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DISC REVIEW

09

ザ50回転ズ MAIDO OHKINI! 15周年!!

ザ50回転ズ

ザ50回転ズ MAIDO OHKINI! 15周年!!

ザ50回転ズ初の単独ライヴDVDは、彼らの魅力を丸ごと味わえる1枚だ。身体を動かさずにはいられない爆裂ロックンロール、甘酸っぱく温かいナンバー、和の心滲みまくりの歌謡曲、乙女心(!)を歌い上げるレア・トラックと、あらゆる彼らの魅力を、今回は本格的なアコースティック・コーナーも交えて届けている。空気感が伝わるテンポのいいMCも小気味よく、さらには、メンバー自ら監督した手作りの未公開MVや、オーディオ・コメンタリーも収録。楽しんで制作したことが伝わり、音楽と出会ったときの衝動を再び感じさせてくれる珠玉の作品に、こちらこそ"MAIDO OHKINI!"と言いたくなる。ぜひ、スイッチを入れて、あの日と同じように(できれば大音量で)楽しもう。(稲垣 遥)

ザ50回転ズ

ザ50回転ズ

ザ50回転ズ

フル・アルバムとしては9年ぶりの今作が初のセルフ・タイトルということから窺えるように、"これぞザ50回転ズ"という自信に満ち溢れた充実作。すでにリリースされライヴでも披露している「Vinyl Change The World」、モータウン・サウンドの「星になったふたり」、ホーンも派手な歌謡ロック「新世界ブルース」、三味線が炸裂する「ちんぴら街道」、ウッド・ベースでスラップに初挑戦したネオロカな「ホテルカスバ」など、全曲まったく異なるアレンジで、自由なバンドの楽しさを伝えてくれる。THE NEATBEATSのMR.PAN(Gt/Vo)が所有するヴィンテージ・レコーディング・スタジオ"GRAND-FROG STUDIO"で録音され、ダイナミックで瑞々しい音の魅力も楽しめる傑作。(岡本 貴之)

Do You Remember?

ザ50回転ズ

Do You Remember?

ザ50回転ズの新作は、全6曲中5曲をスタジオ・ライヴ・レコーディングで録音、さらに6曲すべてにホーン隊をフィーチャーするという、バンドとしてのアイデンティティを克明に刻み込んだ意欲的ミニ・アルバム。ロック、歌謡、パンク、スカ、ソウルなど、曲毎に様々な表情を見せるソングライティングのヴァリエーションの豊かさは相変わらずだが、そこにホーンが入ったことによって、すべての曲の耳当たりはかなりポップ。彼らが愛する古のロックンロールやソウル、歌謡曲のキラキラとしたなポップネスが、見事に50回転ズ流に昇華されている。音楽の消費スピードが速まるこの時代にまるで背を向けるかのように、自分達のこだわりや信念、技術を丁寧に磨いたからこそ生まれる、プロフェッショナルなポップ・ミュージック。(天野 史彬)

行

5kai

京都で結成、現在は東京を拠点にツイン・ドラム編成で活動をしている彼らによる、4年ぶりとなるアルバム。DTM的に音を構築した「four flowers」や、フィールド・レコーディングで様々な音を取り込んだタイトル・トラック、奇怪なビートが鳴り響くなかで囁き声と強烈な低音が蠢く「obs」に、10分を超える大作の「ロウソク」など、バンド・サウンドを主体としながらも、エモやポストロック、アンビエントやミニマル・テクノなどを独自に昇華した全11曲を収録している。ダウナーでありながらも美麗な音像は、孤独にそっと寄り添い、心の奥深いところまで染み込んでいくようで、中毒性も抜群だ。特に理由がないのに悲しく、やり切れなさばかりが募る日々の中で、どっぷりと浸ってほしい。(山口 哲生)

Order Chaos Order

Calum Hood

Order Chaos Order

今やオーストラリアを代表するポップ・ロック・バンドとして世界で活躍する5 SECONDS OF SUMMERの、Calum Hood(Vo/Ba)が満を持してソロ・デビュー。今作『Order Chaos Order』は、バンドとして活動する傍ら、様々なアーティストへの楽曲提供も行ってきた彼らしく、バンドの世界観とは雰囲気を変えたパーソナルな作品となっている。5SOSと言えばボーイズ・バンドというイメージがあるかもしれないが、メンバーはもうアラサー世代。落ち着いた雰囲気のヴォーカルと、ポップだが俗っぽくもないアーティスティックな空気感のサウンドが印象的だ。5SOSのファンはもちろん、インディー・ロックやベッドルーム・ポップをメインに聴いている層にも響く作品。(山本 真由)

Youngblood

5 SECONDS OF SUMMER

Youngblood

ポップ・パンクをルーツに持ちながらひとつの型にハマらないオーストラリアの4人組ロック・バンドが、前2作の成功をステップに、いよいよ持ち前のポップ志向を露にしながらその可能性を追求し始めた。ONE DIRECTIONのヒット曲を手掛けたCarl FalkとRami Yacoubのコンビをはじめ、多くのプロデューサー、ソングライターとコラボした全19曲(※うち3曲は日本盤ボーナス・トラック)は、現在のポップ・シーンのトレンドを集めたと言えるものに。ギター・ロックにとらわれない大胆な挑戦が、彼らのミュージシャンシップの高さを物語っていると思う一方で、ジレンマに感じるバンドとしてのアイデンティティの在り処を問うことは、楽曲単位で音楽を楽しむ今の時代、もはや古いものなのだろう。(山口 智男)

Ashes To Ashes

8otto

Ashes To Ashes

バンドが自らを更新した瞬間、これ以上に興奮するものはない。10ヶ月という充電期間を経て、再び動きだした8ottoが完成させたのは、復活の烽火どころの騒ぎではなかった。のっけの「You Just Not Only One」から炸裂するエモーショナルは、火を噴くロックの情動、さながら初期衝動。しかし、これは単なる原点回帰ではなく、“バンド・8otto”そのものを更新するものであり、全て燃やし尽くし、その灰の中から再び生まれる新しい命という、生まれ変わったバンドの歓びの音、新生8ottoの産声なのだ。この研ぎ澄まされたかっこよさは、作品丸ごとを情動の塊へとプロダクトさせることに成功してしまったわけで、叫ぶヴォーカルや楽曲のみならず、アルバム全体の展開そのものがエモい。彼らは、本作でもってバンドの大いなるターニング・ポイントを作り上げた。(島根 希実)

TIGHTROPE

9mm Parabellum Bullet

TIGHTROPE

前作から約3年ぶり、9作目となるフル・アルバム。ヘヴィなサウンドでガツンと攻める「Hourglass」に始まり、お祭り感のある「One More Time」に続いて、疾走感と爽やかなメロディに彩られた「All We Need Is Summer Day」と、アルバム冒頭からグイグイ引き込むキラー・チューンで畳み掛ける。9mm独特の、歌謡曲的な響きと和のテイスト、そして緊張感がバシバシ伝わる重厚なバンド・アンサンブルがきれいに交わって、アルバム全体で体感10分弱。THE ALFEEもビックリな暑苦しいメロディとコテコテのメタル、そこにオリエンタルなリフ、激しく手数の多いドラムと、情報量がとにかく多い。多様な活動や音楽表現に挑んできた彼らだからこそできた、説得力のあるアルバム。(山本 真由)

DEEP BLUE

9mm Parabellum Bullet

DEEP BLUE

9mmの音楽的探求と遊び心、そして涙しながら拳を突き上げたくなる自分なりの正義への肯定感が、すべてアップデートされた8thアルバム。滝 善充のギター・サウンドの新機軸は、「Beautiful Dreamer」のイントロで聴けるストリングスのような響き、複数曲で聴けるオルガンを思わせる新たなエフェクトや奏法だ。「名もなきヒーロー」のアンセム感、クランチなリフの塊感がライヴでの期待値を上げる「21g」、アコースティック・ギターとガット・ギターで編まれた「夏が続くから」、ジリジリと迫る恐怖感を伴う「Ice Cream」もあれば、9mm流ウェディング・ソングとも取れる「いつまでも」、ここから続くバンド・ストーリーを想起させる新録の「Carry On」など、全方位に開かれた12曲を収録。(石角 友香)

名もなきヒーロー

9mm Parabellum Bullet

名もなきヒーロー

結成15周年イヤーに放つシングルは、鍛え上げられたアンサンブルで疾走しつつ、マインドは温かでタフな9mm流の応援歌。滝 善充のギターを始め、シグネチャー・サウンドと言える音色がメンバーの人間性も表すが、カオティックなまでの超絶技巧や度肝を抜くフレーズはいったん横に置き、山あり谷ありのバンド・ヒストリーとファンの人生を繋ぐような、菅原卓郎(Vo/Gt)の飾らない歌詞がストレートに届く仕上がりに。"守りたいものにいつも/守られているんだね"という一節は特に心に響く。Track.2はZepp Sapporoで開催した"カオスの百年TOUR 2018"振替公演のライヴ音源を丸ごと収録。ここにも生きて再会するというバンドとファン、人間同士のリアルなストーリーが込められている。(石角 友香)

今夜だけ俺を

菅原卓郎

今夜だけ俺を

"オルタナティヴ歌謡"を明確に標榜した、9mm Parabellum Bullet 菅原卓郎(Vo/Gt)のソロ・プロジェクト。デビュー時のプロデューサーであるいしわたり淳治が全作詞、滝 善充(9mm Parabellum Bullet/Gt)が全作曲を手掛けたという、期待を裏切らない菅原のための世界観が構築されている。中でも、往年のジャパニーズAOR風の表題曲は歌謡曲フレーバーとファンキーさが新鮮。また、全6曲のうち、道を踏み外しそうな危険な恋の歌半分、ピュアゆえに傷つきがちな恋の歌半分、男目線4、女目線2という歌詞の割り振りも絶妙。しかも滝印のギターも聴けるという、真剣な遊びが満載。玉置浩二や中田裕二の艶やかな色気とはまた違う、硬質で澄んだ色気とでも言うべき独自の存在感を放っている。(石角 友香)

BABEL

9mm Parabellum Bullet

BABEL

腕と指のリハビリ中の滝 善充(Gt)だが、表現欲求がアルバムに120パーセント投影されたのか? あるいは冷静にコンセプチュアルなアルバムを目指した結果、"滝 善充"が音像化したのかはわからないが、本作は全作曲からアレンジ、プロデュースまでほぼすべて滝が手掛け、菅原卓郎(Vo/Gt)が全作詞を手掛けている。全編、滝らしいクラシックのシンフォニーを思わせる荘厳なアンサンブルがバンド・サウンドに変換されていて、速弾き、タッピング、ギター・シンセ、クランチで高速なコード・カッティングなどが、9mm流のシンフォニーの軸にあり、もちろん各楽器も畳み掛けるようにアンサンブルを紡ぐ。旧約聖書のバベルの塔の神話は、神に逆らう人間が空に向けて塔を築いて破壊されるが、この作品は運命に逆らって生きる苦悩と歓びのプロセスを音像で表現しているような強度がある。(石角 友香)

インフェルノ

9mm Parabellum Bullet

インフェルノ

CMにしろ主題歌にしろ、タイアップというものは"お題"だと思っている。バンドやアーティストがそのテーマにどう応えるか。その枠組みの中で自分らしさをどう見せるか。そういう意味では今回の新曲は豪速球を真っ向から振りにいって全力で打ち返したような1曲。9mm Parabellum BulletとTVアニメ"ベルセルク"の世界観のハマりっぷりもさることながら、90秒一本勝負の曲展開もアニメ主題歌というフォーマットならではのもの。ただ単に尺が短いだけじゃなく、そこに様々な要素を詰め込み、急加速と急旋回がフックになっている。自ら発足した"劇団ナイアガラ"での活動も含め、アニメやボカロにもフィールドを広げる滝善充(Gt)の進化系を示す1曲でもある。 (柴 那典)

Waltz on Life Line

9mm Parabellum Bullet

Waltz on Life Line

3年待たされただけあって、3年ツアーができるほどバラエティに富み、強度もとてつもないアルバムが到着した。クアトロA-Sideシングルで明らかになった中村和彦の疾走感のある8ビートや、案外これまで形にしてこなかったギター・ロック・バンドの表現を前面に出した楽曲、ジャズから民話的な世界観まで意表を突きまくるかみじょうちひろの楽曲。しかも全員が曲を書くことプラス、4人が演奏者、アレンジャーとしてさらにイメージを高解像度で実現できる"音楽家としての筋トレ"みたいなものも実感。それは引き算した楽曲でも効果を上げている。9mmの音楽は人知れず決意や覚悟を促してくれるが、その"スイッチ=新曲"が10曲以上も増えたこの心強さ。もちろん滝の"らしい"楽曲、卓郎のリリシズムもさらに極まった。(石角 友香)

反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot

9mm Parabellum Bullet

反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot

9mmの日(9月9日)に今年はニュー・シングル、それもメンバ--四者四様のキャラが出た"クアトロA面シングル"という意思表明をする9mm。滝独特のエフェクティヴなフレーズが血を沸き立たせる「反逆のマーチ」。菅原による歌詞の潔さにも震える。そう、"愛でも勇気でも思い出させて"くれるのはやっぱり9mmだ。そして驚くほどストレートで速い8ビート「ダークホース」に見る、中村のロック・バンドの理想像。そして菅原作曲の「誰も知らない」は、こんな時代の信頼できる等身大のヒーロー像が「反逆のマーチ」だとしたら、その人間にも矛盾する内面があると告げる。そしてダークな世界観と跳ねるリズムが特徴的なかみじょうの「Mad Pierrot」の構成力。全体に音圧よりアンサンブルで聴かせるのも今の彼らの地力だろう。(石角 友香)

生命のワルツ

9mm Parabellum Bullet

生命のワルツ

すでに配信リリースされ、地上波の音楽番組でもプレイされ、もちろんツアーでも重要な位置を占める曲になった「生命のワルツ」。哀感に満ちたアコギのクラシカルなイントロで素の気持ちに導きつつ、新たな扉が開くように鋭いビートとリフが切り込んでくる瞬間の血が沸き立つ感じ。3拍子の大きなグルーヴを感じつつ、物理的には8分の6拍子のリズムそのものがシンフォニックな印象を与えるという、スラッシュ・メタルでありつつ、まったく違うジャンル感も同時に聴こえる独自性はリピートして聴く楽しさに満ちている。すべての楽器がパーカッシヴな「オマツリサワギニ」、滝のエフェクティヴなフレーズが不穏さを掻き立てる「EQ」と3曲のバランスも最強。完全生産限定Special Editionには"カオスの百年 vol.10"のライヴ映像も付属。(石角 友香)

Greatest Hits ~Special Edition~

9mm Parabellum Bullet

Greatest Hits ~Special Edition~

結成10周年記念、9mm Parabellum Bullet初のベスト・アルバム。Track.1「The World」の音像の、ある種の素朴さに驚くが、これは彼らが初期楽曲をライヴで演奏し、進化し続けていることの証明でもある。シングルとEPの表題をコンパイルしているだけに彼らの音楽に通底する"何かを変えたい""まだ気づいていない感情への刺激"の最も研ぎ澄まされ、キャッチーな部分が凝縮されている。そしてそのことに誇りを持っているバンドならではの堂々としたベスト・アルバムだ。そして実はこのバンドの本質を知るには初回限定生産盤(10周年盤)のみに付属するライヴ・テイク・ベスト『Selected Bullet Marks』。初ワンマンでのドシャメシャなカオスから2014年の日本武道館2daysまで、選びに選んだ20曲。バンドとオーディエンスが生み出す(大げさに言えば)生命力の底力に細胞が震える。(石角 友香)

Answer And Answer

9mm Parabellum Bullet

Answer And Answer

9mmも今年結成9周年である。彼らが、その爆発的なエモーションと卓越した演奏力を持ってシーンに登場した時の衝撃は記憶に新しいが、何よりも素晴らしいのは、9mm自身はそうした状況に留まらず、この数年間、ずっと自らの音楽を進化させ続けてきていることだ。このシングルにおいても、表題曲「Answer And Answer」は破壊力満点のサウンドと叙情的な歌謡メロディが融合した9mm節爆発のキラー・チューン、続く「Snow Plants」は歌を聴かせるリリカルなミディアム・バラード、最後の「Mr.Brainbuster」は1分少々だが存在感ありまくりのインスト・ハードコアと、自分たちの持ち前の魅力と飽くなき挑戦心を体現した3曲が並んでいる。このセンスとストイックさは、この国のシーンになくてはならないものだ。(天野 史彬)

ハートに火をつけて

9mm Parabellum Bullet

ハートに火をつけて

来年バンド結成9周年を迎える9mm Parabellum Bulletが、既にライヴでも披露している「ハートに火をつけて」を表題曲にした4曲入りシングルをドロップ。やわらかさと鋭さを兼ね揃える1分40分のラヴ・ソング「Scream For The Future」、カー・レースをモチーフにした歌詞とスリリングなアレンジが際立つ「R.I.N.O.」、メタル要素のある高速ドラムやギターが炸裂する「ラストラウンド」と、極限まで研ぎ澄まされた攻撃的なナンバーが揃う同作だが、特に際立つのは「ハートに火をつけて」。昭和歌謡風の哀愁漂うメロディが醸し出す魅惑のムードと、スカのリズムが絡み合い、菅原卓郎の歌に艶をさす。アニヴァーサリー・イヤーを控えるバンドの、最新型の熱情を感じることが出来る作品だ。(沖 さやこ)

くるり鶏びゅ~と

V.A.

くるり鶏びゅ~と

錚々たるメンバーが集結し、くるりの名曲をカヴァーした鶏びゅ~と・アルバム。それぞれが趣向をこらしたカヴァーを披露しているが、その中でも別次元の名演を披露しているのが松任谷由実「春風」。いっそのこと、シングル・カットしたらいいのに。トラディショナルなメロディ解釈が新鮮なハンバート・ハンバート「虹」も素晴らしい。9mm Parabellum Bullet の「青い空」は、原曲を知らなければ彼らのオリジナルだと言われても納得してしまいそうな出来映えだし、Andymori「 ロックンロール」もカッコイイ。曽我部恵一「さよならストレンジャー」の渋いフォーク・カヴァーも流石の味わい。あと、「言葉はさんかく こころは四角」での木村カエラの素朴な歌声が好きです。(佐々木 健治)

Consider and forget

44°+

Consider and forget

音楽が言葉を持たないことは不思議でもなんでもない。しかしロックの文脈において、言葉がもたらす"意味"は時に音そのものよりも重要視されてきた。だからこそ、00年代の初めに"ポスト・ロック"というタームがシーンに浸透した時、そこには言葉を持たず、"音"だけで物語を紡ごうとする人々が多く現れた。本作は、神戸出身のインストゥルメンタル・バンド、44°+(シーフォー)の初の全国流通盤となるミニ・アルバム。リリカルなギターの音色と小鳥のさえずりから始まるTrack.1「朝焼けの音」から、アルバム全体を通して穏やかで凛とした美しい景色が描かれている。余計な装飾を排した4ピースのストイックなアンサンブルがとても心地よく、音が雄弁に聴くものの胸の内に語りかけるような、そんな親密さを感じさせる。(天野 史彬)

Weak4

65DAYSOFSTATIC

Weak4

まるで怪物のような存在感を示すパフォーマンスで世界中を魅了し続けるライヴ・アクト、65DAYSOFSTATICのニュー・シングル。来月リリース予定のアルバムを占う意味でも注目の1枚なのだが、やはり「MOGWAI meets APHEX TWIN」との形容はダテじゃない!壮大なスケール感を湛えた轟音に繊細で鋭利なブレイクビーツと、さらなる飛躍をみせた世界観を示している。新たな変化として特筆すべきはエレクトロの比重を上げ、ダンサブルでありアブストラクトな空間処理のアプローチだ。緻密且つ奔放、まさにカットアップ・マジックとも言うべき構築力は素晴らしく、このバンドを唯一無二に高める知性と野生の同居を感じる。その鮮やかな刺激にイマジネーションは膨らむばかり!直前となった来日公演の予習にもどうぞ!(伊藤 洋輔)

Escape From New York

65DAYSOFSTATIC

Escape From New York

UKのインスト・バンド、65DAYS OF STATICが2008年に全米で行ったツアーの模様を収めたライヴ・アルバム。例えばMOGWAIのような静と動のコントラストが生み出すカタルシスに対して、彼らは高度な演奏力を武器に、荒々しいまでの速度で駆け抜けていく。徹底的に突き詰められた美が暴力的であるのと同様に、圧倒的に暴力的な音は、時に美しい。振りかざされた刃そのものが恐ろしいほどの美しさを放つその一瞬の臨界点。その一瞬を捉える為に、彼らはドラムンベース、果てはドリルンベースの速度の上で緻密に構築された轟音を闇に放っていく。まだ彼らのライブを体験したことがないので、今年のサマソニでは是非、観てみたいアーティストの一つ。このライヴ・アルバムはその期待をさらに膨らませてくれる。(佐々木健治)

5

80KIDZ

5

『FACE』以来、1年半ぶりとなる5作目のフル・アルバムは、2015年に発表したHAPPYをフィーチャーした『Baby EP』からの「Baby」、KenKenをフィーチャーした『Gone EP』から「Gone」を収録しているほか、パリ発のインディー・ロック・バンド、JAMAICAのAntoine Hilaire、またCapesonやOBKRなど東京の気鋭のアーティストもフィーチャー。アクも個性も強いアーティストを調理していく術はもちろんのこと、高い嗅覚で新たな感性を見つけその人の鋭く面白い部分にバシッとフォーカスしていく審美眼は、このふたりならではのものだろう。アッパーで攻撃的なサウンドから、聴き手を翻弄するような奇怪なビート、メロウなヴォーカル曲からソリッドなロックまで、パターンにはまることなく飛び出してくる最高のミックス・テープといったふう。(吉羽 さおり)

FACE

80KIDZ

FACE

エレクトロ・ユニット、80KIDZによるフル・アルバム。前作『TURBO TOWN』から2年半ぶり、4作目のオリジナル・アルバムとなる本作では、国内外から多数のヴォーカリストをゲストに迎えている。全12曲(うち6曲はゲストとの楽曲になる)、一口にエレクトロとも言い難い振れ幅の広さには感服の一言。顔を隠して活動してきた彼らが結成時から大切にしてきたテーマ"顔"をタイトルに冠したとのことだが、"自分のスタイルを確立しよう"と躍起になるのではなく、ただただ音楽で遊んだ結果、多面的なアプローチに繋がった、ぐらいのテンションに思える。だから多彩且つプリミティヴな本作には今の彼らの風通しのよさを感じるし、ぐるぐると廻る無数のリフレインはとても心地よい。(蜂須賀 ちなみ)

TURBO TOWN

80KIDZ

TURBO TOWN

再生ボタンを押した途端、一歩間違えば耳触りになるくらいギリギリまで尖らせたサウンドが仰々しく響き渡り、脳天へ突き抜けていく。尖っていると言っても錐とは違う。まるで鋸の刃のようなのだ。鋸の刃がダイレクトに一音一音を脳に刻みつけていくような錯覚に陥る。本来丸みを感じるはずの鍵盤のコードですら、どこかギラギラしているのだ。しかし、リスナーを突き放してしまいそうなくらい強烈な自己主張をしながらも、インストであることを忘れさせるくらいのメロディ・センスは健在。特にTrack. 5 のロック・バンド顔負けのリード・ギターは必聴。1人室内で聴いていたにもかかわらず思わず拳を振り上げそうになった。今作を待ちわびていたファンはもちろん、このロックでエレクトロな1枚は、幅広いリスナーに受け入れられるに違いない。(石井 理紗子)

HOTSTUFF

80KIDZ

HOTSTUFF

2ndアルバム『WEEKEND WARRIOR』から1年2ヶ月振りにリリースされた80KIDZの新作は、iTunes限定配信の5曲入りデジタルEP。ワンマン・ツアーから4ヶ月に渡るDJツアー、FUJI ROCK FESTIVALへの出演と怒涛の2011年を駆け抜けた彼ら。今作はその充実っぷりを凝縮させたと言って良いだろう。クールでスマートなバンド・サウンドは更に鋭さを増し、アコースティック・ギターは流麗な旋律を奏で、エレクトロ・サウンドも美しく輝きを放つ。両極端な魅力を持つ音が融合する様は、流星のように優雅であり刹那的で、そのなめらかさと居心地の良さ、そこはかとなく漂う物悲しさに催眠状態にかかったような気分に陥った。今年春にリリース予定の3rdアルバムへの期待も高まる作品だ。(沖 さやこ)

THIS IS MY WORKS 02

80KIDZ

THIS IS MY WORKS 02

FUJI ROCK FESTIVAL '11やROCK IN JAPAN FES.2011への出演が決定し、破竹の勢いの80kidz。エレクトロには珍しい楽器を使ったライヴ・パフォーマンスが注目を浴びる中、彼らもう1つの彼らの魅力、大評判だったリミックス集『This Is My Works 01』から1年半ぶりの第2弾が登場。誰もが知る「Pirates of the Caribbean」のテーマ曲「He's A Pirate」のカバーからマニアックな洋楽インディーズまで、今回も幅の広い選曲で楽しませてくれる。人気スクリーモ・バンドFACTの「Why...」も80kidzの手によって、原曲とはまた違ったジャンルを超えた楽曲の魅力を開花させている。また、初音源化となる「VOICE」のセルフ・リミックスはファンならずとも聴き逃せない。(石井 理紗子)

Kidz Rec.03

V.A.

Kidz Rec.03

80KIDZが主宰するインディ・レーベルKIDZ REC.からのコンピレーション・アルバム第3弾。このコンピ盤シリーズの常連でもあるBAROQUEからは新曲「Hit It!」が収録されているが、これが必殺キラー・チューンに仕上がっている。フロアから大歓声が今にも聞こえてきそうだ。そしてSALMANことKIDZ REC.のニュー・カマーKIDO YOJIとDEXPISTOLSのレーベルROC TRAXの新鋭BAZZによるユニットの「North」は、KIDO YOJIの泣きのギター・サウンドが走り、憂鬱さと爽快感を合わせ持つダンス・ロック・ナンバーに仕上がっている。また80KIDZのアルバム未収録曲「Night Pulse」も収録。クラブ好きのマスト・アイテムになりそうだ。(成田 早那)

Spoiled Boy

80KIDZ

Spoiled Boy

海外アーティストなど多くのリミックスを手掛け、世界から高い評価を獲得しているエレクトロ・ユニット80kidzから、NEW EP『Spoiled Boy』が届いた!2ndアルバムに向けた本格始動とのことで、CSSのLovefoxxx をゲスト・ボーカルに迎えたナンバー「Spoiled Boy」は重低音なブレイク・ビーツのリズムとLovefoxxx のだるくてセクシーな歌声がまた心地いい。そしてこのEP には、タイアップ曲である「Blow」や「Northcoast」が収録されているほか「Spoiled Boy」をフレンチエレクトロ・デュオのTHE SHOESとドイツGOMMAレーベルのオーナーMunkが手掛けたリミックスまで聴けちゃう贅沢盤。(成田 早那)

This Is My Works

80KIDZ

This Is My Works

DAFT PUNKは永遠に語り継がれるだろう。多分、JUSTICEも。でも、それ以外のエレクトロ勢って、もちろんいいのはたくさんあるんだけど、3年後どころか1 年後にいるかどうかも微妙なんじゃないかと感じてしまう。善し悪しの話じゃなくて。で、それは置いといて。80kidzは、日本においては間違いなく一つの起点になっているアーティスト。デビューアルバム『This Is My Shit』で見せた確たる個性は"勝ち"以外の何者でもなかったし、その先が更に楽しみなる、とても頼もしいものだった。これまでに彼らが手掛けたリミックスの数々を集めたこの作品も、一聴しただけで80kidzのそれだと分かるものばかり。全曲において快楽性が高く、原曲のもう一つの完成系としてパーフェクトに仕上がっているものばかりだ。(杉浦 薫)

Kidz Rec.02

V.A.

Kidz Rec.02

今や日本を代表するエレクトロ・ユニットである80Kidz。彼らが主宰するレーベルである「KIDZ REC」から早くも二枚目のコンピが届けられた。彼らの1stアルバムはもちろん、数々のリミックス・ワークに関しても、彼らが飛びぬけた存在であることを証明していると思う。今回の目玉はやはりTHE SHOESのヴォーカルの掛け合いが楽しいディスコ・トラックと、メキシコのガールズ・バンドQUIERO CLUBによるエレポップ・チューン。それにしても、エレクトロのコンピという括りにしては、様々な音色やリズムが収められている。本人達は多分もうその気などさらさらないんだろう。(遠藤 孝行)

ABC予想

22/7

ABC予想

新体制になったデジタル声優アイドル・プロジェクト 22/7の3rdアルバム。本作は、初のセルフタイトル楽曲にしてまさかのラップ曲「22/7」や、ロシア民謡のエッセンスを取り入れ、これまでにない大人な女性の表情を見せる「スパシーバ!」、ひたすらに"佐藤さん"と繰り返すその名も「佐藤さん」等、とにかく振れ幅お化けな一枚だ。通して聴いていると情緒が追いつかなくなりそうな作品ではあるが、締めくくりのリード曲「理論物理学的 僕の推論」がサウンド、メロディ、歌詞共に秀逸で、最終的にはとんでもないカタルシスを得ることができる。タイトル"ABC予想"の通り、グループに無限の可能性を感じさせるアルバム。(宮﨑 大樹)

2:54

2:54

2:54

少し冷たいくらいが最高に心地いい。ロンドンにて2010年より楽曲デモをインターネット公開し、既にTHE BIG PINK等とツアーも回っているという姉妹バンド 2:54 のデビュー・アルバムは、夏の寝苦しい夜に、布団の体温を吸っていない部分を手探り足探りで見つけたときの感覚! 物憂げに響くギターの反響や淡々と刻まれるリズムを柔らかな歌声で編み込んでいくようなダークな楽曲群は一見ひんやりとした面持ちながら、聴き進めるごとに端々から溢れる感情が折り重なって温度を上げていく。Pitchforkにて24時間で1万再生を記録したTrack.2「You're Early」やラスト・ナンバーで「Creeping」まで、ただ空間をたゆたう無機質さより、黄昏時の音の森に響くようなエモーションを感じられる楽曲がひたすら美しい。クールとパッションの狭間にポンと放たれた1枚だ。(早島 太一)

SIGNAL

256

SIGNAL

このミニ・アルバムが初の全国流通盤になる、ニューカマー 256(ニーゴーロク)。20代前半の4人だが、アレンジ力の高いバンドでソウルやファンク、ブルースなど様々なエッセンスをうまく香らせた、キャッチーで親しみやすいサウンドを鳴らしている。彼らいわく、J-POPも洋楽も、あるいはもちろんその世代ではないが渋谷系サウンドなども、雑多に聴いてきたという。作曲は主にベースの本庄拓也が行っており、彼が自由なアイディアで作り上げる曲を、3人がそれぞれの解釈で返答し、4人で研磨していく。勢いに任せたりせず、ギター・ソロや曲もドラマチックに仕立てているが、歌には青さや熱さが迸っていて直球だ。さらりと器用に生きているようで、体温はものすごく高い。そんなアグレッシヴさを感じる。(吉羽 さおり)

火星探索

35.7

火星探索

赤丸急上昇中、現役大学生の男女4人組バンド 通称"ゴーテンナナ"。たしかに、10代を中心に、耳にすっと入って来る女性Vo たかはしの歌声とキャッチーなメロディが人気なのは納得なのだが、本作のリード曲「百年公約」を再生して、その実年齢以上に大人びたというか、芯を食うような言葉がそこかしこに見え隠れする紡ぎ方に正直驚かされた。また今回がすでに3rd EPで、ここまで作品を重ね、LIQUIDROOMワンマンや大型フェスの舞台も経験しているだけあり、サウンドからも、フレッシュで衝動的な魅力だけではなく楽曲の物語や心情、またはライヴの景色を鮮明に描くために抜き差しも意識している様子が窺える。探求心を持ってまさにシーンの真ん中に飛び出そうとする彼等の今を、味わっておいて損はしないはずだ。(稲垣 遥)

SIX HUNDRED THIRTY THREE

633

SIX HUNDRED THIRTY THREE

2022年8月にTikTokやTwitterなどSNS上に突如現れた正体不明の4ピース・エモ/ポップ・パンク・バンド"633"から、早くもセルフ・タイトルを冠した1stアルバム『SIX HUNDRED THIRTY THREE』が到着した。先行配信曲「Drink Up」をはじめ、甘酸っぱい夏のひとコマを切り取ったサマー・チューン「One Summer Day」や「Rooftop Party」など、バンドとバーベキューをこよなく愛するという彼らのパーティー感溢れる全9曲が収録されている。2000年代のギター・ロック、エモを彷彿とさせるストレートなアンサンブル&英語詞満載の快作で、アルバムを聴き終えた頃には、誰もが充実感に包まれながら"633"の正体に想像を巡らすことだろう。(山田 いつき)

Notes On A Conditional Form

THE 1975

Notes On A Conditional Form

2018年の前作『A Brief Inquiry Into Online Relationships』と対になるニュー・アルバム。環境活動家 グレタ・トゥーンベリのスピーチに端を発し、UKガラージ、アンビエント、ヒップホップ、果てはインダストリアル・パンクまで多種多様な音楽的背景、地球温暖化やLGBTQなどの社会的トピックが22曲に詰め込まれ、まるで現代社会の混沌をパッケージしたかのよう。そんな一歩間違えば雑多な作品になりかねない題材を、洗練されたサウンドへと見事にまとめ上げるのがTHE 1975という稀代のバンドのなせる業なのだろう。変化し続ける世界に道標を立て続ける旅のような作品で、それだけにバンド・メンバーへの愛を歌うラスト・トラック「Guys」が胸を打つ。(菅谷 透)

I Like It When You Sleep, For You Are So Beautiful Yet So Unaware Of It

THE 1975

I Like It When You Sleep, For You Are So Beautiful Yet So Unaware Of It

やたら長いアルバム・タイトルと、グラム・ロックとPRINCEがマリアージュしたような先行配信ナンバー「Love Me」、「Ugh!」が話題で、1月の来日公演も即完売。と、ここまで書いて、今、そんなロック・スターめいた"洋楽バンド"他にいる? と思うわけだ。若干の"暗さ"をマンチェスターという出自と結びつけていた1stと比較すると、今作は前述の2曲を始めとする80sフレイヴァーでミニマル・ファンク調にハジケたポップ・チューンや、USのトレンドであるエレクトロ/R&B、スタジアム・バンドで言えばCOLDPLAYのお株を奪い去りそうなスケール感。しかもシンセ・ポップ経由のドラマチックなナンバーが居並ぶのだから、さらに全世界を魅了する可能性大。サウンドとしてのロックを漂白してもロック的という不思議な作品。(石角 友香)

Music For Cars EP

THE 1975

Music For Cars EP

THE 1975は、夜の闇に隠れてロックで踊る。マンチェスター出身のこの不良たちの音楽は“ロックの復権”なんて安っぽい言葉で片付けられない大きな希望に満ちている。ちょっと学が足りなさすぎるんじゃないの……なんて下手したら勘違いしそうになる歌詞やギター・フレーズの執拗なまでの反復は、エレクトロやクラブ・ミュージックの快楽性を切り取ったものだし、ポップなメロディの隙間に顔を覗かせるマンチェスターの工業地帯の荒涼とした夜を思わせるサウンドスケープは、SIGUR ROSや各種のシューゲイザー・バンドを思い起こさせる。しかし、その実験の成果が「Chocolate」のような素直なポップに結実しているのが彼らの可愛いところであり、また大きな可能性を感じさせる部分だ。大期待。(小田部 仁)

Latest Outtakes

22-20s

Latest Outtakes

衝撃の解散から4 年、再び歩み出した22-20s。今年は6 年ぶりとなる2ndアルバム『SHAKE/SHIVER/MOAN』をリリース、FUJIROCK での勇壮なパフォーマンス、そして10 月のジャパン・ツアーと、見事な復活劇を遂げる1 年となった。そしてラストを飾るのは、アルバム未発表曲6 曲に「Bitter Pills」と「Ocean」のアコースティック・バージョンを収録したこのミニ・アルバム。エッジーなギターと疾走感あるビートが揺さぶる「Blood In The Basement」、フロントマンMartin Trimbleの歌声が渋みあるロマンティズムを醸す「Crack In My Confidence」など、楽曲それぞれのカラーで楽しめ、また基礎となる“ブルーズの憧憬”も再認識できる1枚だ。世界中のメディアから“早熟の天才!”と叫ばれたデビューから紆余曲折あったものの、今後は第2 章となるバンド・ライフを謳歌してもらいたい。(伊藤 洋輔)

Shake/Shiver/moan

22-20s

Shake/Shiver/moan

男臭さ全開の荒々しいブルース・ロックで注目を集めた22-20sが、まさかの解散劇から4年を経て、新メンバーとともに再結成を果たした。これは、昨今の同窓会的な再結成ブームとは全く意味が異なる。素晴らしいアルバム一枚だけで解散した彼らは、まだまだ若々しいうちにバンドへの情熱を取り戻したのだから。今作で特徴的なのは、何と言ってもメロディに力点が置かれていることだろう。ブルースを根底に持ちながらも、眩さに満ちた楽曲の力強さと言ったら。まさしく、今の彼らが音楽に希望を抱いているからこそ獲得できた暖かな歌心。タイトル・トラック「Shake,Shiver And Moan」などはFLEET FOXESあたりとも共振しそうな美しさがある。このアルバムには、彼らの希望と情熱が満ち溢れている。(佐々木 健治)