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INTERVIEW

Japanese

nano.RIPE

2014年01月号掲載

nano.RIPE

Member:きみコ (Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

-メンバーが変わると1からのスタートですからね。

場合によってはマイナスからのスタートになることもありますからね。音楽的なことももちろん、メンバーって家族よりも長い時間を一緒に過ごすわけじゃないですか。だから、人間として気が合う合わないもありますからね。今のメンバー誰1人欠けても自分たちじゃないって、よく言いますけど、以前はそんなことは思ってなかったんですよ。誰が欠けてもあたしが歌えばnano.RIPEだと思ってやってきたんですよ。でも、今はこの4人じゃなかったらダメかもしれないって思います。

-メンバー・チェンジが多かったのは、どうして?

今、振り返ってみると、あたしにやる気がありすぎて、ついてこられなかったのかもしれない(苦笑)。最近は、あたしも考え方が変わってきたところもあるし、今のメンバーはそのへんをうまい具合に......あたしがメンバーをひっぱっているようで、実はうまく転がされてるのかなって(笑)。

-ササキさんとは結成の頃からずっと同じヴィジョンを持ちながら、同じテンションでやってこられたということですか?

ジュンも1回、就職したんですよ。その時は大ゲンカして"早く仕事やめろやめろ"って毎日のように言いました(笑)。結局、就職したものの、本当にやりたいことではなかったので仕事をやめて、また戻ってきたんですけど、そこから目に見えてバンドがうまく転がるようになりました。

-きみコさんには迷いはなかった?

高校を卒業したらバンドは終わるのかなと思っていたらなんとなく続いたんですよ。それで、20歳になったとき、これはもう、やめられないかもしれない。あたしの人生においてバンドをやめるという選択肢はないと思ってからは、負けず嫌いなので、じゃあ、とことんやってやろうってけっこう早い段階からあたしは覚悟を決めていましたね。

-"この4人じゃなかったらダメかもしれない"と思えるラインナップが揃い、新しいアルバムを作ろうとなったとき、どんな作品にしたいとか、どんな気持ちを込めたいと考えたんですか?

リード・トラックの「ハロー」が最初にできたんですよ。その「ハロー」ができたとき、こんなにいい曲ができちゃったよってメンバー全員が思えたんですけど、そういう曲ができたんだから、それを軸にアルバムを作っていったら、nano.RIPEが3枚目のアルバムとして表現したいものになるんじゃないかって。

-3枚目で表現したいnano.RIPEというのは?

1stアルバムと2ndアルバムって暗いんですよね。アルバム全体が。2枚目のキモになった「架空線」という曲を作ったとき、1枚目よりもやさしい歌を歌えるようになったかなという気はしていたんですけど、アルバム全体を通して聴くと、やっぱり暗いなって印象があった中、「ハロー」はその先を表現していたように思えたんです。あたし自身も人間として成長したし、以前よりも余裕も出てきたし、バンドの状態がよくなっているということもあって、これまでは自分と自分の戦いみたいな歌ばかり書いていたのが、「ハロー」のような曲も書けるようになった。1歩先のnano.RIPEの世界が見えてきたと思えたので、3枚目のアルバムは聴きおえたとき、暗いねではなく、ちょっと前向きというか、やさしい気持ちになれるアルバムにしたいというのがコンセプトとしてありました。