Japanese
THEラブ人間
2016年02月号掲載
Member:金田 康平(歌手) ツネ・モリサワ(Key)
Interviewer:岡本 貴之
3年ぶり、そして6人編成になってから初となる3rdフル・アルバム『メケメケ』を完成させたTHEラブ人間。音楽専門クラウドファンディング"muevo(ミュエボ)"にて支援を募り制作されたこのアルバムは、冒頭の「コント」からラストの「花嫁の翼」まで、一貫してキラキラしたメロディとアレンジが並んでいる。ただし、そこから聴こえてくるのは決して能天気なパーティー・ソングではなく、悲しさや侘しさが胸に沁み込んでくる言葉たちだ。結成当初に抱いていた気持ちにこの2年でまた戻りつつあるという金田康平(歌手)とツネ・モリサワ(Key)のふたりに話を訊いた。
-3年ぶり、新体制になってから初めてのフル・アルバムですが、すごくキラキラしたアルバムですね。
金田:すごくキラキラしてますよね。
-今回はクラウドファンディングで支援を募って制作されていますが、そのあたりの経緯を教えてもらえますか?
金田:2015年の9月に『恋は全部まぼろし』というミニ・アルバムを出したんですけど、本当はあのタイミングでフル・アルバムを出すつもりだったんですよ。
ツネ:そこから、ミニ・アルバムを挟んでフル・アルバムに向かおうという話になったんですよね。
金田:曲はあったんだけど、俺が作ろうとしているイメージに到達していなかったんですよね。『メケメケ』はそこに到達した作品になっているんですけど、ちょっとメロウすぎたというか。準備期間ができたことで、「ハレルヤ」(Track.6)、「GOOD BYE CITY」(Track.3)、「こいのおわり」(Track.5)、「花嫁の翼」(Track.10)を作ったりリテイクしたりしたんですけど、そのタイミングでいろいろできるねっていうことでクラウドファンディングをやったんです。
ツネ:僕らは自主レーベルで、自分たちだけでやっているということもあって、例えば今回のアルバムでデュエットしてもらったり、トラックを作ってもらったりということもこれまで予算的にもできなかったんです。その方がプロモーションなども、より大きくできるしという意味で。今回、"muevo"というサイトでクラウドファンディングをやったんですけど、僕らが毎年やっている"下北沢にて"というイベントで学生時代にボランティア・スタッフをやっていた子が、去年の段階で"muevo"の立ち上げを手伝っていると話していて。
金田:すごいよね。去年の春にいきなりスーツを着てライヴハウスに挨拶に来たから、"どうしたの?"って訊いたら、会社を立ち上げると。
ツネ:それが大きかったよね。
金田:自分たちが信頼している子がやっている会社ということで怖くなかったんで。
ツネ:そいつがしつこいんですよ、"やりましょうやりましょう"って(笑)。でも最初は気が引けるじゃないですか? クラウドファンディングが流行っているからといっても。
金田:うん、すごく気が引けた。引き合いに出すのはみんな外国のことだもんね。いきなりベートーベンの話とかするし。
一同:(笑)
金田:"当時のクラシックの世界はこうやってお金持ちが投資して......"とか。"いや、知らんがな!"って(笑)。
ツネ:今2016年ですよ、と(笑)。
金田:でも、その子がやっているというのもあったし、俺たちが不安に思うこともいろいろ聞いてくれたし。
ツネ:ずっと言われてたんですけど、ファンに支援してもらうやり方ってどうなんだろうっていう疑問もあって。まず僕が説得されて。
金田:次に俺が説得されて(笑)。"やりましょうやりましょう"って。
ツネ:彼のそういう熱意がなかったらやっていなかったです。でも実際やってみたら楽しかったですね。
-メンバー6人それぞれの個性がリターンの内容に表れていましたね。
金田:でもメンバーに会えるリターンがひとつも出なかったという(笑)。
ツネ:(ツネのリターンの)パーティーができなかったんですよ。
金田:それが悔しかったんで、出なかったプランは勝手にやってます。
ツネ:("クラウドファンディングNGプラン映像集"として)今回のアルバムのヴィレバン特典になっていますので(笑)。
-そうしたプロジェクトのもとに完成した『メケメケ』はすごく厚みのあるポップなアルバムになっていますが、僕がTHEラブ人間を初めて聴いたのが2ndアルバム『SONGS』(2013年リリース)で......。
金田:逆に思えました? 真逆に聴こえるかもしれないですけど、でもそれが逆じゃないんですよ、実は。
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