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DISC REVIEW

TOMORROW NEVER KNOWS

本棚のモヨコ

TOMORROW NEVER KNOWS

THE BEATLES中期の傑作『Revolver』の最後に収録された「Tomorrow Never Knows」という曲は、テープの逆回転やループを駆使した超絶サイケな1曲で、THE BEATLESの実験的且つ野心的な活動を象徴する1曲だ。札幌出身の5人組、本棚のモヨコは1stフル・アルバムにその曲と同じ名を冠した。つまり彼らもまた、明日へ踏み出すことを恐れていないということである。シューゲイザーや60'sガレージからの影響を感じさせるノイジーなバンド・サウンドに、砂糖菓子のように甘いメロディ。筋肉少女帯~神聖かまってちゃんの系譜を継ぐ、日本語ロックの畦道をいく森脩平の歌詞世界は、夢と現実の狭間で揺れながら、しかし大人に悪戯をしかける子供のように不遜な笑みを見せる。すべてのわがままな子供たち(実年齢は大人でも可)に捧ぐ痛快なロックンロール。(天野 史彬)

暴動遊戯

暴動クラブ

暴動遊戯

7インチ『暴動クラブのテーマ』(2023年)でインディーズ・デビューし、その華やかな"持った"佇まいと、若者らしく世や時代に歯向かい、退屈と不甲斐なさとを燃料にロックンロールを爆発させる暴動クラブ。今年の"フジロック"では、釘屋 玄がROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAのフィーチャリングVoとして、堂々たるパフォーマンスをしたが、その余韻の中で発表されたのが今作でのメジャー・デビューだ。ジャズのスタンダードのタイトルを模したような、「ドライヴ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」に始まり、物語が始まるエネルギーがビートとなって加速し、カラフルなギターがロマンチックなダンスを躍らせる。キャッチーなクリシェも織り込み、今という時を何度も輝かせるアルバムだ。(吉羽 さおり)

VOODOO SEE,VOODOO DO

暴動クラブ

VOODOO SEE,VOODOO DO

ヴィジュアルからサウンド、アティテュードまで全てにおいてエネルギーに満ち溢れる令和のロックンロール・バンド 暴動クラブが、日本を代表するロック、ポップスのカバーEPをリリース。THE ROLLING STONESのカメラマンとしても知られる有賀幹夫によるジャケットからは、往年のレジェンド・バンドへのリスペクトを感じつつ、俺等を見ろと言わんばかりのまっすぐな意志を感じる。泉谷しげるとちわきまゆみがコーラスで参加した「つ・き・あ・い・た・い」、ロック・アレンジを施した「上を向いて歩こう」等、原曲の良さを活かしながらも、暴動クラブのパッションが最大限に詰め込まれた珠玉の全5曲。時代を超えて愛される名曲と共に、彼等が鳴らす今を聴いてほしい。(山本 剛久之)

撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady

暴動クラブ

撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady

平均年齢21歳と思えないグラマラスなパフォーマンスや類稀なセンスで見る者のハートを射抜いてきた暴動クラブ。このたび発表したEPには、初恋の甘酸っぱさを思い出すようなリリックと、釘屋 玄の張り裂けんばかりの歌声が胸を締め付ける「撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady」、不良少女の苦悩や満たされない日常を描いた「あばずれセブンティーン」(浜田省吾カバー)等全4曲が収録された。ダウンロード/ストリーミング配信が一切なく、CDでのみリリースするという挑戦や、懐かしさを感じさせる純粋なロックンロール・サウンドでリスナーの心を鷲掴みにし、現代のロック・スターとしてその道を突き進む彼等。今後の活躍からも目が離せない。(西平 歩由)

暴動クラブ

暴動クラブ

暴動クラブ

デジタル主流の現代音楽シーンに、ロックンロールで宣戦布告! 平均年齢20歳の若きロックンロール・バンドがぶっ放つ、渾身の1stアルバム。MR.PAN(THE NEATBEATS/Gt/Vo)をプロデューサーに迎え、オール・アナログ機材によるスタジオでモノラル・レコーディングされたこだわりの今作。熱量を直に感じるざらざらした音質で鳴らされる「とめられない」から、ノンストップで走り抜ける全11曲は激アツで痛快! BO DIDDLEY「Road Runner」やTHE ROOSTERS「C.M.C.」のカバーが収録されているように、ロックンロールの魂を継承しつつ、高い演奏スキルとむき出しの感情で"圧倒的な現在"を鳴らす彼らの音楽。"こんなバンドを待っていた!"と歓喜する人も多いはず。若い世代も必聴!(フジジュン)

Noah's Ark

ぼくのりりっくのぼうよみ

Noah's Ark

待望の2ndフル・アルバムのテーマは"救い"。聖書のエピソードになぞらえたストーリーが綴られ、"1枚の大きな絵を描くつもりで制作した"という言葉のとおりアルバムのトータル性の美しさはお見事だ。1stよりも音楽的な幅も広がり、カラフル且つさらにジャンルレスに。抽象性の高かった歌詞もテーマゆえか彼にしては明確なものが多く、言葉を立たせたヴォーカリゼーションによってさらにそれが際立っている。音と言葉が自由にたゆたうような歌声はメロディの真髄へと潜っていくようで、Track.8のユーモアとニヒルが融合したアプローチも効果的だ。彼のアーティストとしての手腕が発揮された渾身の1作。曲の持つ瑞々しさと豊かさ、冷やかさや感傷性は、涙の海に溺れるような感覚で切なくも心地いい。(沖 さやこ)

GARAKUTA

ぼっちぼろまる

GARAKUTA

"ひとりぼっちロックバンド"として活動をするSSW、ぼっちぼろまるの1stアルバム。昨年12月に投稿され、約1ヶ月半で10万再生を突破したアップテンポな未練ソング「嘘つき犬が吠える」をリード曲に、哀愁漂うスタイリッシュな音像に失恋の孤独を綴った「ひとりぽつり」、進歩のない逡巡だけで終わってしまう1日を温かみのあるメロウなヒップホップで表現した「1day」、おもちゃ箱のような賑やかなサウンドが取るに足らない人生を祝福する「ガラクタ讃頌」など、次々に表情を変える楽曲群は聴き手の感情を揺さぶる。一見、黒歴史に見える思い出や感情こそ今の自分を形作る。そう教えてくれる全7曲は愛すべきダメ人間へ、ぼっちぼろまるが捧げる人生讃歌だ。(秦 理絵)

Sweetie Sweetie

ボンジュール鈴木

Sweetie Sweetie

自身で作詞、作曲、編曲を手掛け、心の内に広がる、秘密のファンタジックな異郷を繊細なサウンドで生み出しているボンジュール鈴木。3作目となるこのEPでは初めて4人のトラックメイカーとのタッグを組み、新たなアプローチやキャッチーさを加えることで、彼女自身が描く濃密な世界への橋渡しができる作品となった。普段クラシックや、幼心に刻まれてきた欧州文化や、教会音楽的な要素が色濃くその曲に反映していたが、今回は作曲段階からJ-POP的な構成やコード進行等を意識。またそのことで、ボンジュール鈴木の個性とも言える、ウィスパー・ヴォイスでの儚くアンニュイな陰影のある歌や、詩的表現、愛らしさと毒っぽさとが引き立ったようにも思う。エアリーであるけれど、どこか危険な香りも纏ったポップスだ。(吉羽 さおり)

SEASON

ボールズ(ex.ミラーマン)

SEASON

バンド名をミラーマンから改め、メジャー・デビューから1年が経ったボールズの2ndアルバム。"初恋""死別""将来への不安"など、誰しもが青年時代に経験するテーマを歌った楽曲たちは、普遍的でありながらも一瞬の輝きを切り取ったような切なさを感じさせる。山本剛義(Vo/Gt)の微妙にかすれたような歌声とストリングス・アレンジの組み合わせがこみ上げる気持ちを煽る「STEP」を始め「ファンタジア」、「魔法」など、清涼飲料水のCMになりそうな甘酸っぱさを携えたメロディはまさに極上のポップス。ミュートされたカリカリなギター・リフは今の音楽シーンで活躍するギター・ポップ・バンドを象徴している音色だ。(岡本 貴之)

スポットライト

ボールズ(ex.ミラーマン)

スポットライト

昨年秋にインディーズでリリースしたミニ・アルバム『ニューシネマ』が、TOWER RECORDS渋谷店の年間ベストに選出され、自主企画イベントも好調のミラーマン改めボールズが遂にデビュー・アルバムをリリース。日本の70年代のロック/ポップスの芳醇なまろやかさを持ったメロディ・ラインと、光景が浮かび上がってくる歌心で懐かしさを呼び起こし、また軽やかなサウンドは風のように肌をなでる。ブルージィなギター・ソロや、BUILT TO SPILLなどを思わせる空気感たっぷりのギターの音色もアクセント。想像の世界や深い物思いの時間に、じんわりと浸らせてくれるような時間を生みだす、そんなスイッチになる音楽。関西発のこの5人組、20代前半というとても若いバンドだけれども、聴かせるツボを心得たウマさがある。(吉羽 さおり)

ポタリの3

ポタリ

ポタリの3

ポタリの約1年ぶりのアルバムは、鈴木奈津美(Vo)いわく"いつだって進化し続けていたい! と思えるような作品"。爽快でキャッチーなサビが心地よいリード曲「途切れた呼吸」は、そんなアルバムを象徴するように、聴き手をポジティヴな気持ちにさせてくれる1曲だ。続く「bestie」のように、同性の共感を呼びそうなストレートな歌詞と明るいメロディで見せるガールズ・バンドらしい魅力もあれば、「限りなく赤」や最新シングル「MONSTER」の"Album ver."のようにロック・バンドとしてのカッコ良さを存分に見せつける一面も。個人的にオススメしたいのは、ポタリ流ダンス・ロック・ナンバーの「それでも」。和メロで踊れるこの曲はライヴ映えすること間違いなし。(宮﨑 大樹)

MONSTER

ポタリ

MONSTER

ガールズ・バンドとしてではなく、ロック・バンドとしての理想を追求した渾身の2ndアルバム『ポタリの2』をリリースして以降、文字どおり全国のライヴハウスを駆け回っていたポタリから、バンドの次の一手を示すニュー・シングル『MONSTER』が届いた。彼女たちのシングルには珍しく、ダークでソリッドな表題曲は、自分の心の中にいるモンスターとの葛藤をリアリティ溢れる筆致で綴っている。"あたしは何にでもなれる 可能性のモンスター"という泥臭いフレーズが、このバンドによく似合う。カップリングの「チクタク」は、一転して、鈴木奈津美(Vo)の澄んだ歌声がよく映える、センチメンタルなメロディが印象的なポップ・ナンバー。どちらも今までありそうでなかったポタリの意欲作だ。(秦 理絵)

ポタリの2

ポタリ

ポタリの2

ポタリがロック・バンドとしてのかっこ良さを追求した2年ぶりのフル・アルバム。先行シングル「君とアワー」や「ナイショ ナイショ」に代表されるように、恋する女の子の心情をまっすぐに綴るキュートでポップな持ち味はそのままに、骨太でエッジの効いた「scratch」や「AGFG」といった楽曲にライヴ・バンドとして急成長中のバンドの今を刻む。メンバー全員が曲作りに参加して、4つの個性をマッシュアップするような制作方法でありながら、すべて"ポタリ"の歌として成立するのは、くっきりとメロディの輪郭を描く鈴木奈津美(Vo)のクリーンな歌の力が大きい。体当たりで未来へと向かうラスト・ソング「走る」のポジティヴなエネルギーは、まるでポタリそのものを表すようで清々しかった。(秦 理絵)

夏の言い訳

ポタリ

夏の言い訳

ここ1年は5ヶ月に1枚のハイペースでシングル・リリースを重ねている愛知・豊橋発の4人組ガールズ・バンド、ポタリ。前作シングルでは春らしさを全開にした『ハルノカゼ』で新たな季節の訪れを表現した彼女たちが、初めての夏ソングに挑戦した。表題曲の「夏の言い訳」は中西詠美(Gt)が奏でる伸びやかなギターから幕を開けると、そこに広がるのはセンチメンタルな夏の終わりの景色。蝉の声、溶けかけのアイス、鮮やかな花火......そんな賑やかな夏の思い出を辿りながら、その終わりに誰もが感じる寂しさが丁寧に綴られている。一方、カップリングの「Summer Magic」は夏真っ盛りの"浮かれた恋心"を弾けるようなポップ・サウンドに乗せたハイテンションな1曲。夏の両極を描いた1枚にふたつのポタリが詰まっている。(秦 理絵)

ハルノカゼ

ポタリ

ハルノカゼ

前作『ナイショ ナイショ』から5ヶ月ぶりにリリースされるポタリのニュー・シングルは、誰もが新たなことにトライしたくなる始まりの季節=春にぴったりの爽快なロック・ナンバー。疾走感溢れる8ビートに乗るリード曲は、少しずつ膨らんでゆく桜の蕾と重ね合わせるように大切に愛を育んでいくラヴ・ソング。だが最後に"花は咲く"という結末を描き切らないところにポタリらしい余白がある。カップリングには、軽快なポップ・ロックに乗せて"今 明日へ向かって飛んで行け!"というストレートなサビのフレーズが耳に飛び込んでくるエール・ソングを収録。2曲共にあえて奇をてらわないシンプルなアレンジに徹することで、鈴木奈津美(Vo)のピュアな歌声とメロディの良さが際立っている。(秦 理絵)

ナイショ ナイショ

ポタリ

ナイショ ナイショ

一途でキュートな女の子の気持ちをポップでキャッチーな歌にする、愛知発の4人組ガールズ・バンド"ポタリ"が全曲一発録りで完成させたニュー・シングル『ナイショ ナイショ』。鈴木奈津美(Vo)が中心に手掛ける歌詞には、学生のころに誰もが体験したことのあるような"あるある"な恋愛シチュエーションが描かれていて、まるで女の子の心の声を聞いているような飾らない言葉遣いにも親近感が湧く。カップリングには、バンドにとっては久しぶりに恋愛をテーマにしたバラード曲「あいまい」のほか、オルタナティヴなバンド・アンサンブルを取り入れた「Escape」と「SOS」も収録。普段は表に出すことができない自分の弱い部分にもアプローチすることで、より人間味溢れる1枚に仕上がった。(秦 理絵)

君とアワー

ポタリ

君とアワー

"時計台の下はラッシュアワー"と、鈴木奈津美(Vo)が歌うフレーズを一度聴いたら耳から離れないポタリのニュー・シングル『君とアワー』。歌詞を書くときに思い描いたのは、地元・名古屋駅の時計台だったという。駅前の喧騒の中で離れ離れになった"君"に喩えて歌うのは、自分にとって大切なものを決して手離さないでというメッセージ。一見、ラヴ・ソングにもとれるが、そこには明確な意思が込められている。一方、Track.3「tell me」では、"好きなんだ 君のこと全部"と悶々としてみたり、Track.4「レディーGo!Go!」では"ドラマティックが欲しい!"と、ド直球に気持ちをぶつけたり、コロコロと表情を変える全4曲。ぜひ名古屋のおてんば娘たちに気持ちを惑わされてみてほしい。(秦 理絵)

DOKI

ポップしなないで

DOKI

キャッチーなメロディと歌詞で聴き手の心を掴んで離さないポップしなないで。現行ポップスを高く再現したメジャー2ndフル・アルバム『DOKI』もまた中毒性が全開だ。疾走するリード曲「魔王様」の冒頭から一気に別世界へと惹き込まれ、TVアニメ"ニンジャラ"タイアップ曲「白昼きみとドロン」ではメロディの変化が放つ多彩な色合いに心躍らされる。言葉遊びが光る「Virtual Daydreamer」やダンサブルで癖になる「春よ続け」、物語の終盤を迎えるバラード「落chill」など自由自在に姿を変えるポップスが詰め込まれた本作。鬱屈する社会、退屈な現実世界から軽やかに逃避する11曲は、ピアノの繊細且つ大胆な旋律に乗って、今日を必死に生きる現代人との架け橋を結ぶ。ドキドキの止まらない、まるで白昼夢を見ているかのような40分間だ。(山本 剛久之)

逆鱗

ポルカドットスティングレイ

逆鱗

ポルカドットスティングレイの約3年ぶりのフル・アルバム『逆鱗』。歌詞やサウンドにちりばめられた"ポケモン"要素が愛好家たちに"効果はばつぐん!"な、プロジェクト"Pokémon Music Collective"の「ゴーストダイブ」とTVアニメ"ポケットモンスター"エンディング・テーマ「ねてもさめても」をはじめ、雫(Vo/Gt)の"教祖感"溢れる「魔物」、少女性を見せる「あのね、」等、恒例の多様なタイアップ曲は各作品の世界観とバンドのアイデンティティとを融合させるクリエイティヴィティが光る仕上がり。"見てろ、こっちの番だ。"とのキャッチコピーに相応しい、新フェーズのポルカを体感できるアルバムだ。(矢島 康汰)

一大事

ポルカドットスティングレイ

一大事

ポルカドットスティングレイの新作はその名のとおりの"一大事"な作品となった。少女の切なげな気持ちを雫(Vo/Gt)の感性で捉えて形作った「少女のつづき」で感傷的な情景を描いたかと思えば、「パンドラボックス」では殴り掛かるようなギター・リフと叩きつけるようなドラム・プレイをガツンとぶつけてくる。アグレッシヴなイントロに雫の歌声が入ることでポルカの音に昇華していく様にも驚嘆。一方では表題曲「ICHIDAIJI」のように、独特且つキャッチーなメロディで、これぞポルカという代名詞的な曲も収録されている。ゲーム・クリエイターとしても活躍していた雫の遊び心たっぷりな曲展開はサプライズ感満載だ。聴いたあとに"なんたる一大事!"と思わずにはいられない1枚。(宮﨑 大樹)

全知全能

ポルカドットスティングレイ

全知全能

ポルカドットスティングレイのメジャー・デビュー・アルバムのタイトルは大胆不敵にも"全知全能"ときた。この振り切れ具合、内容に自信がなかったら絶対できないはず。今作は「テレキャスター・ストライプ」、「エレクトリック・パブリック」を始め、これまでMVが制作されてきた曲の再録とライヴで披露されている曲、書き下ろし新曲の全14曲が収録されており、いずれもが耳に残るキャッチーなものに。これまでの曲にあったヴォーカルやギターの引っ掛かりを抑えた爽やかなポップス「ショートショート」を含め、コラボ曲が4曲もある独占市場的な1枚だ。"全知全能"とはアートワーク、MVのシナリオ、ライヴの演出など、異様なほどの創作意欲ですべてを司る雫(Vo/Gt)自身を指しているのかも。(岡本 貴之)

大正義

ポルカドットスティングレイ

大正義

昨年来、メディアを賑わしている話題のバンドが前作『骨抜きE.P.』に続いてリリースする1stミニ・アルバム。各プレイヤーの演奏力も高く、2015年に活動を開始したとは思えない絶妙なアンサンブルと瑞々しいビートによるキャッチーな楽曲が詰まっている。特にギターのエジマハルシは昨今の若手ギタリストには珍しく自己主張の強い弾きまくり方でじつに爽快。しかしなんといってもヴォーカル・ギター 雫の作る楽曲、声が彼らの魅力を決定づけている。すでに150万回以上再生されているリード・トラック「エレクトリック・パブリック」のMVを見てもわかるように、自らを確信的にバンドのアイコンとするプロデュース力には脱帽するしかない。ゲスト・ベーシストとして、ヒロミ・ヒロヒロ(tricot)、イガラシ(ヒトリエ)が参加しているのも聴きどころ。(岡本 貴之)

骨抜き E.P.

ポルカドットスティングレイ

骨抜き E.P.

Track.4「テレキャスター・ストライプ」のMVは150万再生を突破、初ワンマンのチケットは即日ソールド・アウトと、注目度急上昇中のタイミングで初の全国流通盤をドロップ。紅一点の雫(Vo/Gt)のハスキー・ヴォイス、歌謡曲的メロディ・ライン、空白の美を意識して奏でられる4ピース・サウンド、絶妙なラインで聴き手の予想を裏切る曲展開――という自らの武器を提示する全4曲。鮮やかすぎるほどに聴き手の心を掴んでは翻弄していくスタイルにはこのバンドのセルフ・ブランディング力の高さが読み取れるが、同時に、秘めたる表情がまだあるのでは? と思った。確信でもって手繰り寄せるこのバンドの未来に、私たちはどのように魅せられていくのか。ドキドキが止まらない。(蜂須賀 ちなみ)

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ぽわん

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女性2人+女装家ドラマーから成るガールズ?3ピース・バンド、ぽわんの新作EP。特徴的なのは少女マンガからそのまま飛び出してきたみたいにキュートなヨシヤマモエ(Vo/Gt)の歌声。破壊衝動もチクリとした皮肉も人知れずこらえた涙も、少しの隙を残した状態で砂糖でコーティングしてみせるのだ。あざとい。しかしそのあざとさこそ女子の武器だったりする。"ガールズ・バンド界の異端児"と呼ばれ突飛なパフォーマンスが話題になりがちな彼女たちだが、表現の根底にあるのは"自分を大切にしてあげたい"という素直な気持ち。そんな等身大の欲求は、パステルカラーの部屋着を着るのに抵抗がある女子の心にも、少女マンガの読み方がわからない男子の心にも届くほど普遍的なものであるはず。(蜂須賀 ちなみ)