the paddles柄須賀皇司の"おかんの口から生まれました" 第5回
2025年09月号掲載
皆様おっはー!こっちは今は朝です。そちらは何時ですか?朝の人は1日ファイト!昼の人は昼ごはんは意外と量食べても大丈夫!夜の人はお風呂に入ってください!ということでこのあとの内容とはなんら関係のない書き出しを乗り越えて、今日は僕の脳内をチラ見せするようなコラムにいたします。テーマは「音楽から考える恋」です。テーマはでっかくいろんな角度から切り込んでみようかと思います。うぴ。うぴぴ。
■恋って?
恋ってなんでしょう。僕の高校時代の恩師・K先生は現代文の授業中「このドキドキした感情に名前を付けた瞬間から、『恋』が始まるんだよ〜〜〜」と教えてくれて、教室にいた思春期マックスの僕ら全員が窓の向こうの校庭を眺める時間があったんですね。思い出すだけで赤面しますが、僕は先生のこの言葉が刺さって抜けず、the paddles"裸足の季節"でも《この気持ちを歌に残して/名前を付けた瞬間に/恋になるってさ、国語の先生が言ってたな》と歌詞にしました。きっと言葉にならない気持ちを打ち明ける(それは誰かに話すことはもちろん、自分の中で認める)ところから「恋」は始まると思うのです。これは僕の大好きな宇多田ヒカルさんの"言葉にならない気持ち"の中でも《いろいろある毎日の中でも/こんな気持ちははじめてなの》と歌われるし、自覚症状が出た段階で「恋」が存在し始めるよね。
■恋に対する音楽が持つ機能
人間誰しも素直になれないことはあるし、言葉にしてはいけないような禁忌的な感情を抱くこともあるでしょう。そんなときのために歌があるなと思います。僕らみたいな曲を書く人間はその言えない気持ちを歌に残すし、書かない人は聴くことで噛み締めるし。全員が全員語ることが得意で素直な人だらけだったら、歌なんて存在しなかっただろうなと最近ライブをしててよく思います。それに背中を押されて実際に気持ちを伝えたり、言えずにしまいこんだって、立派な恋です。
あと、飲み屋で友達と恋愛トークを繰り広げているときに、往々にして納得できないことがあります。なんか話し言葉で全部を詳らかに語られると、風情がなくて核心を突かれすぎているというか。そんな友達とむっすり顔でバイバイをして、イヤホンを装着した帰り道に聴く曲が全てを解決してくれたりします。最近だったらDREAMS COME TRUEさんの"めまい"かな。《いろんなことを ぶぁっと思い出した》という歌詞があって、この「いろんなーーーー」とロングトーンで伸ばすこと12拍。吉田美和さんの少しハスキーで切ない声が聴こえる間、言葉にされてもわからなかったいろんなことが僕の中に湧いてきて、全部納得できた気がしたんですよね。はっきりと言葉にされてもわからないことも、歌や音楽が持つある種「余白」的な部分にこそ本当の気持ちが隠れていて、それを掘り起こすというか、照らしてくれるのもまた音楽の機能だなと思います。
と、今回は恋と音楽について考えました。いつもより羅列的な文章になっちゃったけど、このまとまらなさもまた恋だし、恋と歌を考える旅はまだまだ続くんだなとそんな予感。うれぴ。
そして次回。なんと航大と剣人を引っ張り出して夢のパドルズ座談会回をこのコラムでやらせていただきます。まだふたりには言ってないけど。航大のあんなことや剣人のこんなことを訊いちゃおうと思うので、質問がある方は僕のインスタグラム(@oooooohji)のDMにでも叩き送りつけてください!感想もぜひに。ばい&びー⭐︎
the paddles
2014年に高校の軽音楽部内で前身バンドを結成、2017年にthe paddlesとして活動開始した大阪 寝屋川発のバンド。2019年、初の全国流通盤となる1stミニ・アルバム『EVERGREEN』、2024年12月に2nd EP『オールタイムラブユー E.P.』を発表。2025年2月に渡邊剣人(Dr)加入を発表。7月4日にデジタル・シングル「夏の幻」リリース。10月から5大都市を巡る初ワンマン・ツアーを開催する。
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