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INTERVIEW

Japanese

OKAMOTO'S

2014年09月号掲載

OKAMOTO'S

Member:オカモトショウ(Vo) オカモトコウキ(Gt) ハマ・オカモト(Ba) オカモトレイジ(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-前作の「告白」とか「虹」のようなある種さわやかな曲が最近のOKAMOTO'Sのモードなんでしょうか。

ショウ:そうですね、モータウン的な。4枚目の『OKAMOTO'S』からはそういうカラーを自分たちでつけてますね。

-OKAMOTO'Sって熟練しているイメージがあるんですけど、まだ5年なんだ?って思ったんです。この先5年、10年と活動していく中で、新たなアンセムというか"OKAMOTO'Sはそんなに知らないけど、この曲だけは知ってる"というくらいの代表曲が生まれたら良いな、と思っています。

ハマ:そうなんですよね、それは大事だと思います。今回こういう作品を出したからこそ、近いうちにないと駄目だなと思いますしね。言いかたを変えると"なんか音楽詳しいみたいなことを鼻にかけてて、すごく練習してて上手いんでしょ?でも別にたいして売れてないし"みたいに片づけられる対象なので、今は。それをこのシーンの中で、今までやってきたことや今回のアルバムが最大の防御壁と攻撃力にできるかどうかは、単純な話もっと認知されないといけないと思うので。それこそ今おっしゃったような代表曲がないと、世間的にはこのまま行くと"ただ音楽に詳しいダサいおじさん"になってしまうので。そうじゃないところに早めに行かないと。若干、今なりかけてる疑惑が少しあるんで(笑)。

ショウ:ははははは

ハマ:そういう、なりたくない像に近づかないためにも、あとより音楽を広めるためにも、そういう曲は必要かなとは思ってます。

-まだまだ5年のキャリアからすると全然、熟練バンドなわけじゃないんですよね。勝手にそういうイメージで見てましたけど。

コウキ:そう言われるとそうですね。

ショウ:そうですね。"まだ5年じゃん"って言われるきっかけの周年にしてもらうのも良いですね。

ハマ:何が問題かっていうと、去年インディーからデビューしたっていうバンドが1万キャパでワンマンやります、半年でインディーで何十万枚売れました、っていう時代になってるということなんですよね。俺らの速度を遅いとさせているというのも、絶対に実態としてはあって。それに俺らも焦る気持ちもないといけないし。確かにまだ5年だしという気持ちもあるんですけど、そんなことを言ってるとあっという間に大変なことになっていくだろうし(笑)。

コウキ:でもそういうバンドがいたとして、10年後にまたその音楽を聴きたいなと思ってるかというと疑問だなと思うし。10年後に今出した音楽を聴いても"この時も良かったし、今も良い音楽やってるね"って思われるような、長続きする音楽をやりたいと思ってます。

ショウ:今CDを買う人は、音楽を好きな人しかいないと俺は思ってるので。こだわって作っていれば勝機はあると思います。あとはビッグ・ヒットをどう作るかという作戦を考えるのはすごく楽しいんで(笑)。

-4つ打ちのサウンドにしても、2014年のOKAMOTO'Sがそれをやっているというのが逆にすごく良いと思うんです。ディスコ・ブームのときにTHE ROLLING STONESがその流れに乗って「Miss You」を出したけど、それは時間と共にSTONESのヒストリーの中に"この時代はディスコ・サウンドにトライしている"というふうになっていったと思うんです。だから後々、OKAMOTO'Sのヒストリーのひとつになれば良いんじゃないかと思うし、それはすごく楽しいことだと思うんですよ。

ハマ:そう言っていただけると嬉しいですよ。ずっとそうやって言い聞かせてきてるんで、我々は(笑)。

ショウ:ははははは!そうだね。

ハマ:雑誌の撮影で、そのへんの公園で写真撮るにしても"なんかちょっとガレージっぽくて良いね"と言われたりするのは、脳的には良しとできるんですよ。"こういうジャケ昔あったし"なんかも。それって世間的にはなんとも思われてないことなんですけど。でもそれを信じてやってきたことは間違いじゃないんだなというのは、こうやってわかってくれる人に会えると安心しますね(笑)。デビューしてから本当に、音楽ライターさんや音楽を世に広める側の人たちには、ほとんどそういう造詣の深い人というのはいないんだな、ということがよくわかったんで。適当な人が多いなって。そこを今23,4歳くらいの俺らが長く言っていかないと抹消されちゃうなと思うので。この先わかんないですけど、会社作るかもしれないですしね?自分らで。

-(笑)

ハマ:いや、わかんないですよ(笑)?本当に何が起こるかわからないけど。でも全国の音楽に想いを持っている人たちが"あそこから出したい"と思うような会社ができる気もするし、そういうレベルで音楽を考えてると、嬉しいですね。こういう話ができることが。

ショウ:俺らジャングルジムで写真撮ると"ちょっと黒いね"って言うもんね。ブラック・ミュージックの裏ジャケっぽいよねと話したり(笑)。

ハマ:誰もそんなこと思ってないのに(笑)。でもそれで満足してるというか、それでカッコつけられるんだから良いなと思ってます。

-10月25日(土)には日比谷野外大音楽堂で初のワンマン・ライヴが控えていますね。

ショウ:野音はずっと『Let It V』を出すタイミングから考えていて。「虹」という曲はもともと、野音でやったときに雨が降っても降らなくてもみんなでひとつになれるきっかけになる曲を、と思って作ったんで。「虹」をしっかり演奏して気持ち良く5周年を祝ってもらえるように良いライヴをしようと思います。コラボ・アルバムもリリースしたし、もしかしたら4人だけじゃなくて誰かの力を借りることも計画しているので、ぜひ足を運んでもらえたら嬉しいですね。