Japanese
SCOOBIE DO
2010年03月号掲載
Writer 佐々木 健治
2007年からは自主レーベルを設立し、向井秀徳をプロデュースに迎えた2007年のミニ・アルバム『トラウマティック・ガール』を皮切りに、さらに独自の道を歩んでいるSCOOBIE DO。
最近では定評のあるライヴ・パフォーマンスを収録し、ライヴ会場でのみ発売されていたライヴDVD『FILM Funk-a-lismo ! EBISU SPARKLING』が、バンドの公式サイトで販売をスタートさせたばかり。そして、ニュー・アルバムの制作に突入するSCOOBIE DOが、デビュー・ミニ・アルバム『GET UP』から2006年の『SCOOBIE DO』までSPEEDSTAR RECORDS時代に発表された楽曲のベスト・アルバムをリリースする。
ロックとファンクの最高到達点を目指すという自身の音楽性をFunk-a-lismoと定義し、独自のメロウなファンク道を提示するまでの過程とも言えるこのベスト・アルバム。コヤマシュウの熱さと艶のどちらも備えた歌声もあり、熱を帯びながらも軽やかなグルーヴ。洗練された都会的なソウルとも、土臭さと汗臭さが充満するディープ・ファンクともちょっと違うポップな感覚がSCOOBIE DOの魅力。どちらのいいところも頂戴しながら、その間に自分達の居場所を確立してしまったバンドだ。
そして、そのサウンド・アレンジには、山下達郎などのニュー・ミュージックからの影響も見えるし、ロックからはブルースのいなたさよりも、ソリッドな質感を抽出してみせる。今作に2曲収められているRHYMESTERとのコラボなどが示すように、HIP HOPへの接近ももちろん忘れない。
あらゆるファンクネスを咀嚼しているからこそ、作り上げることができる独自の音楽性。そして、それぞれのおいしいところを独自の味覚に基づいて徹底的においしく調理してみせるSCOOBIE DOの全シングル、そしてライヴでも定番となっている楽曲を中心にセレクトされたこのベスト・アルバムは、このファンク・バンドの本質を知る為の入門編と言える。
ただ、既発表曲だけでなく、リズム隊とギターの絡みがスリリングな「Jazz」と艶っぽいスウィング感が心地よい「Everything Gonna Be Alright」という未発表の2曲は、他の収録曲とは少し趣が違う、ジャジーなグルーヴが魅力。
SCOOBIE DOから新たなファンクネスが届けられる前に、このベストでSCOOBIE DOを発見、再発見しておこう。
そして、このベスト盤には、SPEEDSTAR時代の全13曲のミュージック・ヴィデオとライヴ映像が収録されたDVDが付いている。
★SCOOBIE DOで踊るアナタに送る3 枚 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
RHYMESTER 『MANIFESTO』(2010)
活動休止を経て、4 年ぶりとなったRHMESTER最新作。
王道のHIP HOPで、格の違いを見せ付ける圧巻のアルバム。
THE BAMBOOS 『4』(2010)
SCOOBIE DOもカヴァーしている「Tighten Up」のカヴァーで世界的ヒットを獲得した
オージー・ファンク・バンドの新作(3月22日発売)。
GALACTIC 『YA-KA-MAY』(2010)
来日も迫るミクスチャー・ファンクの雄。
ニューオリンズの新鋭からAllen Toussaint まで多彩なコラボが実現。
ロック・ファンも確実にはまります。
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