言えば結成時から有名/無名の価値観や売れる/売れないを度外視していると言われるマイノリティな活動と、多くの人に理解されることは難しいかもしれない楽曲を制作しながら、アンダーグラウンドなスタンスで活動してきたバンドだと思います。
振り返れば、幼少期のいじめで死ぬことも考えていた自分の人生と、自分に似た誰かの人生を、誰も僕の様な人間の歌を歌ってくれないのなら僕が音楽にしてしまおうと思った勘違いからこのバンドは始まり、メジャー/インディの時期や世間の流行りや状況に関わらず、エンターテイメントではなくドキュメンタリーな音楽を作り誰も知らない音で演奏するためだけに活動をしてきたように思います。
 
こんなバンドにも関わらず、このバンドの音楽を見つけてくれたあなたや、聴いてくれた方々のお陰で、15周年を迎え、今もなんとか活動を継続することができています。
この場を借りて感謝を伝えさせてください。本当にありがとう。
 
4年前、一度だけ最初で最後のつもりで行ったレーベル設立プロジェクトのコメントで、
「ずっと誰かに頼るのが下手なバンドだと思っていましたが、やっと力を貸してくれてって言ってくれましたね」というメッセージがあったことが、今も心に残っています。
 
その言葉を思い出しながら、今、恥を忍んで、
もう一度、あなたに力を借してほしいと言いにきました。
 
こんな未熟なバンドではありますが、お願いがあります。
 
それでも世界が続くならは、2026年、活動15周年の節目に、
メジャーインディの垣根と自分たちの力不足で、
ずっと諦めていた「2枚の再録ベストアルバム」を制作したいと思っています。
 
自分達だけでは叶えられなかったベストアルバムを作る為に、
そのベストアルバムを通して、
もう一度、それでも世界が続くならというバンドを再生させる為に、
あなたの力を貸してもらえないでしょうか。
 
少し長くなりますが、読んでもらえたら嬉しいです。

 
▼ベストアルバム制作を考えた2つの経緯
 
それでも世界が続くならがメジャーデビューした時、契約書には「10年間、楽曲の再録禁止」という条件がありました。
言葉を通して心を伝えること、自分が終わる前に言葉を残すことを重視していた僕は、再録などに興味はなく、気にもしていませんでした。
 
こんなバンドですが、徐々に活動していく上で、僕達の音楽を見つけてくれて、僕達の音楽と真剣に向き合ってくれて、愛してくれた人達がいました。
その度に、同じ歌詞でも歌詞の中に別の意味が増え、歌詞が重くなり、自分だけじゃなくファンの人やその人達の人生が浮かぶようになっていきました。
いつか、もしもあの契約書の「10年間再録禁止」が解けるまでバンドを続けることが出来たら、「重くなったこの曲達を再録したい」と思うようになっていきました。
 
最初のメジャーレーベルでリリースした3枚のアルバムの10年後は、2025年5月。
ちょうど結成15周年。
今は未熟だけど、もしも、2025年までバンドを続けられたら、残る曲だったら、その時は再録しよう、と心の隅で目標のひとつになっていました。
これが1つ目の経緯です。
 
※追記:これを書き終えた頃に、当時の事務所BAJやレーベルに再度契約書を確認してもらっていたお返事が来たのですが、再録禁止の契約は5年間だったようです。自分の勘違いで勝手に長く自分を縛っていたみたいです。

 
もう一つは、情けない話だと思いますが、僕達は音楽以外の部分になるバンドの運営があまり得意ではなく、少なくとも僕は今年活動を再開するまでバンドが苦しい状況だと気付くのが遅く、同時に、僕以外のメンバーは苦しい状況でも僕に言わないでバンドを守ってくれていたんだと思います。
今思えば当然なのですが、活動休止したバンドに収入はなく、無名なバンドの活動休止は立ち上げたレーベルの諸々の維持費だけで財政難に向かっていく状態だったんだと思います。
他にも、過去の自分たちの様に居場所がない他のアーティストを支援したいと思って始めたレーベルの活動の中で起こった問題などが追い討ちになり、
実際に、休止していたバンドを活動を再開し、レーベルの状況を確認すると、
今現在で、レーベルの費用はほとんど底を尽きている状態だと確認できました。
 
多くの人に協力してもらって立ち上げさせてもらったレーベルを追い込むなんて情けない、
10年前に目標にしていた15周年、2025年のベストアルバムなんて言っていられない、
活動を再開するなら、まずはバンドやレーベルを立て直さなくてはいけない。
体調不良で休みをとっているメンバーの分も、すぐにでもまずは動かないと、このまま終わっていくのは明白で、僕達は本当に続ける気があるなら、このまま休んでいるわけにいかないと、覚悟を決めて、バンドの活動を再開しました。
 
とはいえ活動を再開したらしたで、ライブ会場費用、サポートメンバーへのお礼、できる範囲でやれるように規模を縮小しながら活動を再開しましたが、関わってくれる方達などに迷惑をかけないように色々なことを考えると、
今はリリースは諦めて、まずはバイトをして、活動を再開したバンドのライブを行いながら「2人でバンドを立て直そう」と話しました。
 
大きく言えば、活動休止中の物価高、会場費の高騰、アンダーグラウンドで不人気ともいえるバンドの姿勢、自滅も含めて色々なことが重なり、
バイトをして赤字や実費で運営費を出しながら、サポートのメンバーに力を借りながら、ライブをするだけで精一杯の日々の中で、
いつしか「2025年に再録してベストアルバムを作る」という話はしなくなりました。
 
それでも、活動を再開したバンドに関わってくれる人達のこと、
立ち上げた小さなレーベルに所属してくれたアーティストの子達のこと、ファンのこと、
「その為に」なんていってしまったら「その人達のせい」にみたいに思えてしまう、
あくまで、自分達が、バンドと、レーベルと、こんなバンドを愛してくれた人たちの居場所を守りたいと思うなら、何かしなくちゃいけない。
 
たくさん考えたけど、僕達は、このベストアルバムのプロジェクトしか浮かびませんでした。
 
長くなってすいません。
2026年、それでも世界が続くならというこの無名でアンダーグラウンドなバンドは、
まさかの15周年を迎えます。
 
15年もあればいろいろなことがあったけど、そんな15周年という節目は置いておいて、
これが、いつか来る最後の時の始まりだとしても、
僕達が続けてきたこの未熟な音楽を残したくて、
君が見つけて聴いてくれた音楽を残せるように、
そしてもう一度、最後まで自分達の足で戦えるようになるために、
それでも世界が続くならという無名のバンドを再生させる為の最初の一歩になるように、
このプロジェクトを通して、僕達に再録ベストアルバムを作らせてほしいと思いました。
 
長くなりましたが、これが2つ目の経緯です。

 
▼どんなアルバムを作りたいのか
 
僕達が考えるベストアルバムのイメージは以下です。シンプルですが許してください。

 
・約30曲を収録した2つのベストアルバムの制作
 
ベストアルバム2枚のうち1枚は、この15年でファンだと言ってくれたかたやあなたとの出会いで歌詞の意味が重くなった楽曲や、僕達が全員いなくなった100年後も残したいと思う楽曲を選んだ自己中心的なベストアルバムを、
 
そして、もう1枚は、ファンの方々のリクエストを元に、楽曲との出会いなどのエピソードを募集して、その中から選んだ15曲程度の、対になるベストアルバムを制作したいと思っています。
 
例えるなら、同じライブハウスにいる僕と君の視点、例えるなら往路と復路のように、同じ道でありながら、意味の違うベストアルバムにしたいと考えています。
 
とはいえ2枚のアルバムに楽曲の被りがないようにはしたいと思っていますし、

あまり考えすぎると叶わなかった時に苦しくなりそうなのでイメージは持ちすぎないようにしていたので、あくまで叶うかどうかわからない本プロジェクトの現時点でのイメージだと思っていただければ嬉しいです。
 
原曲とあの頃の自分の心は殺さずに、今まで出会った人や聴いてくれた人の心の分で重くなった歌詞や心や自分達の進化や成長を音に残す為の全曲のリアレンジから、レコーディングまでの期間や曲数を考えると、
もしも、このベストアルバムのレコーディングが叶うのなら、2026年をまるまる使ってしまうような大規模なレコーディングになると思います。
 
また、自分達の楽曲だとしても、当時の事務所やレコード会社を通じて行っていたJASRACなどへの著作権楽曲の使用許諾申請や、再録する楽曲の数だけ使用料の支払いなどが必要なので、そういう事務作業も含めて、大規模なレコーディングになると思っています。

 
・状況が許すのなら、3枚目のオリジナルアルバム(合計40曲程度)
 
もしも状況が許すのなら、当時はオリジナルアルバムを同時に制作したいと思っていました。
当時の話ですが、ベストだけというのも自分では引っかかる部分があり、10年前からこの再録ベストアルバムは、同時に新しい曲をリリースして完成するものだと思っていました。
とはいえ、ストアルバム2枚と合わせると、事務作業も含めて約40曲という異例の大規模レコーディングになってしまうので、諦めていましたが、
本プロジェクトのmuevo井草代表から意見をもらい、ストレッチゴールとして設定させて頂くことになりました。
とはいえ、地獄のようなアルバムになるかもしれません。
それでも、このタイミングを逃すと、体力的にも、心理的にも、新作のアルバムを作れるタイミングはかなり遠くなってしまうことが想定できるので、
まずは目標にはせず、もし仮に、プロジェクトの想定を超えて、ストレッチゴールが達成した場合、新作アルバムも同時に作らせてもらえたらと思っています。

 
▼本クラウドファウンディングについて
 
僕は、クラウドファウンディングが苦手でした。
自分がしたいだけじゃないかという気持ちやお金を稼ぎたいだけじゃないかという罪悪感は、これを書いている今も変わらず持ったままです。
 
クラウドファウンディングは約4年前のレーベル設立の時から2度目の挑戦になります。
今度こそ最後のつもりです。未熟な自分達のせいでもある話なのに、君や誰かに頼るのはこれで最後にしたいし、しなきゃいけないと思っています。
あの時と同じ気持ちのままの僕なので、コピペじゃないのにあの時と同じことを書いている気がします。許してください。
 
僕は、このバンドを始めたことを、延長戦だと、ボーナスステージのようなものだと思っています。
 
幼少期のいじめで死のうと思ったこと、死んでしまったファンの子達や友人のこと、好きだった人の病気を治せなかったこと、自分達が正しいと言いたい為に誰かを傷つけることを平気な人達がいたこと、歌っても歌っても救えなかった人達のこと、無力な僕のこと、それでも歌っていいよと言ってくれたメンバーのこと、僕の歌を見つけてくれたあなたのこと、誰も聞いてくれなかった僕の言葉を真剣に聴いてくれたあなたのこと。
 
ボーナスステージは、長くは続かないものです。
僕は結局、あなたにもらってばかりでした。
 
最近歌詞が書けなくなってきています。
誰かを傷つけないように、見つけてくれた君を傷つけないように、そんなことを考えていたら言葉が出なくなりました。
誰も傷つけない言葉なんてなくて、誰も傷つけない人なんていなくて、
誰も傷つけない方法は発信をしないこと、歌わないことなのかもしれません。
 
だからこそ思います、終活とまで言わないけど、僕の音楽は、遠くない未来に終わってしまうだろうと思っています。
音楽は衣食住ではありません、音楽は、というか僕の音楽は無意味なのかもしれません。
 
それでも、もう最後なのかもしれないと頭に浮かぶ時、
僕は、あなたの心に突き刺してみたいと思う言葉があります。
最後になるなら最後に歌いたい歌が、演奏したいライブがあります。
 
長くなってごめん。
要は、このプロジェクトは、死にかけたバンドが死なないように願うだけの足掻きです。
 
それでも世界が続くならというバンドがなくたって、この世界は続いていくことを僕は知っています。
だから、もしもこのプロジェクトが失敗した時は、この話はスッパリ諦めます。
 
でも、もし叶うのなら、ベストをリリースするだけでは終わらせません。
あなたが支えて作らせてくれた、このベストアルバムを背負って、
もう一度、この音楽を、レーベルを、この状況を、
それでも世界が続くならというバンドを再生してみせます。
 
預かったお金は、無駄にはしません。したくありません。
かっこよくなんて終わらせません。
精一杯、最後まで、この小さなバンドが立てなくなるくらい無様に壊れるその瞬間までやってみます。
 
今僕は、いじめで死のうと思ったあの日の先にいます。
無様に足掻いた先に、その時にかける曲があると、僕は思いたい。
 
意味も理由ももうどうでもいいんです、
僕やあなたが、今日まで生きていたから鳴った、ただそれだけの音楽を、
もう一度、僕達に作らせてください。
 
情けないお願いでごめん。嫌な思いさせてしまったらごめん。
 
このバンドの再起のために、
どうか、あなたの力を貸してください。よろしくお願いします。

 
それでも世界が続くなら/篠塚将行

 

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