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INTERVIEW

Japanese

SPARK!!SOUND!!SHOW!!×My Hair is Bad

2018年06月号掲載

SPARK!!SOUND!!SHOW!!×My Hair is Bad

SPARK!!SOUND!!SHOW!!:タナカユーキ(Vo/Gt) チヨ(Ba/Cho)
My Hair is Bad:椎木 知仁(Gt/Vo)
インタビュアー:秦 理絵 Photo by fukumaru

-椎木さんは、スサシのどんなところに魅力を感じますか?

椎木:言葉にしたら簡単に言えちゃうようで、実は難しいことを結構やるんですよね。全箇所サビぐらいのインパクトがあるだとか、サビより強いAメロがあるとか、メロのないところに印象に残る間奏があるとか。ちゃんと耳の中でやってくれるバンドなんですよね。

-うん、すごく言い得てると思います。さらに加えるなら、スサシって、サウンド的には複雑なんだけど、聴き心地はキャッチーなこともやってるわけで。

チヨ:あぁ、嬉しいですね。あんまりそんなこと言われないから。

タナカ:いつも斜に構えて"どうせ、わかりづらいですよ"みたいな感じでやってるので。そう聴こえてるなら、"マジっすか"みたいな感じですね。

-スサシのギミックを盛り込んだ複雑なサウンドって、マイヘアと比べたら、対照的な位置ではありますよね。

椎木:僕らの方はすごくシンプルに聴こえますよね。でも、たぶん(スサシは)複雑にやろうとしても、キャッチーになっちゃう人なんじゃないですかね。昔の曲は英語だったから、何を言ってるかわからないんですけど、全部キャッチーだったんですよ。それがわかりにくくて重たい音楽をやってたら、僕はまったく理解できなかったと思うんです。

タナカ:そういえば昔の打ち上げで椎木が、"俺のメロディがいい"って言ってくれことがあるんですよ。そのときは、まだ流通もしてない2ndデモ(2013年リリースの『WHO KILLED GUITARIST !?』)とかを出した時期で、何を言ってるかわからないぐらいワーワー言ってたから、そんなところを聴いてくれてるんやって思って。

椎木:僕にはキャッチーに感じたんです。

タナカ:そう言われてから、俺、メロディのウェイトとかを意識するようになったんですよ。それがなかったら、もっと今もワーワー言ってる感じだったと思いますね。

-今回、椎木さんにも新しいアルバム『火花音楽匯演』を聴いてきてもらったということで。率直に感想を聞かせてもらえますか?

椎木:今回も想像を超えていってくれましたね。バンドのやりたいことをちゃんとやれた作品だと思うし、完成度もすごく上がってるし。今回のアルバムが売れないと、向こう5年は売れないんじゃないかなって思うぐらいの作品ですね(笑)。

タナカ:あははは! それ社長にも言われたわ。売れんかったら、ヤバいなぁ。

チヨ:そうだね(笑)。

タナカ:今までもミニ・アルバムを出しまくってきたけど、それが全方位すぎて飽和してたから、今回はちょっとまとめたんですよ。アルバムは赤黒っぽい色のイメージだから、そのカラーとしてそぐわないものを結構削ったんです。

椎木:え、これでまとめたんですか? 俺らがいくらやってもできなそうな曲ばっかりなのに......。"これしか入れてない"って感覚なんですか?

チヨ:もっとクラブっぽい感じの、いい曲もあったよね。

タナカ:m-floみたいな曲がね。

-要するに、今回はライヴ映えするような曲を凝縮したっていうことですよね。

タナカ:基本アッパーな曲でまとめましたね。カラーをひとつに寄せた方が、お客さんもわかりやすいんじゃないかなと思ったんですよね。俺らって、誰とライヴをやっても、どこにも属せないアウェイな感覚があるので。

椎木:このアルバムを出すと、スサシはどこに属すんですか?

タナカ:盛り上がれ! みたいなラウドっぽい人のところに属せるのかな。

椎木:なるほど(笑)。

-たしかにラウドロックが軸だけど、スサシの曲って、いろいろなジャンルが混然一体になって、複雑に展開するじゃないですか。新しい感覚のミクスチャー・ロックというか。

チヨ:自分たちでは、ミクスチャーって言われると、ん? ってなるんですよね。

タナカ:時代のなかでミクスチャーの価値観ってあるからね。

-あぁ、Dragon AshとかRIZEが作ってきた時代の音楽こそミクスチャーなわけだと?

タナカ:そう、それも好きなんですけど、俺らはそういう感じじゃないと思ってて。

チヨ:たぶん他にジャンルとしての言い方がないから、ミクスチャーって言われるんですよね。もっと"これが"っていう言い方があれば、いいんですけど。

タナカ:それ言ったら、マイヘアもミクスチャー化していってるよ。

椎木:ないない! 俺らはJ-ROCKでやらせてください(笑)。

チヨ:そういうジャンルじゃなくて、唯一無二感を出していきたいですよね。