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INTERVIEW

Japanese

コレサワ

2023年04月号掲載

コレサワ

Interviewer:稲垣 遥

-そうしたなか、このたびミニ・アルバム『かわいくしながら待ってるね』がリリースされることになりました。テーマは"インディーズ感"というのがさっきも出ましたが、まさにリード曲「真っ赤な爪と牛乳」は、インディーズ時代にライヴで披露されていた曲だそうですね。今この作品に入れようと思ったきっかけは?

ずっと入れたかったんですよ。だけど、インディーズの頃にやってたから、ファンにとって"聴いたことのある曲"になっちゃうじゃないですか。それより新曲を入れたほうが嬉しいかなとか、今回のアルバムにこれは合わないなとかをやってたら、いつの間にかこんなに時間が経ってしまってて。もうほぼ存在を忘れかけてたんですけど、インディーズの頃はお気に入りでめちゃくちゃ歌ってたから、もったいないなと思ったんです。絶対これがリードってつもりで案を出したわけじゃなかったんですけど、新しいスタッフさんが何人かいて、私にとってはすごく見慣れたものだけど、コレサワを初めて聴く人にとっては、もしかしたらこの楽曲が新鮮に聴こえるかもしれないっていうのを聞いて、たしかにそうだなぁと感じて。初期の感じが出てるから、今回これをリードにしてみようかなって思いました。

-当時から変わったところはありますか?

歌詞に"あそこまでドライブしたかった"ってあるんですけど、本当はある店名が入ってたんです。だけどお店からお許しが出なくて。そこだけが悔やまれるところでした......。なので、そこだけ変えましたね。あとはアレンジもそのときのままなんです。でもライヴで全然やってなかったですね。この5年で、バンドで1回やったんじゃないかぐらいの。メジャーになってからは1回もしてなかったと思います。

-じゃあそれこそ新鮮に映る方も多いでしょうね。

そう思ってくれたらいいなぁって思いますし、ミュージック・ビデオを作るときにアニメーションが映えそうな曲だなぁとも思ってて、それも作ってるので、楽しみにしてもらえたらなと。

-先ほどリード曲にするつもりはもともとなかったと言ってましたけど、結果的にリード曲にもなり、アルバムのタイトルもそこから取った感じになってますね。

タイトルは悩んでたんですけど、7曲を並べたときに、全曲何かを待ってたり何かを期待してたりする共通点があるなと思って。で、常にかわいくいるっていうのは私の生きるうえでの大事にしてることでもあるので、それに通ずるようなもの、あと今回ツアー("コレサワ LIVE TOUR 2023 らぶ、出張ツアー")もたくさん回るので、ファンのことを待つとか、いろんな意味を込めてちょっとめんどくさそうなタイトルにしました。

-「真っ赤な爪と牛乳」は以前の曲ですが、"だけどどうしてかしら あたしは不幸じゃない"という一節は、当時のコレサワさんよりも今のコレサワさんのイメージに似合う感じがします。

あぁ、たしかに。開き直るのが得意だなって昔から思ってて。そこが出たというか。自分が不幸だって思うより、幸せだって思って生きたほうが楽しいじゃないですか。でも基本ネガティヴだからポジティヴに変換しようとしてるはずなので、根はネガティヴだと思うんですけど、私のいいポジティヴさが出てるかなと感じます。

-強がりじゃなく、きちんと自分を見つめて自信を持てているというか。歌詞はどんなところから出てきたか覚えていらっしゃいますか?

めっちゃ覚えてます。赤いマニキュアをずっと塗ってた時期で、その頃牛乳にハマってたので(笑)、そのときにできた曲でした。

-実体験そのままなんですね。

そうですね。いつもそうやって書いて膨らませてるので。それを聴く人も想像して、自分に置き換えたり、私のことを考えてくれたりして聴くと思うので、好きに詮索してください(笑)。

-相手に気持ちを押しつけるだけじゃない優しさが滲むなと思うんですけど――

(笑)優しさだと思ってくれたら嬉しいんですけど、それを優しさと捉えられず、めんどくさいと捉えられることもあるから......受け取る人の器で変わりますよね。

-(笑)でも"あたしは不幸じゃない"という一節があるから、めんどくささよりもかわいらしさや健気さが勝つ印象だったんですけどね。

たしかにこの子は健気だと思います。

-続く「最後の行ってきます」もそう思いますが、温かいサウンドだからこそ沁みる1曲になっていますね。

嫌なことや悲しいことは明るく歌ったらちょうどいいバランスになるなと思ってて、この曲も別れ話だけど、サウンドは川口(圭太)さんがアレンジしてくださって、バンドが入ってかわいい曲になったなって感じます。

-でもデビューした頃の「たばこ」(2017年リリースの配信シングル)とかは、悲しい曲を悲しいサウンドで歌っていたじゃないですか。

そうですね。あのときはまだそれに出会ってないです(笑)。だけど、切ない気持ちになるのはすごく好きで。しっとりした曲も切なくなるんですけど、悲しいことを明るい声で歌うのは強がりが入ってるから私的にはもっと切なくて、歌ってて楽しいので、ほんとに別れ話をしたあととかにカラオケで歌ってくれたらいいなって思います。

-爽やかに泣けそうです。今回のアルバムは、そのサウンドの感じがあるからかもしれないですが、気張らずにフラットに聴けるけど、油断すると泣いてしまうような曲が揃ったような印象でした。

ほんとですか、良かった。たしかに構成とかどの曲を入れるとかすごく練って作ったわけじゃないけど、自然と似たもの同士が集まった友達みたいなアルバムになりましたね。

-エッジィな部分は少なめかもしれないけど、そのぶん真心というか、温かさが感じられるアルバムだなと。

そうですね。歌詞的にも温かい曲が多いと思います。

-「最後の行ってきます」も不満は0ではないけど別れる理由はネガティヴに言わないし。

そうなんです。別れる理由を人から聞かれて、説明するのめんどくさいなってときあるじゃないですか。

-当人しかわからない部分もありますしね。

そうそう。それをテーマにして書いてて、私がこの曲で好きなところは、"あたしはどっかのお国のプリンセスだった"って歌詞があるんですけど、小さい頃それだったらいいなとずっと思ってて。ディズニーでもあるじゃないですか。ラプンツェル("塔の上のラプンツェル"のヒロイン)も自分がプリンセスって最初気づかないみたいな。うちもどっかのめっちゃ金持ちの国のお姫様で、いつかお城とかプレゼントされたらいいなというのはちっちゃい頃ずっと思ってて、みんなも考えたことあるんじゃないか、いつか歌いたいなって考えてたんですけど、ここだ! と思って。入れられて嬉しいです。

-相手への感謝もあって。でも後悔はないって心から言っているように感じられる曲で、すごく素敵な関係だなと。

うんうん、10代の頃は別れたら終わりだって思ってたし、別れるって負の出来事だと思ってたけど、大人になったら別れたほうがいい出会いもあるじゃないですか。そうやっていろんな恋愛をみんなしてると思うので、そういう経験をしてる人のBGMになったら嬉しいし、したことなくてもそういう切ない気持ちになってくれたらいいなぁと思いました。