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INTERVIEW

Japanese

コレサワ

2020年01月号掲載

コレサワ

Interviewer:稲垣 遥

コレサワ1年4ヶ月ぶりのフィジカル作品は、全曲"失恋ソング"のコンセプト・ミニ・アルバム。とはいえ代表曲「たばこ」に準ずるような、アコースティック・ギターをメインに据え、切ない想いをありありと歌うバラードだけにはとどまらない。数々の活動からインスピレーションを受けながら、またHelsinki Lambda Clubや渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)らのアレンジャーを迎え、これまでの彼女のポップ・ソングとはひと味違ったサウンドにも挑戦した1作となった。そんな作品が誕生した背景となる2019年の意欲的な活動を振り返りつつ、彼女自身の"失恋"に対する想い、2020年の目標までたっぷり語ってもらった。

-Skream!としては2018年9月の2ndアルバム『コレでしょ』のタイミング以来約1年4ヶ月ぶりの取材となりますので、その間のコレサワさんの活動を振り返らせていただこうかと思いまして。この間コレサワさんは、"sagami original"シリーズ20周年プロジェクト・ソング「あっちゅーまやねん、人生。」にヴォーカルとして参加、シンガーのhalcaさんに楽曲提供、"ガスト"とのコラボレーション、ドラマ主題歌、CMソングなど、タイアップや楽曲提供などをたくさんされていますが、印象に残っているものはありますか?

たしかに! いろいろな初めてのことをたくさんやらせてもらいましたね~......今こうやって聞くと、過去のことを思い出すタイミングってなかなかないので、しみじみします。書き下ろしとかは結構好きなんですよ。テーマを貰って、縛りというか、ちょっとしたルールというか、お願いしてくれた人たちの希望があって作っていくのが好きなので、楽しくお仕事できました。"ガスト"は日本全国のどこでも流れてるので、友達とか家族とか親戚とかが連絡くれたりもしてすごく嬉しかったなぁって思いますね。今(※取材は2019年12月初旬)もドラマ(テレビ東京 木ドラ25"新米姉妹のふたりごはん"主題歌「いただきます」)をやらせてもらってるのもありがたいです。

-やっぱりそういうタイアップの書き下ろしとか、他のアーティストさんへの提供曲を作るというのは、普段とは全然違う感覚なんですか?

自分の曲よりプレッシャーがかかるというか。自分の曲だと作った瞬間から"これは好き"、"これは嫌い"って自分の中で判断できるけど、提供する曲って自分がいいと思ってても、相手側が満足してなかったら意味がないじゃないですか。ちゃんと向こうの好きなものを作ってあげたいというのがあるので、できたデモを送る瞬間とか、向こうから返事が来る瞬間とか、ハラハラドキドキですね(笑)。

-自分が求められているものをより意識するというか。

そうですね。ちゃんと向こうが気に入ってくれるものを作りたいというのがあるので、やっぱりそこは自分の曲より責任を持ってやらなきゃなぁって思ってます。

-個人的には特に"sagami original"プロジェクト参加はかなりインパクトがありました。一緒にバンド演奏するメンバーがウエノコウジさん、ROLLYさん、加藤 茶さんで、川谷絵音さん作詞作曲の楽曲を歌うという。

ね~! レジェンドたちに囲まれて歌唱だけで参加させてもらったんですけど、絵音さんの作る楽曲を歌う新鮮さも楽しくて。MV撮影も普段あんなにカメラに撮られることがないので、緊張はしたんですけど、すごく楽しかったです。

-MVもコレサワさんの顔がいろんな方の顔になっていくという面白いものでしたね。

そうなんですよね。あの編集をする前は自分の顔がカメラにバーンと映ってるので、その状態を見たときには、"はぁ~......この角度はいいけど、この角度はブスだな"とか自分の顔の角度を見ちゃって。顔を出してやっていってる人はすごいなと思いました。で、改めて自分は絶対そうなりたくないって、映像で顔ぼーんって映るのは耐えられないなって(笑)......恥ずかしかったです。

-また、ツアーも何本か行われていて、今年春にはヴァイオリンや弦カルテット、ピアノとコラボレートした、"コレサワ ワンマンツアー 2019 おめかしツアー vol.1"を開催しましたね。

そっか、あれ今年か! もっと昔のことだと思ってました。

-ヴァイオリンなどが編成に入ったツアーも、全席指定の公演も初めてで。

ホールでやったことがなかったのと、ヴァイオリンと回りたいってずっと思っていたのを叶えてもらったツアーだったんです。歌詞についてはいつもこだわって書いているので、それをちゃんと聴いてもらえる、でも、サウンドが弾き語りとは違うっていうシチュエーションをファンのみなさんと共有できた、すっごくいいツアーだったなって思ってます。第2弾もやりたいですね。

-"vol.1"って題されていましたもんね。

そうですね。続ける気満々で"1"って付けたんですけど、"2"もね、いつかやりたいなと思います。

-今回を踏まえて、次はこんなふうにしたいというのはありますか?

今回は大阪と東京しかクインテットで回れなかったんですよ。なので、本当は全箇所カルテットとピアノと私っていう編成で回れるぐらい、大きいところでできたらいいなって。最後はオーケストラっていう目標があるので、それに向かって頑張りたいなと思います。

-わぁ、すごく聴いてみたいです。

ね! 私も聴いてみたいんで、それを楽しみにして頑張ります!

-そして、そういった活動を経て今回ミニ・アルバム『失恋スクラップ』がリリースになります。今回全曲"失恋ソング"というコンセプトを掲げていますが、どうして今こういう作品を作ろうと思われたんですか?

そうですね......そういう私だったっていう。失恋、しちゃったのかな。失恋について考える時間がたくさんあって。普段思ったことを歌うことが多いので、自然とそうなったことを聴いて察してほしいなって感じの7曲ですね。

-個人的には、先ほどのいろんな活動を経て、どんどん活動範囲が大きくなってきているなかで、改めてファン層の特に多くを占める同世代、または、より若い女子たちに向けて"女子の味方"としてアピールしていきたい意識が、コレサワさんの中で大きくなってきたのかなと思ったんですけど。

あぁ~! それはずっとあります。女の子の味方で、女の子としての歌をずっと歌っていきたいっていうのはあったんですけど、失恋の曲が数曲できたときに"今、全部失恋で書けるわ"っていうモードだったし、どうしても自分の中で生まれた気持ちを曲にして記憶しておきたかったというか。今回"スクラップ"ってタイトルに付けてるんですけど、そうやって自分のノートに採り溜めて、保存したかったっていう気持ちが7曲入っているので、すごく好きなミニ・アルバムになりました。

-その"失恋スクラップ"というタイトルは、失恋ってつらいことだけど、それすらも忘れちゃうかもしれないから、整理して、大切な思い出はスクラップ=切り抜いて、忘れないように心に残しておこうっていうことかなって私も聴いて感じました。

そうですね。たしかにやっぱり、そこからまた好きな人ができたら、つらかったことも忘れちゃいますもんね(笑)。それが女の子のいいところですし。でも、ずっと引きずってる女の子もいるだろうから、失恋したことがある人にもない人にも、じんわりしたものが伝わるミニ・アルバムになったんじゃないかなって思ってるんですけど。みんなまだ聴いてないから、反応が楽しみです。

-でも、次回作が失恋をテーマにしたものになるっていうのは伝わってるんですよね。

はい。みんなどんな感じだろうって楽しみにしてるとは思うんですけど、明るい曲もあるし、しんみりしたのもあるし、結構バラエティには富んでると思います。