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INTERVIEW

Japanese

OKAMOTO'S

2016年06月号掲載

OKAMOTO'S

Member:オカモトショウ(Vo) オカモトコウキ(Gt) ハマ・オカモト(Ba) オカモトレイジ(Dr)

Interviewer:石角 友香

-単なる原点回帰ではなく、マイナーな部分は00年代のARCTIC MONKEYSっぽいし、あんまり今までのOKAMOTO'Sで聴いたことない音だなと。

ショウ:はい、とにかくカッコよくしたかったという思いはありますね。『OPERA』であんなに受け入れてくれるということは、俺たちが思っているより"もう少し俺たち的にカッコいいと思う要素を増やしてもいいんじゃないか?"と思いました。自己満足なだけではなく、カッコいいものの作り方もわかってきた気がしますし。あと、俺たちが守ってる洋楽っぽい感じ......俺、少しコンプレックスだったんです。日本人が歌う日本語の歌詞だからこそ良かったり――それこそ岸田(繁/くるり)さんや(奥田)民生さんの土着的な匂いがするメロディなんかに憧れがあるんですけど、そういう雰囲気はなかなか出せないなぁと。もう俺からは出ないのかもしれないので、個人的にはもっと洋楽っぽさが出た方がいいと思って振り切りました。

-ショウさんの資質に日本のフォークロアが存在しないなら出ないのは当然だし。

レイジ:5歳までアメリカの土で育ったもんね。それが正しいんだよ。

ショウ:ニューヨークだからコンクリートだけどね。

コウキ:英語の歌詞もすごく自然体でいいなと。

ショウ:やっぱりね。日本語で歌詞を書こうとするとどうしても"敬語で喋っている自分"という感じがしていて。英語だときちんと25歳なりの知識のまま、ものすごくピュアな状態で歌詞が書けることに気がつきました。英語の面白いところは、英語詞を書くときは日本語を英語に変換しているわけではなくて、そもそも英語で考えていて。そういった思考の違いも面白くて今すごく英語詞を書くのが楽しくなっています。

-なんか踏み出した印象がある曲です。

レイジ:(LOVE PSYCHEDELICOの)NAOKIさんとの作業も面白かったしね(笑)。

ショウ:そうそう。この曲(「BROTHER」)は初めてNAOKIさん( LOVE PSYCHEDELICO)にプロデュースしてもらいました。

-なるほど。ラフさの謎が解明されてきた。

ショウ:ギターの面白い音だったり、たぶんそういうことですよね。NAOKIさんが部屋に入ってくるとすぐ録音している曲の会話になるんです。"今日はよろしくお願いします"、"よろしく。でさぁ、この曲の最初のとこなんだけど"って、"早っ!"という調子で。なんのアイドリング・トークもないまま始まって、作業が終わるまでずっと続くというか。

-薄さと隙間の多いサウンド・プロダクションも、その成果かもしれませんね。

コウキ:演奏面で"ああ、これだ"という手応えがありましたね。勢いで突っ走るわけでもなく。今まではレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)っぽいことをやろうとしても小柄な感じになっていたんですけど(笑)、そこをうまく回避していい感じのファンキーな演奏が初めてできました。その流れでカップリングの「Lagoon」(Track.2)もすごくうまくいったなという手応えがあります。

-「Lagoon」は全編、英語詞ですが対訳を読みながら聴くとショウさんの独白が泣けます。

ショウ:嬉しい。俺自身「Lagoon」の歌詞は気に入ってます。英語で歌詞を書く人が最近増えた中で、すごく当たり前のことを言う歌ばかりの様な気がしていて、もう少し踏み込んだところまで英語で書いたら面白いのになと思っていたので、こういう歌詞になりました。

-ゲットー感があるというか。

ショウ:これは、なんだろうな? 父親に向けて歌った「BROTHER」があって――メンバーにもあまり言ってないですが、自分がアメリカ人と日本人の間に生まれたことについて歌った曲はあまりないなと思って。そんなにコンプレックスを持って生きてきたわけでもないので、"俺はひどい目にあったんだ、殺してやる!"という極端な感覚ではないけど。

レイジ:でもさっき自分で話してたことに通じるんじゃない? 奥田民生さんや岸田繁さんの様な感じで歌えないっていう。

ショウ:そう。具体的に何をというわけではないんですけど、そういうことを歌いたいなと思って書いていった感じはあります。