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INTERVIEW

Japanese

SCOOBIE DO

2014年09月号掲載

SCOOBIE DO

メンバー:コヤマ シュウ (Vo) マツキ タイジロウ (Gt)

インタビュアー:天野 史彬

-『GRAND-FROG SESSIONS』を作ることで、ご自分たちにとって50~60年代のソウルやリズム・アンド・ブルースはどんな存在だったか、再確認された部分もあるんじゃないですか?

マツキ:やっぱりソングライティングの面でね、『GRAND-FROG SESSIONS』を作る時に"よくできてるなぁ"って思ったんですよ。普通だったらギターをもう1本重ねたいとか、ホーンをもっと入れたいとか考えちゃうんだけど、そういうもの足りなさを感じさせない楽曲ばかりだなって。いわゆる60年代のソウル・クラシックスって、4人の4つの音だけで充分成立するような音作りが成されてるんだなっていうことを改めて思って。楽曲自体がいいから、それだけで成立してるんですよね。自分たちの音楽にもそういう部分は反映させたいなって思いましたね。シンプルだけど奥が深いっていうのは、今回のアルバムを作る上でも考えてたことではありますね。

-前々作『MIRACLES』が端正に作られたポップス路線、前作『かんぺきな未完成品』が初期衝動性の強いロック路線と、ここ直近の2作品は音楽的なコンセプトが明確だったと思うんですね。その流れでいくと、『GRAND-FROG SESSIONS』を経た上で、今回の『結晶』にはどういった音楽的コンセプトがあったんでしょうか?

マツキ:今回は、『MIRACLES』と『かんぺきな未完成品』をいい塩梅で足して割ったような作品かなって自分では思ってるんですよね。荒々しい、ロックンロールの持ってるエネルギッシュな部分もSCOOBIEの魅力だし、『MIRACLES』でやったような、いわゆるポップス然とした、美しいメロディ・ラインのメロウな楽曲もSCOOBIEのもうひとつの柱としてあるんですけど、その両方がとってもいいバランスで入ったアルバムだなって思ってて。SCOOBIEのいい部分を蒸留して、蒸留された部分だけを形にしたというか。そういう意味での"結晶"というかね。

-では、何か明確な音楽的コンセプトを持っていたというよりは、"SCOOBIE DOらしさ"、あるいは"SCOOBIE DOであること"っていう大きな指針の中で作られた楽曲が詰まったアルバムなんですね。

マツキ:そうですね。今回は本当に、"ザ・SCOOBIE DO"っていう感じのアルバムだと思いますね。

-19年目のデビュー作を作ろうとしたこと、あるいはサウンド面で"ザ・SCOOBIE DO"のアルバムを作ろうとしたことは、言葉の面――特にアルバム前半の「転がる石」や「結晶」、「いいぜ いいぜ」といった楽曲の中で"始まり"という言葉が繰り返し歌われていることにも繋がっていると思いますか?

マツキ:うん、まさに、何年経っても新鮮な気持ちでいるというか。毎回毎回デビューの気持ちでアルバムを作っていく中で、何度でも始められるっていうメッセージを込めたかったし、やっぱり、ロック・バンドは元気じゃなきゃダメかなって思って。人がロックを聴くっていう行為は、勇気をもらったり、元気をもらったり、そういうことを究極的に求めてるんじゃないかなって思うんですよね。自分もリスナーとしてそうだと思うし。勇気とか元気とか、そういうものをリスナーに伝えられるような、詰まった音楽にしようっていうのは特に今回思っていたので、その想いが言葉に出てる部分はあるかもしれないですね。

-このアルバムの中で歌われる"始まり"は、何かを断ち切ってからの"始まり"じゃなくて、常に始まっていくっていう意味での"始まり"だと僕は思ったんです。"何十回始めたって 始めたら始まりさ"(「転がる石」)という言葉や、"生きてることは何度も始められるってことさ"(「いいぜ いいぜ」)という言葉を聴くと、19年のキャリアの中で、常に何かを始め続けてきたSCOOBIE DOだからこそ歌える"始まり"なんだなって思います。

マツキ:うん、そういう部分は凄く大きいと思いますね。適当にやってきた19年ではなかったしね。振り返ってみればあっという間なんだけど、その一瞬一瞬はとても濃厚というか。野球みたいな感じなんですよね。1球1球がドラマになるというか(笑)。僕らの場合は、ひとつのライヴ、ひとつアルバム、ひとつのレコーディング......そのすべてが特濃な、凄く濃い瞬間瞬間で成り立っている感じがあるので。そういうのが滲み出ていたら嬉しいとは思いますね。

コヤマ:やっぱりね、何度も始めてきたんだと思いますよ。僕はライヴをやるのが凄く好きなんだけど、19年って、年表を見れば歴史はあるんだけど、1個のライヴをやるぞってなったら、それまでの19年とかは別に関係ないんですよ。もちろん、19年かけて出した音だとは思うんだけど、"俺たちは19年かけてきたバンドです"っていう気持ちでライヴはやらないですからね。毎回緊張するし、興奮するし、常に新しい。"今までこれだけのことをやってきたんだぜ"っていうことを言いたいわけじゃなくて、1番新しい感動に触れたくてライヴをやるんですよ。だから、ライヴは常に始まるんですよね。で、終わる。終わったらね、それはもうなくなっちゃうんだよね。