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LIVE REPORT

Japanese

Halo at 四畳半

Skream! マガジン 2019年03月号掲載

Halo at 四畳半

Official Site

2019.02.09 @マイナビBLITZ赤坂

Reported by 秦 理絵

喜び、怒り、悲しみ――本来、捉えどころのないはずだった感情は名前を付けてしまうことで簡単にカテゴライズされる。でも、その奥にはもっと複雑な何かが広がってるんじゃないか。カテゴライズされる感情を超えよう、というような渡井翔汰(Vo/Gt)の朗読からライヴは始まった。昨年10月に初のフル・アルバム『swanflight』でメジャー・デビューを果たしたHalo at 四畳半がマイナビBLITZ赤坂で迎えた全国ツアー[Halo at 四畳半 ワンマンツアー 2018-2019 "悲しみの朝の愛し方"]のファイナル公演だ。千葉県佐倉市で結成されたハロ(Halo at 四畳半)は、インディーズ時代から"悲しみとはなんなのか?"、"生きるとはどういうことなのか?"を音楽で問い続けてきたバンドである。この日はメジャー進出したハロがバンド史上最大キャパの会場に立ち、自身のテーマと改めて向き合うライヴだった。悲しみの向こうに何があるのか。その物語は「ヒーロー」から始まった。

スクリーンに次々に映し出される名前に合わせてメンバーがステージに現れると、満員のフロアからは大きな歓声が湧き上がった。アルバム『swanflight』の収録曲の中でも、とりわけ開放的で力強いメッセージを放つ「ヒーロー」が、高らかにライヴのオープニングを告げる。"やろうぜ、赤坂!"。渡井の熱を帯びた叫び声が会場の熱狂に拍車を掛けながら、次の曲「ステラ・ノヴァ」へ。圧倒的な存在感を放つ渡井のヴォーカルを中心に、そのメロディを齋木孝平の手数の多いギターが華やかに彩り、裸足のベーシスト、白井將人は奔放なフレーズでボトムを支える。片山 僚のドラムも表情豊かだ。それぞれの楽器隊がきっちりと自分を主張し合いながらしっかりとヴォーカルに寄り添う。それがHalo at 四畳半だ。"今日はいろいろな時期のHalo at 四畳半をお見せできればと思います"という渡井の言葉のとおり、この日のライヴはインディーズから現在までの楽曲を散りばめて進んでいった。

渡井の"ギター!"という声を合図に、齋木がモニターに足を置いて鮮やかなギター・ソロを見せた「アメイジア」、激しく明滅する照明を浴びて白井のスラップ・ベースが炸裂した「擬態」から、片山のドラムが次々と拍子を変える「アンドロイドと青い星の街」へ。小さなライヴハウスから一歩ずつキャパを広げ、結成から10年かけて鍛え上げてきたタフなバンドのアンサンブルは、マイナビBLITZ赤坂にもよく似合っていた。MCでは昨年12月から始まったツアーを振り返って、渡井と片山が熱を出して開催が危ぶまれた公演があったことを明かす場面も。"命からがら終わったよね(笑)"(片山)、"命を燃やすとはこのことかと思った"(渡井)と笑いながら話すメンバーの姿に会場は温かい空気で包まれた。

軽快なスネアのリズムがファンタジックな物語の世界へと誘った「王様と兵士」は、ハロにしか表現できない真骨頂の楽曲だった。続けて"僕らは生まれてやがて死ぬけれど、天国という場所が幸せな場所だったらいいなと思って書きました"と紹介したのは「マグとメル」。この曲だけでなく、今回のツアーの軸となる『swanflight』というアルバムには"永遠には続かない命"を思わせる楽曲が多い。その理由はアルバム制作中に渡井の祖母が亡くなったことが影響しているが、その色合いが強くなるのが後半の楽曲たちだった。心電計が刻む冷淡なリズムの中で"私"と"あなた"の物語が紡いた「ヒューズ」から、壮大なバンド・サウンドに乗せて何度でも取り戻す希望を歌った「リバース・デイ」、そして、"俺はこの瞬間を生きる人間が美しいと思う"と伝えた「アルストロメリア」への流れは本当に素晴らしかった。"悲しみとはなんなのか?"、"生きるとはどういうことなのか?"。その問いに対するハロなりの答えがそこにある。「アルストロメリア」の花言葉は、"未来への憧れ"。生きることは悲しみであり、悲しみは未来の希望のためにあるのだ。

"千葉県佐倉市のバンドが、東京に「帰ってきた」って言えることが嬉しい"と渡井が決して当たり前ではないお客さんとの出会いに感謝を伝えると、ライヴはクライマックスに向けて熱量を上げていく。「フェロウ」で白井と渡井が向かい合って楽しそうに演奏すると、ミラーボールの美しい光の中で届けた「モールス」では、曲の途中で渡井が"あなたの心の奥の奥に絶対に届ける!"、さらに"あなたの声を頼りにBLITZ(マイナビBLITZ赤坂)まで辿り着きました!"と絶叫した。そしてラスト1曲。改めて"悲しみの朝の愛し方"という言葉をツアー・タイトルに掲げた意味に触れると、"今幸せでいてくれたらいいんだけど、死ぬまでその幸せは続かないと思う。そんなときに俺は隣にいれるバンドでありたいと思っています。あなたが傷ついたときにこの音楽があなたの耳元で鳴りますように"と願いを込めて本編の締めくくりに「悲しみもいつかは」を届けた。バンドが一丸となって想いを爆発させた渾身の演奏。そのラストのサビで"あー!"と言葉にならない声で叫んだ渡井は、最後に"どんな暗闇だろうとも、この音楽が救ってやる!"と叫んでライヴを締めくくった。

アンコールでは、"笑ってよ"と優しく語り掛ける陽だまりのようなミドル・テンポの「魔法にかけられて」で物語の終わりを告げると、渡井が"終わりたくないから、もう1曲やっていいかな?"と言って、本当のラスト・ソングとして「シャロン」を披露。ここまでハロと共に長い時間を歩んできたこの曲がなければやはりライヴは終われない。"もっともっとでけぇ夢を見ようぜ!"。最後に渡井が叫んだ言葉のとおり、Halo at 四畳半は7月19日にバンド史上最大キャパとなるZepp DiverCity(TOKYO)でワンマン・ライヴを行う。この日のライヴを観て思ったのは、この先どんな場所であろうとも、彼らは彼らのまま頑固に自分たちを貫いて歌い続けるだろうということだ。この世に悲しみが尽きない限り。

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