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INTERVIEW

Japanese

SpecialThanks

2015年07月号掲載

SpecialThanks

Member:Misaki(Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-音楽に対してどんどん欲深くなってるんでしょうね。

そうなんですよ、めっちゃ欲深くなっちゃって。前までは音楽で稼いだお金を自分の物欲や食欲に使うのが嫌だったんです。メンテナンス代みたいに、バンドに還元して、自分自身の欲はそれ以外の仕事で稼いだお金で......って感じにしてたんですよね。でも最近それが変わってきて、今は自分の欲が"音楽で埋もれたい"と思うようになってきたところなんです。これからどうなるかとかはまだ全然考えてないんですけど、今までになかった気持ちが生まれてるのはたしかですね。

-では進化の真っ最中で。

いろんな気持ちが生まれてるから、バンドもプライベートも最近すごい悩んでるんです。この前占い行きました(笑)。

-ははははは(笑)。昔のMisakiさんなら占いに行くアクションを起こすこともなかったんじゃないかな。

初めて行きました。私のことを何も知らない状態の人に話を訊いてもらいたくて......そういう気持ちは前からあったんですけど、何か変わりたい気持ちがあって自分をそうさせたのかも。面白かったです。"もう答え決まってるでしょ!"って言われました(笑)。

-ふふふ。それも自分に可能性を感じているからかもしれませんね。"もっといけるんじゃないか"と自分に期待をしているというか。

今まで自分をセーブしていたところがあるので......もっと爆発したい(笑)! そういう気持ちはふつふつと芽生えてる気がする。

-そういう要素は、Misakiさんの弾き語りTrack.9「summer★surfer」や、クラップとアコースティック・ギターに、コーラスが気持ちいいTrack.13「心のWindow」など、表現が広がっているところにも出ていると思います。Track.11「RUN AWAY」みたいなアプローチも驚きましたし。

「RUN AWAY」も自分の中では早い段階からあって――自分のギターの素材とかなら、1stフル(『SEVEN LOVERS』2011年1月リリース)のときからあったかも。でも今回アルバムに入れたいなと思って、歌詞は最近書きました。ちょっと鬱憤晴らしみたいな......音楽は神聖なものだから"私は今すぐ逃げたい"なんてマイナスの感情は入れるべきじゃないと思っていたんですけど、そのときはこの歌詞しか出てこなかったんです。でも、曲に合ってるならいっか(笑)。そういう意味ではTrack.5「Please Please!!!!」も鬱憤系です。腹立ってました。

-ははは。制作者さんのそのときそのときが表れるものが、表現物だと思いますし、いいと思います。そして今作のトピックのひとつとして、Track.7にPERSONZのカバー曲「7COLORS」が収録されていることが挙げられますね。

好きなバンドのカバーは何回もしてるんですけど、基本的にスペサンの単独作品では他の人が作った曲は入れたくないという気持ちがあったんです。でもこの曲は幼稚園とか小さいころから歌い続けている曲で、スペサンの曲以上に自分に溶け込んじゃってるんです。アルバムを作るうえで何か面白いことをしたいなーと思ってて、他のバンドのアルバムにカバー曲が入ってると楽しかったりもしたので。"カバー曲は入れたくないけど、入れてもいいのかな? もし入れるならなんだろう?"と考えた結果、1stミニ(2008年8月リリース)のタイトルにもなっている「7COLORS」、これしかないなって。"これだったらやれる、やりたい"と思ってやってみたら相当お気に入りになりました(笑)。

-昔だったらやりたくないなと思っていたことも、今ならできると。メロディもMisakiさんにないもので、見え方が変わって面白いですね。

ね、そういう曲がアルバムの中に1曲入ってると楽しいですよね。

-SpecialThanksは『missa』で自分たちが大事にしていきたい音を掴んだような気がしましたが、いかがですか?

今もそうなんですけど、ずっと自分たちができることをやってきていて。だから何かを掴んだとか、そういうことはわからないんですけど、今やれることは全部詰め込めたなと思います。でもこのアルバムが完成したころからまた気持ちが変わってるんです。作ってるときには思ってなかったこととか――今を全部出せたから満足はしているんですけど、もっとやれることあったなとも思うし、もっとライヴをやりたいと思ったし。ということはこれから作る音楽はまた絶対違うんだろうなと自分でも思います。これからもわくわくしてます。

-そうですね、SpecialThanksにとって『missa』はずっと大事なアルバムになっていくんじゃないかなと思います。

......『missa』って言われるたびにドキッとします。私、友達から"ミサ"って呼ばれてるんですよ(笑)。

-あ、じゃあセルフ・タイトルの意味もあるんですね。

そう、教会のミサとかかってるんです。救いを求めているような人や、みんなが幸せになることを願ったりするような人ががミサに行ったりするのかな、と思うんですけど――スペサンにとってはライヴハウスがそういう場所なんです。だからこのタイトルにしました。

-そういうところにも人を巻き込んでいきたい、という気持ちが出ていると思います。

うん、全部繋がったかなって。自分の音楽への姿勢や思いも変わったきっかけになったので――今年25になるんですけど、最近ようやく同世代のバンドと一緒にライヴできることも増えてきて、そういう人たちから"スペサン聴いてました!"って言われることがあるんです。すごく嬉しくて、もっと頑張らなきゃ......と思ってすごく刺激を受けて"もっとやりたい!"という気持ちも増えたりして。レーベルも本気でやってくれているので、やっぱり私も応えたい。まだいろいろやりたいことは出てくるし、もっともっとやりたいなという気持ちがあります。いろんな選択をしていくのも、すごく楽しみ!