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INTERVIEW

Japanese

nano.RIPE

2014年01月号掲載

nano.RIPE

Member:きみコ (Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

-前の2枚も別に暗いアルバムを作ろうと思っていたわけじゃないんですよね?

ええ。その時、書きたい歌を書いて、集めたらそうなっただけで(笑)。リリースした時は暗いとは思わなかったんですけど、改めて聴いてみると、暗いなって(笑)。今回、アルバムに入れる曲を選ぶにあたって、nano.RIPEは曲作りが好きなので、曲のストックがいっぱいあるんですけど、「ハロー」を軸にアルバム全体のイメージとして、暗くなりすぎないように選びました。それでもやっぱり自分と自分の戦いみたいなあたしらしい歌も入れたいということで、最初に選んだ曲と8曲目の「痕形」を入れ替えるということもやりました。

-アルバムを聴いて、個人的にいいなと思ったのは、ポップでキャッチーなところもあるんだけど、作品の核となる部分にメランコリーが感じられるところだったんですよ。

そこは変わらないですね。インディーズの頃の曲を今、録りなおしても違和感がないのは、あたしの歌いたいことが変わっていないからだと思うんですよ。それがきみコだっていうのがはっきりあるんだって今回、自分でも驚くぐらい感じましたね。

-常に、何かより良いものを求めて必死になっているような印象を受けました。

基本的に根は暗いんですけど(笑)、その中でどうしたら少しでも毎日を楽しく......楽しくというか、いまだに今日を生き残るのに必死で、バンドの状態もよくなってきているし、インディーズの頃とは違い、音楽だけに時間を使えるという意味では余裕が出てきているはずなのにあたし自身、きみコとしての人生にはいまだに余裕がなくて、ホント、日々戦いってところはありますね。

-今回、レコーディングは大変でしたか?

ついこの間までツアーの合間を縫ってやっていたんですよ。ドラムの(青山)友樹が2013年3月に加入して、今回のアルバムの前にシングルのレコーディングもやっているんですけど、今の4人でがっつりレコーディングしたのは今回が初めてだったので、今のnano.RIPEの作品という実感を持てたのがよかったですね。

-10曲目の「マリンスノー」はこれまでのnano.RIPEにはないファンキーな曲になりました。

ジュンもあたしも普段、鼻歌から作ることが多いんですけど、「マリンスノー」は珍しくジュンが"こういうリフの曲を作りたい"と言い出して、ジャム・セッションで形にしていったんですよ。それを一旦、ジュンが持ち帰ってメロディを乗せてきたんです。最初は歌よりも演奏が目立つ曲になるのかなと思いきや、そこはジュンのセンス。すごくステキなメロディが乗っていて、さすがだなって思いつつ、負けず嫌いのあたしはちょっと悔しかったですけど(笑)。でも、今までにないおもしろい曲になりました。早い段階からアルバムに入れたいと、みんなで言っていたんですけど、今は早くライヴでやりたいです。

-その他、作り手として印象に残っている曲はありますか?

6曲目の「プラネタリウム」はインディーズ時代の曲の再録なんですけど、オリジナルの時はまだベースのアベノブユキも入っていなかったので、今回、今のnano.RIPEが録る意味をちゃんと加えたいと思い、アレンジのみならず、ミックスもそのへんを意識しました。