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INTERVIEW

Japanese

インナージャーニー

2023年07月号掲載

インナージャーニー

Member:カモシタサラ(Vo/Gt) 本多 秀(Gt) とものしん(Ba) Kaito(Dr)

Interviewer:石角 友香

映画"雑魚どもよ、大志を抱け!"への書き下ろし楽曲「少年」(2023年3月リリース)で新たなリスナーの心も掴んだインナージャーニーが3rd EP『いい気分さ』をリリースする。日常の中に現れる偽りのない気持ちを、素直な言葉で羽ばたかせるカモシタサラのソングライティングはますます冴え、サウンドやジャンル感も拡張傾向にある今をヴィヴィッドに定着させた本作。ライヴですでに人気曲である「手の鳴る方へ」や、先行配信曲「ラストソング」、ギター 本多 秀の初作曲楽曲「ステップ」も収録するなど、バンドの今とこれからが凝縮されている。全曲異なるタイプの本作について、メンバー全員にインタビューを実施した。

-今回のEPは新章に突入した感じがしました。全部新曲ですか?

とものしん:3曲目の「手の鳴る方へ」は結構前からあった曲ではあったんですけど、結局アレンジをちょっと変えたので、ほぼ全曲新曲の感覚です。

Kaito:今回メンバーが集まれる時間も限られていたので、結構夜中1時ぐらいにみんなでプリプロを始めたりもして(笑)。リズム隊に関しては僕のうちに宅録用の機材があるので、とものしんに家に来てもらってふたりでベース&ドラムだけちょっと録って、本多君に送って上モノ乗っけてもらうみたいな。そういうのも初めてやって、意外にいろんなやり方を試行錯誤しながらできたのかなっていう感じはありますね。

カモシタ:限られた時間で集中してやる感じだったんですけど、逆にそれで良くなったっていうか、変に練りすぎなくて良かった感じもあるし、今までだとライヴでやりながらどんどん変えていったりとか、そういう作り方が多かった気がするんですけど、今回のEPはテストの前に山掛けて(笑)――とはちょっと違うけど、"行けるぞ!"みたいな感じでやったので、バンドの熱量はガッと入った気はしてますね。

-大もとはカモシタさんの弾き語りなんですか?

カモシタ:打ち込みもあるし、いろいろですね。

とものしん:それこそ「少年」の頃ぐらいからですかね。結成した頃は基本弾き語りベースで作ってるものが多かったので。今回は打ち込みで雰囲気だけ最低でもわかるような状態だったので、結構すんなり作れた記憶はあります。あとはギターが曲を作り出したとかもあるし。

-本多さんはこのEPのターンから作り始めたんですか?

本多:遊びでコツコツやってたんですけど、使えそうだなっていうファイルがあったんで歌詞を書いてもらって、そのあといろいろアレンジ変えたりして。

-「ステップ」の最初はどんな曲想だったんですか?

本多:今のアレンジとあんま変わってなくて。作ってるときは、インナージャーニーっぽいけどサラがあんまり作らなさそうな曲っていうのを目指してて。爽やかな感じとちょっとロックっぽいサウンドがいい感じに混ざった曲ができたのかなと思います。それは今までのインナージャーニーになかった側面だから、結果良かったのかなという感じです(笑)。

-本多さんはギタリストとしては、歌メロの裏を行くオブリが印象的で特徴的なギターを弾くじゃないですか。でも作曲するとなると意外とオーセンティックなポップ・ロックを作るんだなと思いました。

本多:たしかに。やっぱサラが作る曲は、僕は思いつかないじゃないですか。でも逆に自分の曲だとこのコードああしたらいいな、こういうコード当てたらいいな、みたいなのをベーシックのコードを作る段階で決めれちゃうから、逆にギターとしては自分がやることがなくなってくるっていう。そういうふうになっちゃいましたねって感じですね(笑)。

-あぁ逆にね。ギター・ソロはブリティッシュ・ロックのニュアンスだなと。

本多:でもブリティッシュ・ロック全然通ってないんですよ(笑)。

-カモシタさんは本多さんの曲で歌詞を書くのはどうでしたか?

カモシタ:それがすごい苦労して。苦労してというか、最初その曲を進めるにあたって、とりあえずの歌詞は入れとこうと思ったんです。でもどういう気持ちでどういうことを書けばいいのかすごい悩んじゃって。"ステップ"の前の仮タイトルが"いい気分さ"だったんですよ(笑)。このEPの名前がそれなんですけど、"いい気分さ"かぁと思って(笑)。

とものしん:本多が付けたの? 知らんかった(笑)。

カモシタ:それで何を書けばいいかわかんないから、とりあえず本多君のイメージをちょっとぶつけようみたいな感じで(笑)。いい意味で何が起こるかわからない性格をしてるっていうか(笑)、予測不能な部分がすごいあると思うんですよ。でも誰にもわからないような、誰もできないようなフレーズを弾くのは秀だし、ちょいちょい本多 秀を歌ったりしてたんですけど。

-"転がる石もかなわない"というフレーズは本多さんなのかなと思いました。

カモシタ:あ、そうですね。そこは一番最初に考えた部分ではあって。

-書いていくうちに必ずしも本多さんだけではなくなくなってきて?

カモシタ:なくなってきて、結果ごちゃごちゃになってしまった感はあるんですけど(笑)、とりとめのない台風みたいな。曲もアレンジで結構緩急がついたことによって、本当に台風みたいな曲になったと思うんで、簡単にハッピーエンドでは終わらないぞという、ハチャメチャ感がこの曲にはあっていいんじゃないかなって、そういうイメージもありながら作りましたね。