Japanese
Halo at 四畳半
Skream! マガジン 2019年09月号掲載
2019.07.19 @Zepp DiverCity(TOKYO)
Writer 秦 理絵
会場に足を踏み入れると、ミラーボールが美しい光を放ち、まるで宇宙空間のような幻想的な景色が広がっていた。Halo at 四畳半のバンド名にある"Halo"とは、宇宙を取り囲む球状の領域のこと。彼らの楽曲には、箒星やステラ(惑星)、スプートニクなど、宇宙にまつわる言葉も多い。そんなハロ(Halo at 四畳半)が、バンド史上最大規模の会場となるZepp DiverCity(TOKYO)のワンマン・ライヴで"宇宙"を入り口にしたことは、インディーズ時代から、表現したい世界観に強くこだわり続けてきた彼ららしいやり方だった。ミニ・アルバム『from NOVEL LAND』のリリースを記念した、一夜限りのワンマン・ライヴ"NOVEL LAND LANDING"だ。
ステージで光が激しく明滅するなか、『from NOVEL LAND』でも1曲目に収録されている「スイング・バイ」からライヴは幕を開けた。エネルギッシュなパワーに満ちた片山 僚のドラム、どんなときもお客さんの反応を受け止めながら躍動する白井將人のベース、ハロの多彩な楽曲に色をつける齋木孝平のギター。その真ん中で渡井翔汰(Vo/Gt)の力強いメロディがまっすぐに聴き手の胸へと飛び込んでいく。"Zepp、会いたかったよ!"。渡井の言葉に満員のフロアは大きな歓声で応えた。一瞬の輝きに命を燃やす「ステラ・ノヴァ」から、上昇気流に乗るように駆け抜けた「飛行船」と繰り出すと、渡井は"NOVEL LANDを巡る冒険は始まったばかり。歩いてゆくのもいいけど、飛行船で飛んでいこうぜ!"と言葉を添えた。まるで物語を紡ぐようにハロのライヴは進んでゆく。
最初のMCでは、"目の前に夢みたいな景色が広がってます。この力を音楽に変えて、お返ししたいと思っています"と意気込みを伝えた渡井。夕暮れから夜、そして朝へと様々な想いを呑み込む時間帯を、「夕映えの丘で」と「朝を迎えに」という2曲のストーリーで表現する流れは、ハロの真骨頂だった。メンバーが目を合わせながら刻んだ8分の6拍子の大きなリズムで会場を揺らすと、"朝を受け取り 夜の元へ"というフレーズでは、"Zepp DiverCityの元へ"と歌詞を変えて喝采を呼んだ。続く「スケイプ・ゴート」では、音源にはないスリリングなセッションから、齋木のライトハンド・ギターが炸裂するイントロへ。パッケージされた音源から溢れ出る衝動が全開放されるのがハロのライヴの醍醐味だ。この場所まで決して飛び級することなく、一段一段ライヴのキャパを広げ、お客さんとの信頼関係を築き上げてきたハロのライヴ・バンドとしての熱量や気迫は、生のライヴでしか伝わらない。
序盤からのアグレッシヴな勢いを穏やかに変えたのは、ミドル・テンポ「綻びの果て」だった。悲しみの今日を独白する切ないメロディが心のひだをなぞる。ブルーの照明がステージを包み込んだバラード曲「水槽」は、心の軋みを代弁するような齋木の轟音ギターの中で、渡井があらん限りに感情をぶつけて絶唱。続けて、美しい打ち込みとバンド・サウンドが融合した、ハロの新機軸となる「リビングデッド・スイマー」、ウォーウォーというシンガロングを巻き込みながら歌い上げた、壮大なバラード「アルストロメリア」へ。それら中盤の楽曲たちは、生きることは決して悲しみと切り離すことができないという、Halo at 四畳半の根源的なテーマが色濃く滲む楽曲であり、夢を叶え、時に夢を諦めながらも、命が燃え尽きる瞬間まで生きようというメッセージが込められていた。
今回は新たな挑戦を詰め込んだ『from NOVEL LAND』の楽曲を軸に、スクリーン映像も多用したバンドの新境地を見せるライヴ。ということで、中盤のMCでは"みんなの新境地のコーナー"と題して、メンバー全員でトークを展開する。白井はトレードマークであるアシメントリーの髪を編み込んできたと言うと、片山は健康のために筋トレを始めたこと、齋木もダイエットで64kgから56kgに減量したことを明かして、お客さんを驚かせた。最後に渡井の番になり、"わかる人いる?"と問い掛けると、お客さんの中から"ギター!"と指摘する声が飛ぶ。ほとんど見た目が変わらないモデル・チェンジに気づいてもらえたことに、"よく見てくれてるねぇ!"と渡井は嬉しそうに声を弾ませていた。
"時間"をテーマにした「怪獣とまぼろしの国」では、秒針が刻む一秒一秒を感じられる秀逸なアレンジでフロアを揺らすと、「リバース・デイ」、「箒星について」を皮切りに、いよいよライヴはクライマックスへ向かう。4人の個性が激しくぶつかり合い、加速するバンド・サウンドの中で、渡井は"Halo at 四畳半というバンドの真髄をここに置いて帰る!"と絶叫。とりわけ鮮烈だったのは「悲しみもいつかは」だった。今伝えたいことのために一語一句妥協せずに紡いた言葉とサビの爆発力。まさにハロの真髄が詰まった楽曲の最後に、渡井が"あなたの心の奥にある悲しみという感情が、いつかあなたを救いますように"と願うように言うと、その想いを確かに受け取っていると主張するように、フロアからは無数の拳が上がった。ラスト1曲。渡井はこの場所に辿り着くまでの時間を振り返った。高校時代にバンドを組んだときのこと、音楽と自分を切り離せなくなったこと、メジャー・デビューのときに感じた喜びと怖さ。それらを熱く丁寧に伝えたあと、"俺らの音楽はいつでもあんたらの味方だ!"と力強く叫んで、ラスト・ソング「シャロン」へ繋ぐ。インディーズ時代からハロが大切に歌い続けてきた楽曲を、新境地をテーマにしたライヴの最後に残し、バンドの過去と今をしっかりと地続きにする心意気がどこまでもハロらしかった。
アンコールでは全員がライヴTシャツに着替えて登場すると、片山が叩く電子ドラムのリズムが新鮮な印象を与えた光のナンバー「メイライト」を披露。この日一番のシンガロングを巻き起こした「モールス」では、"もっと!"とフロアを容赦なく煽り、会場に信じられないような一体感を作り上げた。その絶景を見て、渡井は"どんな困難もフルスロットルの全身全霊で打ち砕いていくからよろしく!"と決意を叫び、白井はステージに倒れ込むほどの熱演を見せて、ライヴは終演。嘘偽りのない心からの音楽を、"あなた"に届けることに情熱を注ぎ続けるHalo at 四畳半は、紛うことなき愛すべきロック・バンドだ。
[Setlist]
1. スイング・バイ
2. ステラ・ノヴァ
3. 飛行船
4. 天文薄明の街へ
5. 夕映えの丘で
6. 朝を迎えに
7. スケイプ・ゴート
8. 春が終わる前に
9. 綻びの果て
10. 水槽
11. リビングデッド・スイマー
12. アルストロメリア
13. 怪獣とまぼろしの国
14. リバース・デイ
15. 箒星について
16. スプートニク
17. 悲しみもいつかは
18. シャロン
En1. メイライト
En2. モールス
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