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INTERVIEW

Japanese

コレサワ

2023年04月号掲載

コレサワ

Interviewer:稲垣 遥

"コレちゃんもそう思うんだったら私も大丈夫"って感じてもらえるなら――悩んでることも出してみていいかなって思えるようになった


-一緒に歌に参加してるみたいになりましたね。

そうですね。あの2回ニャーニャー言う、ニャーふたつとも微妙に違うんですよ。同じニャーにするとちょっと機械っぽいというか、貼っつけた感が出るってエンジニアさんがおっしゃって、ちょっと違うのにしてくださって。そしたら、めっちゃいい感じで歌ってるみたいになって、いっぱいニャー録って良かったなって思いました。

-実際の鳴き声以外にもギターとかいろんな音で、鳴き声っぽいというか。

あぁ、そうです。猫のかわいらしい感じを表現してみたってギターが言ってたんで。

-イントロがすごく楽しい感じで、それで行くのかなって思ったら、歌が始まるとピアノでしっとりみたいな始まり方は意外でした。

私も意外で、最初は別のAメロを考えて作ってたんですけど、あんまり"これだ!"みたいな感覚がなくて。この曲はピアノで作ってたので、違う方向にして作ってみたら意外といいかもってなって。

-そうですね。そうすることで深い愛情を表現できているというか、猫ちゃんがかわいくて奔放なだけじゃないようなところが出たなって思います。

おちゃらけソングで行くか、ガチでポップスにするかをすごく悩んで、おちゃらけやめよう、この曲はイントロだけはおちゃらけようと思って。ライヴで、みんなでにゃんにゃん言いたいです。

-歌詞は人目線と猫目線で交互に歌うような感じで。猫からしても、人の声が"にゃー"って聞こえてるっていう。

わかっているのかな? って思うときがあるんです。私もこの言葉わかんないから、きっと猫もうちらのこと何話してるかわかんないだろうなって思ったので、そういう表現にしました。

-お互い何言ってるかわかんないのに一生懸命話し掛けてること自体が、愛情でしかないなって聴いてて改めて気づきました。

たしかに。そうですよね。ニャーニャー言ってくれてるだけ感謝しようって今思いました(笑)。何言ってるかわからないけど、伝えようとしてくれてありがとうって思ったんで、帰ったらちゃんとおやつあげます。

-(笑)でも人間はやっぱり自分に都合よく解釈してて、猫側は"おやつくれ"って言ってるだけみたいなところがお茶目だなって。

嬉しいです。本当におやつのときは鳴くんですよね。朝と夜。やっぱ食なんだなぁって(笑)。

-あと今作の最後の曲は「♡人生♡」っていう曲で、これはタイトルから大きく出ましたねっていう(笑)。

あはは(笑)、でもこれは"人生"って読むんじゃなくて、一応こう(※手で胸にハートマークを作ってかわいく)"♡人生♡"ってテンション感でお願いしたいです。

-(笑)この曲はどんなところから? メッセージ的にはずっと歌ってきたことだと思うんですけど。

今回のツアーの裏テーマは、5周年イヤーだからなるべくたくさんのところを回ろうっていうもので。このアルバムも、もともとは5周年を記念した感謝を伝えるものを作りたいと思ってたんですけど、ありがとうだけじゃなくて、どうにか自分らしく感謝を伝えられるようなものにしたいなって思ってたんです。最後に入れる曲はラヴ・ソングでもあり、人生観というか、応援ソングというか、みんなが自分の好きなことを好きなようにできるような世界になったらいいなってメッセージを込めたくて作りました。

-ありがとうだけじゃなく自分らしく、というと?

なんか、ありがとうだけだったらコレサワがやらなくていいかなみたいな。でも感謝は伝えたいし、コレンズにありがとうって気持ちとか、これからも一緒に歩いていこうねという気持ちは伝えたかったから、自分が楽しく歌えて、メッセージを届けられるような曲になったかなと思います。

-本当にラヴ・ソングにも応援歌にも聞こえた曲でした。でもサウンドとしてはコードとかもマイナーとメジャーを行ったり来たりするような、ちょっと大人な進行ですよね。

コロナ禍の間で私K-POPにすごくハマってて、K-POPの文化がすごくファンを大事にしたりしてるので感動したというか、こんなに"愛してるよ"とか"大好きだよ"ってファンに向けて、照れもせずに言えるのがかっこいいな、見習わなきゃって。私、感謝を全然伝えきれてないなって思ったんです。で、サウンドがかっこいいし、あと韓国語は濁音が多いっていうか、ガギグゲゴとかジャジジュジェジョとか、引っ掛かる言葉がすごくかっこ良くて、それとメロディのバランスが聴いてて心地いいなって感じて。だから、それを好きになってから例えば韻を踏んでみたり語尾を揃えてみたり、歌詞の意味よりは、言葉の語感を楽しんで曲を作ることも多くなって、この曲はたぶんAメロとかはそんなタイプで、サビとかはみんなでこうやって(※手を振って)ハートフルに歌えたらいいなって気持ちで作りました。

-裏打ちのリズムとかベースが効いた感じとか。

ベースかっこいいですよね。

-今までだったら、こういうメッセージ・ソングは最後に盛り上がるロックなテイストとか、ポップにはじける感じの曲だったと思うんですけど、こういうサウンドになったんだなって新しく感じましたね。

たしかに。早くバンドでライヴやるときに、この曲やりたいなって私もすごく楽しみです。

-この自分を持って生きていこうっていうのは、コレサワさんがずっと歌い続けてきていることのひとつだと思いますけど、こんなにストレートに表現した曲は今までなかった気もしました。

たしかに。悲しすぎる曲とかつらすぎる曲とかマイナスな曲を聴くのあんまり好きじゃないんですよ。だけど、愚痴ぐらいなら許されるって思ってて(笑)。サビとかはハッピーだけど、Aメロとかはそんな感じになってますね。私、こういうことで悩んでるんだとかあんまり人に思われたくなくて。だから、なるべくTwitterとかも楽しいことを投稿してて、見てる人が嫌な気持ちになったり心配したりしないようにしてるんですけど、歌だったら言ってもいっかって思えて今回は歌ってみました。

-自分のネガティヴなところを表に出さないっていうのはコレサワ像みたいなところを意識しているんですか? それともひとりの人間として?

たぶんひとりの人間のほうが出ちゃってると思ってて。だけど、コレサワ的には全然歌っていいなって気がついて、最近それを歌いたいと思えるようになったって感じですね。

-それはネガティヴな部分を受け入れたうえで発信したいと思えるようになったと。

友達とかに悩みごとを相談されたときに、"こういうことで悩んでるの自分だけじゃなかったんだ"、"みんなもそれで悩んでたんだ"って思えることあるじゃないですか。そんなふうに、"コレちゃんもそう思うんだったら私も大丈夫"って感じてもらえるなら、出してみていいかなって考えました。