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INTERVIEW

Japanese

OKAMOTO'S

2016年06月号掲載

OKAMOTO'S

メンバー:オカモトショウ(Vo) オカモトコウキ(Gt) ハマ・オカモト(Ba) オカモトレイジ(Dr)

インタビュアー:石角 友香

"ロック・オペラ"という設定からくる物語、そしてファンクやヒップホップ、デジタルな要素もブチ込まれたアルバム『OPERA』と、そのツアーを一巡してOKAMOTO'Sが提示してきたのは、その奔放さを経たうえでの"生身のロック"だった。芥川賞を受賞した又吉直樹原作のネット配信ドラマ"火花"の主題歌でもある表題曲「BROTHER」を筆頭に、聴けば聴くほどロックの面白さが発見できるシングルだ。

-『OPERA』というアルバムと、それを再現したツアーを俯瞰できるようになりましたか?

ショウ:あのアルバム自体が"ロック・オペラ"という特殊な形式の作品だったので、どのぐらいの人にどう突き刺さるかが、かなり賭けのような状態でした。しかも再現ではなく、『OPERA』の空気感を伝えるライヴをやりたくてツアーをしていたので、届かなかったらまったく届かないだろうなと思っていました。でも、それがきちんと届いているという確認ができたツアーでしたね。

-そのときから、これからのことを展望するとどうですか?

ショウ:アルバムで伝えたいことが伝わっている人達は実際ツアーにも来てくれていましたが、すごく情報量が多い作品なので"もっと伝えたい"という思いもあって。"もう少し『OPERA』を浸透させたあとに次のアルバムを作った方がいいかもしれない"、という考えから今年はアルバムを発表しないでいようとなりました。インタビューなどでたくさん喋って伝えたつもりでも、それがきちんと行き届くまでに時間がかかる作品でもあるので、"だったら今年はライヴの年にしよう"と47都道府県ツアーに初めて挑戦することになりました。

レイジ:結局、このアルバムが刺さる人も俺ら自身のセンスもすごくマイノリティだなと思ったけど、"マイノリティ"って実はたくさんいるなとも感じました。

ハマ:どんなアクションに対しても届く範囲が広がったなと実感できました。特にあんな変なアルバムでそれを実感できたのは大きかったですね。なので、ステージに登場しただけで歓声が上がっても、そこから先にやるJames Brownの様なインプロビゼーションまでにその熱量が続いていないと結局、意味がないというか。ただ有名人がステージに出てきてワーッて盛り上がっただけで終わらずに、きちんと1時間半~2時間程度、音楽に対するリアクションが続くかどうかは僕らのやり方がお客さんに届くか否かでしかないので。そこは過去最高に良かった。ある時期は聴き手にもっと歩み寄らなきゃいけないんじゃないかって......特に作曲する人はそう思い続けないといけないことではあると思うんです。でも『OPERA』は、"歩み寄らなくても大丈夫じゃん"という感じで(笑)、気にせず思いっきり作った。新しいシングルもそういう意味で"思っていることをそのままやりたい"という意識に戻りましたね。

-たしかに"これシングルで大丈夫なの?"って思いましたけど。

ハマ:ドラマの制作側もよく首を縦に振りましたよね。さすがだと思いました。

-そもそもTrack.1「BROTHER」は"火花"のネット配信ドラマ主題歌というお題ありきだったんですか?

レイジ:お題に沿った楽曲も作ってましたが、"やっぱりこっちでいきたい"って、一番イケてると思う曲を提出することになりました。

ハマ:"変だけどいいかも"、"これでいけたら万々歳だね"と話していたら良い感じにハマりました。

-1曲の中でコードがマイナーからメジャーに変わったり、どんどん場面転換していったり、肝心な部分の歌詞がずっと英語だったりもするし。かなり自由ですね。

ショウ:『OPERA』の反動ですね(笑)。物語に沿って計画的に曲を書いたり、ストーリーが伝わるように日本語を多くするなど、そういうことに試行錯誤していた『OPERA』の反動で、今回の『BROTHER』は感覚で決めたり、単純にカッコいいと思ったことを取り入れたり。あと、久しぶりに英語をメインにしようという話にもなりましたね。純粋に、この先のツアーのことも考えて、より生身っぽいというか、身体で演奏している感じの楽曲にしたいという意図もあって。結果、こういう好き勝手やってるシングルが完成しました。

-"火花"の原作を読んだんですけど、そうすると無理矢理リンクする部分を見つけようとしちゃうんですよ。ロックンローラーと"先輩"のお笑い芸人を照らし合わせてしまったり。

ショウ:俺はそういう気持ちがありました。"火花"に出てくる"先輩"の様な人はどこにでもいるよなって。でも完全に主人公が歌っているような印象にはしたくなかった。"カッコいいな"と憧れるけど、自分が成長する過程で"違うんだ、この人は"と感じる瞬間もあったりして、なんとも言えないあの師弟関係みたいなものというか。それが俺にとっては自分の父親代わりのような存在なんですよね。俺の父親はアメリカ人なんですが、ほとんど家にいなくて、年に1回ぐらいしか会えない関係なので、あまり"父親"という感じがしないんです。たまに会える音楽がものすごく好きな友達のような関係性というか。それで、ツアーを回って鳴らす生々しい音には、そこに乗せるメッセージも生々しくありたいなと考えていたときに、昔はおじさんっぽく見えていた父親が今はおじいさんに見えてきて"もう死ぬんじゃないか?"と思ってしまって。俺はせっかくミュージシャンをやっていることだし、歌を残すことができると思って、今のうちにそういう歌を残そうと。それで最初はどちらかというと"Oh Brother!"の部分がすべて"Oh Father!"だったんです。ただ、"Father"というと神父さんに対して歌っているような感じになってしまうし、せっかく友達の様な関係なので、"Brother"にしてみようと思いついて言葉を並べていって、原作も軽く意識しながら書いていった歌詞ですね。