Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

nano.RIPE

2016年11月号掲載

nano.RIPE

Member:きみコ(Gt/Vo)

Interviewer:山口 智男

-それまで苦悩していたことに対して、ここでひとつの答えが出て、前に進んでいこうという思いが感じられますよね?

そうですね。「イタチ」で終わられたらちょっと後味が悪いアルバムになりますよね(笑)。

-その前に進んでいこうという思いも、ただ根拠がないまま、明るい未来が待っているのではなく、タイトルどおり終わりがあることを意識したうえで前進するところがいいですね。

アルバムの冒頭にインストがありますけど、2曲目の「ルミナリー」でビッグバン的な宇宙の誕生みたいな感じで星がひとつ誕生して、人がひとり生まれてっていうところから始まり、「終末のローグ」で終わるというのが、なんか人生っぽくていいなって思いました。

-さらに新しいことや大胆な挑戦を実践したアルバムを完成させて、今後、こんな曲を作りたい、nano.RIPEはこういう方向に進みたいという目標も新たに見えてきたんじゃないでしょうか?

今後はですね......年内でリズム隊が脱退するという話は伝わってますでしょうか?

-伝わってないです。あれ、そうなんですか!?(※取材日は9月27日)

nano.RIPEってこの4人が集まったものを呼ぶわけじゃないですか。でも、実際は4人それぞれの人生がある。あたしとササキジュンは1998年に出会っているので、人生の半分以上をnano.RIPEとして過ごしているんです。だからnano.RIPEがない人生はもはや考えられない。当たり前のようにやってきたし、これからもやっていくんですけど、アベノブユキ(Ba)と青山友樹(Dr)に関しては、ノブは加入して6年、友樹は4年ぐらいなんですけど、nano.RIPEに加入する以前に他のバンドも経験しているんです。ふたりはジュンとあたしがやりたいことに賛同してくれて、nano.RIPEとしてやっていたんですけど、ふたりにはもちろんベーシスト、ドラマーとしての人生とひとりの男性としての人生があるわけで。今回、このタイミングでひとりの男性として、ひとりのミュージシャンとして、nano.RIPE以外のところで挑戦したいと思ったというか、nano.RIPEは彼らが人生として上っていく階段の途中にある一段で、彼らは今、さらに上の段に上ろうとしているっていうのが一番的確な表現かな。卒業って感じです。在学中にたくさんのことを学んで、ジュンもあたしもふたりからたくさんのことを学んで、4人で作ったかけがえのないものがあって。でも、小中学校、高校と同じように卒業していく。ジュンとあたしはその学校を作ってしまったから辞められないという感じですね。ふたりが抜けて、いったんしんどくなるかもしれないけど、前向きに考えています。ふたりの脱退をきっかけに、新しいリズム隊と一緒にやってみたら、また何か新しいnano.RIPEの音ができあがるかもしれない。それはジュンとも話しているんですよ。もちろん、すぐに新メンバーを入れるわけではなく、サポートの方を入れて、"この人はnano.RIPEだ"と言える人に出会ったらまた4人組、3人組のnano.RIPEになるかもしれないですけど、しばらくはnano.RIPEの名前をジュンとあたしで背負っていこうと考えています。

-新たに変化する、いいきっかけにはできますよね。

そういう気持ちの方が強いですね。慣れ親しんだメンバーがバンドを辞めてしまうって、音的にも精神的にもつらいんですけど、みんな前向きなんです。辞めることが決まったからって、残りのライヴとか、最後のアルバムを作ることが惰性的になってはいない。だからこそ、一番いい作品を作ろうとノブも友樹も思っていたし、ジュンもあたしも今の4人で一番いいものを作ろうと思っていたので、10月22日から始まるツアーもそういうテンションで、すごくいいものになると思います。