Japanese
majiko
Interviewer:吉羽 さおり
今回のアルバムで、私なりのサウンドみたいなものがなんとなくわかった気がする
-また「時空小箱」は懐かしい琴線に触れる、心を旅する曲で。とてもいい曲で個人的にも好きな曲でした。
好きだと言ってくださる人が結構いらっしゃって嬉しいです。最初は入れる予定がなかったんですけど、好きですって声がたくさんあったので、じゃあ入れようかとなった曲だったんですよ。小学校の頃の自分を思い浮かべながら作った記憶がありますね。空自体がタイム・カプセルという、SF的な要素も孕んでいる気がします。
-昔の自分に手紙を書いている感じもありますね。子供の頃の自分が今の自分を見たらどう感じると思いますか。
どう思うんだろ......かっこいいって思ってくれたらいいなって思いますけどね。当時思い浮かべていた人間とはたぶんだいぶ違うというか、もっと大人になっているはずだった気がするんです。でもみんな"もっと大人になっていると思ってた"って言いますよね。きっとそうなんでしょうね。いつまでも大人にはならなくて、ずっと子供の自分を隠しながら大人のふりをしているだけっていう感じなんだろうなと思うから、そう考えると、今もみんなでドッヂボールとかしたら普通に楽しめるんだろうなって(笑)。
-子供の頃に好きだったものって、今でも好きだなとか、よく考えたら今も同じようなことをやっているなって感じることとか、大人になってもありますよね。子供の頃はうまく言い表せなかった感覚が、時が経って言葉だったり何かの形だったり、こうして音楽になったり。
そうなんですよね。気づかなかっただけで人ってそこまで変わらない気がするから。子供の頃の自分の感覚みたいなものもしっかり忘れずに持っておきたいなって思いますし、そんなことを書いた気がする。ひとつの年齢の区切りを前にして、今を大事にしなさいよって言われる側から言う側になったという自分の中の成長を、しっかり記しておきたいなって思ったんです。ずっと書きたいテーマだったので、書けて良かったなって。
-そして先ほど中華風の曲がありましたが、「いろはにほへと」は日本情緒をポップな音にした曲です。
和チルってあまり聴かないなって思って作ってみたのがこの曲で。もともとは他の方に提供予定だった曲だったんですけど、自分のものになりました。
-祭囃子のハレの感じを盛り込みながらも、このゆるりとした心地よさが出るっていうのはたしかにないですよね。
嬉しいです。お祭り大好きな女なので、太鼓とかお囃子とか、三味線も含めて入れられて良かったですね。プラグイン(DAW拡張機能)買って良かったって思って(笑)。作っていてもすっごく楽しかったんですよね。だからこの曲すごく好きで。
-アルバムを聴き進めるごとに新しいところに連れ立っていく感覚ですね。愛や救いというテーマを聴かせる、伝えるのでなく曲それぞれで様々な温度感、視点、シーンがあってリスナーがそこから何か引き合うものがあればという。静かでいて、引力のある空気感に満ちているなと。
音楽ってエフェクトだなって思っていて。そのとき、その人の目の前をどうするかみたいなものだと考えているので、どれかしらその曲の中でその人なりのエフェクトに出会えたらいいなって。
-今回は、自分の音楽はこうだって決めつけていない感じがこれまでよりありますね。音の方向性にしても、どういう曲を書くかにしても。
一時期majikoの音楽ってなんだろうって迷った時期はあったんです。歌はわかってる、でも曲はどうなんだろうって思っていたんですけど、相談する人たちが"やっていれば勝手についてくるものだから"って言ってくださって。そこからは気にせずに、自分がかっこいい、いいなと思う曲をしっかり作るようにしましたね。今回のアルバムで、私なりのサウンドみたいなものがなんとなくわかった気がして嬉しいです。
-それまでは、統一感をではないけれどひとつのトーンを作ったほうがいい、作らなきゃいけないかなというのがあったんですか。
そうです。だから、凝り固まっていたところもきっとあったのかなと思うんですけど、いい意味で凝り固まる部分は凝り固まって、自由な部分を広げた感じですかね。
-そうすると制作へのモチベーション、心境的なところも変化がありますか。
そうですね。そこは筋トレも含めて(笑)。筋トレをやっているとしっかりと頭のチューニングができるので、本当に助かってますね。
-本当に筋トレが大事な要素だったようですね(笑)。「ラブソング」でのギター・サウンドも印象的ですが、後半の「No More Robot」での"生"のバンド感、アンサンブルの迫力がありました。筋トレの話じゃないですが、グッと力強く心揺さぶるもの、胸に入ってくるものが必要なんだっていう飢餓感が伝わってきます。
打ち込みももちろんいいんですけど、人が演奏するものって魂や人生が入ってくると思って、むちゃくちゃ良くなるんだなっていうのは実感しましたね。
-ピアノやパーカッションはもちろんですが、ここでサックスという楽器をチョイスしたのは何かあるんですか。
お洒落な、レジェンドがやってそうな音像にしたかったんです。SADEとかそっち系の音像にしたくて。それでコンガとかも入れちゃいましたね。よりいっそう人間味溢れるものにしたかったので、そういうチョイスをしました。
-間奏やアウトロのパートも自由にセッションする生っぽさを封じ込めていて。ヴォーカルにもその自由さ、そのときのテンションを大事にしている感じがあります。
何もかも全部終わりにした、もうこれ以上ロボットにならないでというテーマなんですけど、人間味を詰め込んだ感じがありますね。それをラストの「アイアム」の前に置くというのが個人的に好きな順番でした。現実的で好きだなって思って。
-これ以上ロボットにならないでというのは自分に感じているところでもあるんですか。
ロボットになれるなら楽だろうなって思ったことはありますね。本当に何もかも全部終わりにしたいって思って、そのまま書いた感じがあります。でも、ロボットになるのは楽だけど血も汗も涙もないのってどうなんだろうな、欲がない人間ってつまらなそうだな、みんな同じ顔なのかなという感じで。この曲は、"何もかんも全部終わりにしたい"って言ってるけど、まだ"くさい言葉言ってよ"って言える自分が救いなんですよね。
-心から生まれたものだからこそラストの「アイアム」へと美しく繋がるものがあって、この曲では悲しいこと、つらいことを感じる気持ちも大事に友達のように描いている。手を取り合うようなヴォーカルがとても優しい曲ですね。
「アイアム」ももともと入れる予定はなかったんです。でもスタッフの方が絶対入れたいって言ってくださったので。この曲はすべてを擬人化した歌詞なんですけど、夜明けの曲ではあるんですよね。夜とはまた会うから、今はちょっとお別れみたいな。簡単に言えば、明日とか未来に向かった曲と言えばそうなんですけど。
-時に抱いてしまうネガティヴな思いや、暗い夜の時間も手放してないし、それでいいと思える。その感覚がリアルに響くなと。
うん。ひっくるめて一緒に行こうみたいな感じですね。今のマインドがそれなのかなっていうのが一番近いかもしれないです。これは終わりのほうに書いていて、最後にレコーディングをした曲で、最後までどうしよう、どうしようって思っていたものだったんですよ。誰が聴くんだろう、どういう聴き方をするんだろうとか考えたけど、周りがいいと言ってくれてるんだからいいんだろうなって思って入れました。
-今はなかなかアルバムを1枚通して聴いてもらうことが難しい時代かもしれないですけど、ちゃんとこの曲で終わる意味がある。作品としての心の変遷があって、最初にまずびっくりして──
最後に浄化されるみたいな(笑)。
-そうですね(笑)。きっと最初の曲でびっくりするけれど、どこかで自分が持っているものかもしれないしとか、いろんな心の断片を感じさせてくれるアルバムだなって思いますし、温かいアルバムだなと思います。
嬉しいです。愛を込めて作ったので、聴いてもらいたいなぁ。
-この作品で何か、自分が思うmajiko像として掴めてきたものはありますか。
なんとなくは掴めてきたと思います。でもアルバムができたけど、みんなの手元に届いてからが完成なので、そこからまた思うこともあるのかなって楽しみだったりしますね。
-それを確認できるひとつがライヴでもあると思いますが、この『愛編む』のライヴは、気持ち的にもジェットコースターになりそうで、楽しみでもありどうなるのか未知数でもありですね。
大変ですよ。どうしようって(笑)。12月18日に浅草花劇場でリリース・パーティー([majiko Presents "愛編む"Release Party ~強行突破編~])があるんですけど、このライヴには"強行突破"というサブタイトルがあるので、強行突破しちゃおうと思ってます。今回はキャパが小さいところなので、超レアなライヴになるなって。いろいろやりたいことはあるので、会場OKさえ出ればやろうかなっていう。ライヴでこの曲たちがどう化けるのかも楽しみですね。
RELEASE INFORMATION
アルバム
『愛編む』
NOW ON SALE
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【初回限定盤】(CD+Blu-ray (Live))
UICZ-9222/¥7,700(税込)
【初回限定盤】(CD+DVD (Live))
UICZ-9224/¥6,600(税込)
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【通常盤】(CD)
UICZ-4613/¥3,300(税込)
[CD] ※初回限定盤/通常盤共通
1. Princess
2. TENGIC
3. ジャンプ
4. 時空小箱
5. 交差点
6. いろはにほへと
7. UP-DOWN
8. ラブソング
9. FANTASY
10. 劫火のエトワール
11. 白い蝉
12. No More Robot
13. アイアム
[初回限定盤DVD&Blu-ray]
ライヴ映像「majiko one man Live 2022 "愛わかる" at The Garden Hall」
1. 狂おしいほど僕には美しい
2. エスカルゴ
3. 白い蝉
4. 劫火のエトワール
5. 勝手にしやがれ
6. 一応私も泣いた
7. ひび割れた世界
8. エミリーと15の約束
9. 世界一幸せなひとりぼっち
10. 交差点
11. ミミズ
12. FANTASY
13. ワンダーランド
14. パラノイア
15. グリム
16. 23:59
EN1. 心做し
EN2. 声
購入はこちら
配信はこちら
TOUR INFORMATION
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[majiko Presents "愛編む"Release Tour~愛縁奇縁 編~]
2023年
4月29日(土・祝)愛知 名古屋ボトムライン
5月7日(日)東京 日本橋三井ホール
5月21日(日)大阪 梅田CLUB QUATTRO
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