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INTERVIEW

Japanese

カモシタサラ(インナージャーニー)× 小山田壮平(AL/ex-andymori)

2022年09月号掲載

カモシタサラ(インナージャーニー)× 小山田壮平(AL/ex-andymori)

インナージャーニー:カモシタサラ(Gt/Vo)
AL/ex-andymori:小山田壮平(Vo/Gt)
インタビュアー:石角 友香 Photo by 濱谷 幸江


名前をお借りしてそこからアルバムのタイトルにもなり、バンドを進めるってうえで、真ん中に小山田さんの存在がずっとあることは間違いないですね(カモシタ)


-これは私が思ったんですけど、例えば人のことをこの曲だと"シンガー"っていうふうに例えるような歌詞の手法も、小山田さんの系譜という感じがすごくするんですよ。

小山田:たしかに"シンガー"っていう、すべての生きてる人のことを歌ってるのかなと思いました(笑)。本人がいる前でね、あれですけど。

-でもまさにそうなんじゃないかなと思ったりして。どうですか?

カモシタ:めっちゃ影響を受けてます。"シンガー"がいろいろな人にあてはめられるようにって。andymoriにも「シンガー」(『光』収録)って曲あるじゃないですか。あれはどういう?

小山田:音楽もそうだし歌もそうだし、なんとなくずっと好き勝手歌っていて。でも2011年に東日本大震災があって、自分の歌を聴いてくれる人たちが被災をしたりしていたんです。そのなかでまたいろんなことを考えてはいたんですけど、歌は自分が好きで歌ってて、自分のために歌っていたんだけど、それを待っていてくれる人のことをすごく考えたんですよね。そういう意味でももちろんミュージシャンのシンガーだけじゃなくて、何かを表現して生きているっていう意味ではすべての人がそうだと思うし。そこに誰かを想う気持ちがあったっていう。

-すごい。ここでもリンクしてますね。

小山田:「グッバイ来世でまた会おう」っていう曲はすごく大事な曲なんですよね。

カモシタ:そうですね。曲を作り始めたてのときに作ったんですけど、そっからずっとやり続けてて。バンドになったのもこの曲きっかけなんで、結構大切な曲です。

小山田:このはっきりと"来世でまた会おう"って約束をとりつけるというのはすごいなと思って(笑)。だからたぶんインナージャーニーにとっても大事な曲なんだなぁと。

カモシタ:作ったときはすごく死ぬことが怖くて、絶対生きてやるみたいな気持ちのときだったんですけど、それをバンドになってからもずっと歌い続けることで、徐々に肯定できてるっていうか、生きてる。まぁ死んでも大丈夫というか、大丈夫じゃないんですけど(笑)、前向きになれてはいるなと。

小山田:なんか猫は8回生まれ変わるとか言いますよね。ナイン・ライヴスって言って9回魂が繰り返して生きてるみたいな。言わないっけ? それは関係ない?

カモシタ:全然知らなかった(笑)。

-カモシタさんがずっと歌ってる間に怖くなくなってきたっていうのは、何か予感があったってことですかね? 怖くなくなるためにっていうか、自分の中でそのときはわからなかったけどなんか兆しがあったのか。

カモシタ:そうなんですかね。いつか死ぬんだろうなっていうのはあったし、それはずっとあるんですけど、その割合がコントロールできるようになった気はします。

-今回「少女」っていうすごくいい曲があって、珍しくマイナー・コードで。インナージャーニーがマイナー・コードを使うのは、よっぽどの理由があるときなんじゃないかなと思ったんですがいかがですか?

カモシタ:歌う内容は漠然とあったんですけど、もともと、とものしんに"マイナー・コードの曲ないよね"って言われて(笑)、じゃあ作るかと思ったんです。そこからその歌いたい内容とちょうど当てはまったんですよ。

-マイナー・コードであることで気温が低いとか、寒いみたいな感じがします。

カモシタ:あ! それはすごくいい。嬉しい。たぶん歌詞的にも最初マイナーで遠いところからやってきて、でも自分で道を切り拓いていくぞみたいな、希望のほうに向かっていく感じがあって。結局サビでメジャーになってるんですけど、そういうのが表せてたら、すごくいい......自分で言うのもアレですけど(笑)。

小山田:いいです(笑)。この"少女よ"と歌うときに思い浮かべる少女像って、例えば自分の小さいときなのか、どっか違う国の少女とか、どんな姿が浮びますか?

カモシタ:歌ってるときでいろいろ違うんです。最初に歌い始めたときは違う国の難民の少女だったんですけど、歌っていくうちに結構身近な女の子たちになったり、変わります。

小山田:変わりますね。

カモシタ:最近は、知ってる子たちが多いかもしれない。

小山田:うんうん。すごく素敵な曲だと思いました。

-この曲の終わり方もそうですが、カモシタさんの歌詞には絶対媚びた言葉がなくて、わりと突き放してる気がして、それが逆に"押忍!"って気持ちになれるというか。

カモシタ:そうですね。突き放しがちかもしれない。よく救われるとか言うじゃないですか、音楽に。その感じもすごくわかるんですけど、でも自分がそれをできるかっていったら、救おうと思って救うことが結構難しいなっていうか、自分はできない気がしてて。だから歌詞も突き放しちゃう感じかもしれないんですけど。

小山田:でも僕もそうかなと思って。寄り添うよりは自分を歌うことで、そういう自分を歌っている音楽、自分を表現しているものが好きです。それを聴いて救われるっていうことはすごく多いですけどね。

-最初のほうの歌詞の話に戻っていきますけど、カモシタさんは自分が怖かったり、悩んでたりしたから自分に作ったと。そういうところが共通してるのかなと思いました。

小山田:うん。落ち込んでる自分のために歌うとか。

-改めて、バンド名にするほど憧れのアーティストの方に自分の存在を知ってもらったり、音楽を聴いてもらえたり、交流ができてライヴに誘ってもらったり、こういうふうにお話をする機会があって。小山田さんの音楽が今の自分に与えてくれた影響を聞かせてもらえますか?

カモシタ:名前をお借りしてやっとバンド、インナージャーニーができたっていうのは小山田さんの影響が大きいので、そこからアルバムのタイトルにもなり、バンドを進めるってうえで、真ん中に小山田さんの存在がずっとあり続けながら進んでこれてるのは間違いないですね。

小山田:きっかけはそうかもしれないけど、全然自分とは離れているものだし、インナージャーニーはインナージャーニーの表現を持っているので、僕としてはもうただ、楽しみに音楽を聴いてるだけです(笑)。

カモシタ:いやいや、ありがとうございます。ここから徐々に自分たちの色も探しつつ、成長していけたらいいなぁっていうのは思っていますね。

インナージャーニー
LIVE INFORMATION

"インナージャーニー結成3周年ワンマン『インナージャーニーといっしょ vol.3 -内旅編-』"
10月1日(土)duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 17:00 / START 18:00
[チケット]
¥4,000(D代別)
一般販売中

EVENT INFORMATION

"カモシタサラ&本多秀(from インナージャーニー)アコースティックミニライブ&メンバー全員直筆サイン入りポストカードお渡し会"
9月8日(木)TOWER RECORDS名古屋パルコ店 19:00~
9月9日(金)TOWER RECORDS梅田NU茶屋町店 19:00~
9月18日(日)TOWER RECORDS新宿店 13:00~

小山田壮平
TOUR INFORMATION

"小山田壮平弾き語りツアー2022"
10月23日(日)金沢EIGHT HALL
11月2日(水)高松DIME
11月5日(土)大阪エル・シアター
11月9日(水)名古屋QLUB QUATTRO
11月12日(土)仙台 誰も知らない劇場
11月18日(金)福岡DRUM LOGOS
11月26日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
12月1日(木)LINE CUBE SHIBUYA
[チケット]
■一般発売:9月10日(土)~
オフィシャル・サイト ALサイト 小山田壮平ソロ作品はこちら