Japanese
OKAMOTO'S
Skream! マガジン 2023年05月号掲載
2023.04.28 @Zepp Haneda(TOKYO)
Writer : 石角 友香 Photographer:横山マサト
初のメンバー・コラボ・アルバム『Flowers』リリース時のインタビュー(※2023年2月号掲載)で、オカモトショウ(Vo)は新しいロックの潮流が見いだせない時期なら、バンドは自由に好きなことをやったほうがいいという意味の発言をしていたが、当を得ている。コロナ禍の出口がようやく見えつつあるタイミングでの今回のツアーは全国27ヶ所。ライヴをやることで息を吹き返すバンドとオーディエンスのエネルギーの交歓が、この日のツアー・ファイナルの答えだったように思う。
開演ギリギリまでサウンドチェックが念入りに行われていたことにも気持ちが高揚するなか、アルバムからインストの「Intro」がオープニングSEとして流れ、BRIAN SHINSEKAI(Key)を含む4人が現れて、少し遅れてショウが登場。オープナーはロック・オペラ調の長尺ナンバー「Gimme Some Truth」だ。1曲目から大団円のような、OKAMOTO'Sというロックンロール・バンドのキャラクターを知らなかったらあり得ない展開なのだが、むしろ、今自分はOKAMOTO'Sのライヴにいることをこれ以上実感する曲もないなと思うのだ。続く「Dance With You」でシンガロングとジャンプの嵐、ラテンテイストのヒップホップという世界的トレンドとリンクする「Young Japanese」と、ペース配分無視な振り切れっぷり。フロアの歓声も個人的には声出しOK以降のライヴで最も大音量だ。そのリアクションの大きさにメンバーが笑顔になっているのが2階席からもわかる。
挨拶を挟んでの「Welcome My Friend」も、ラテンとヨーロッパ的なメロディが混交したOKAMOTO'S流のR&Bで、よくもこんな曲をバンドで発明できるな......と改めて変な笑いが起きてしまう。研ぎ澄まされたオカモトコウキ(Gt)とハマ・オカモト(Ba)の音の抜き差しと、BRIANの存在の意義が際立つ妖しいピアノが冴えている「Higher」、真空管テレビのノイズのごとき照明が架空の世界にいるバンドを思わせつつ、その生音で現実に飛び出してくるような体感を得た「Border Line」。こんなにロックンロールなファンクを鳴らせるバンドが同時代にいるだろうか? 演奏に反応して踊るオーディエンスの躍動にも感動してしまう。エンディングから間髪入れずフロアから"OKAMOTO'S最高!"と男性が声を上げ、オカモトレイジ(Dr)が"お前もな"と返し、笑いが起きた。
『Flowers』がメンバー・コラボであることから、作者を紹介して曲振りをするのも今回ならではで、ショウが"僕とハマさんで作った「オドロボ」という曲を聴いてください"と言い終わるか終わらないかで、イントロがスタート。ハマのベースがデカくてパーカッシヴ。彼のフレージングにはジャズ・プレイヤーのソロへの拍手のように毎度拍手が起きる。間奏ではショウ渾身のギター・ソロも披露され、自由に放出されるそれはMarc Ribotのようなフリーキーさで新たな一面を見た。すかさずハマが"今ツアー、一番大音量のギター・ソロはオカモトショウさんでした!"とひと言挟むと笑いと拍手が送られる。それを受け、"一番上手く弾けた"と、ショウも満足気。彼が"次はコウキさんとハマさんが作った曲です"と、「いつも、エンドレス」に繋ぐ。歌謡ショーみたいなトークだが、作家としてのキャラがフォーカスされて案外いい。80s感たっぷりなファンク・チューンでコウキとハマが交互に歌い、ショウはボンゴでハネ感を強調。ねちっこいグルーヴは「Picasso」に接続し、曲中にFRANKIE GOES TO HOLLYWOODの「Relax」のカバーも盛り込んで見せた。
中盤にはMCが長くなることへの断りを入れて、1年3ヶ月ぶりのツアーを振り返る。コロナ禍でファンになった人は、このツアーで初めてライヴに触れた人も存外多いことを知った。そこから、配信解禁になったばかりの新曲「Where Do We Go?」へ。骨太なファンク・ロック・チューンであると同時に歌詞も深い。コウキが歌う「Flowers」はライヴで切なさが何割か増していたし、10代の青い時代から連なるバンドを展望するような「Sprite」への流れも、最近のOKAMOTO'Sだからこそ書けた曲なのだと深く理解できた。
ショウがエレアコを弾き、コウキがテレキャスター・シンラインでフレーズをつけ、ハマがこんなにシンプルなラインを弾いていることが新鮮で、レイジの大きなグルーヴに感銘を受ける「Sugar」。この曲のサウンドに自然に繋がるエレアコ弾き語りの「History」への流れも、『Flowers』リリース後だからこそ実現したものだろう。ヴァースのジャングルっぽいリズムで一斉にフロアがバウンドする。そこからは、バンドもファンもそのエネルギーの凄まじさを放出し合う怒濤のダンス・タイムへ。BRIANのクラヴィネットの音色も効いている「JOY JOY JOY」、"あーい?(あーい!) ああーい?(ああーい!)"の応酬とショウの"踊らないとおうちに帰れない!"という叫び、ハマのスラップと、いくつものレイヤーで畳み掛ける「SEXY BODY」、ノンストップでここにいる音楽バカに愛を振りまくような「BROTHER」へと、フロアはバウンドし続ける。完全に火がついたショウはステージを下り、最前列の柵に仁王立ちになって歌っていた。序盤から奇天烈なアクションでキレッキレなショウはもはや、カッコいいとかカッコ悪いのボーダーを越えたパフォーマーに転生した感じだ。彼の突き抜けっぷりが、卓越したOKAMOTO'Sという音楽家集団を、さらに輝かせる最後のピースだったのかもしれない。と、そんなことを頭の隅で思いながら、さらに立て続けに「ROCKY」へ突入。エンディングと共に起きた歓声と拍手はZeppのキャパとは思えないボリュームだった。
"素晴らしい、みんな。ライヴってこうだったよねって、今ちょっとウルっときた"とショウ。次の曲の紹介で彼はなかなかリリックの決定打が出なかったと言い、ちょうど去年の今頃USツアーを行っていたとき、ずっとストレスを抱えて暗い夜の曲ばかり書いていたけれど、そのツアーの中で少し光が見えて書けたリリックだと話していた。その説明があったうえでスタートした、メンバーみんなのコーラスが美しい「Last Number」。音源で聴いていたときには感じ得なかった彼らにとってのライヴの意味、バンドであることの意味が見え、思わず落涙していた。肩の力を抜いて作ったアルバム『Flowers』がツアーで過去の楽曲と反応し、素直な言葉を素直に届ける力を宿したのだと思う。
アンコールでは、6月から始まるスプリット・ツアー("THE BAWDIES × OKAMOTO'S SPLIT TOUR 2023「ON STAGE」")のバディであるTHE BAWDIESが駆けつけ、"宣伝動画"を撮影。そして名残惜しそうに2曲を演奏し、3ヶ月にわたるツアーを終えたのだった。
[Setlist]
1. Gimme Some Truth
2. Dance With You
3. Young Japanese
4. Welcome My Friend
5. Higher
6. Border Line
7. オドロボ8. いつも、エンドレス
9. Picasso
10. Where Do We Go?
11. Flowers
12. Sprite
13. Sugar
14. History15. JOY JOY JOY
16. SEXY BODY
17. BROTHER
18. ROCKY
19. Last Number
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En2. Beautiful Days
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