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INTERVIEW

Japanese

SCOOBIE DO

2016年02月号掲載

SCOOBIE DO

Member:コヤマシュウ(Vo) マツキタイジロウ(Gt) ナガイケジョー(Ba) オカモト“MOBY”タクヤ(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-20年の活動の間、音楽を取り巻く環境は大きく変化していますが、そうした変遷についてはバンドとしてどのように受け止めていらっしゃいますか?

マツキ:やってることは全然変わっていないと思っていて。好きなことも変わってないですからね。もともと昔の、いわゆる60年代的な型にはまったジャンルでわかりやすく打ち出して行くバンドになろうとは思っていなかったので。目指してたところは日本語のR&B、しかもおっさん臭いものじゃなくて、もっとポップでロック好きな人が聴いてもノレる明快な日本語の音楽をやりたいなと思っていたんです。とにかく自分たちで鳴らして新鮮だなって思えること、そしてノれること、やってて気持ちいいことっていう、自分たちの感覚に従っていますね。だから世の中でどんなものが流行ってどんなものが落ちぶれてとかあるでしょうけど、それはそれで横目で見ながら、自分が"これがいいんだ"って信じられるものをやってるだけですね、毎回。

-例えば、スマホでヘッドフォンをして聴くことが多くなっていたり、リスナーの環境の変化への対応という意味ではどうでしょうか?

マツキ:そこはいつも考えますね。でも4人でやっているものだから、4人がそれがいいと思って進んだんだったら、聴き方とか環境とかはどうなってもいいと思っているんですよ。例えば、観てる人や聴いてる人が"クソだな"って思うものができてしまったとしても、それは4人が選んだ道だからしょうがないなって。それがかっこいいかなと思うんですよね。バンドがそうやって落ちぶれていっても面白いと思うし、でもこっちは必死でやってるんだけどっていう。でも4人の意思のぶつかり合いで、のたうち回って進んでいくのもロック・バンドらしいかなと思っていて。そういうのが面白いなと思えるようになってきたところはありますね。

-"人間じゃないぜバンドマン!"(「LIVE CHAMP」より)という?

マツキ:言ってみればそうかもしれないです(笑)。"絶対こうじゃなきゃダメだよ!"って、頑なになっていた時期もあったけど、今は"ああ、そう思うんだ? じゃあそっちに行ってみようかな"って思える自分がいますね。もちろん何を出しても"全然ダメですね"っていうリアクションだってないことはないと思うんですよ。でもそれはそれで、別に甘んじて受け入れればいいかなって。そうやって転がって行くのがバンドなのかなって思うし、この4人でやるとそうなっちゃうんだなっていうのはすごく思いますね。

-なるほど、そういう気持ちがバンドの軽やかな印象になっているのかもしれません。

ナガイケ:10年、"CHAMP RECORDS"でやってますからね(笑)。自然とこう、揺さぶられて寄り集まって固まってきたものがあると思うんですよね。4人だけでひとまず回しているというのが大きいかもしれないですね。スタッフがいたらスタッフを介して意見を反映してもらうということもあるのかもしれないですけど、どうしても決めごとは基本的には4人で顔を合わせて決めないといけないし。それで今年レーベル設立10年目ということで、去年野音でみんなを集めて大成功して、ひとまず落とし前がついたし。今回の作品も、すごく言葉とか歌詞の強さみたいなものにアレンジだとかサウンドが引っ張られて行ったのかなって。サウンドを60年代っぽくとか、出発地点にそういうものがあっても、リハのときに聴こえてくる言葉や頭に入ってくる言葉の雰囲気にバンドのサウンドが寄って行った結果なのかなっていう感覚はありますね。音圧でグワーっていくのではなくて、もうちょっと言葉とサウンドが近い感じというか、そんな気がしますね。

MOBY:正直な感じだよね。

ナガイケ:言葉がどれも、SCOOBIE DOのライヴで歌ってそうな言葉なんですよ。"スクービー言語"っていうか。SCOOBIE DOっていうバンドが言ってたら響く言葉が多いのかなと。それを全体で鳴らすとこういう1枚になった感じですね。

-2016年でレーベル設立10周年ということで、何か考えていることはありますか?

MOBY:何かやるとは思いますけど、まず上半期はアルバムのリリース・ツアーがあるので、今度は僕らの方からみなさんのところを訪ねて行きます。

-ツアーとは別に2月に下北沢SHELTERで行われる"Young Bloods vol.1"でnever young beachと、"Young Bloods vol.2"でSuchmosとそれぞれ対バン・ライヴが行われますが、これはすごく楽しみな組み合わせですね。

コヤマ:どちらも初対バンなんですけど、定期的に"Young Bloods"っていうタイトルで、SCOOBIE DO主催のイベントをやっていきたいなと思っているんです。僕らと、若くてイキのいいかっこいいバンドと一緒にやるイベントです。僕らの周りにいるイベンターさんが提案してくれたんですけど、"SCOOBIE DOはジャンル選ばずにどんなバンドとも対バンできるバンドだから絶対やった方がいいよ"って言われて。たしかにそれは俺らの強みだなと思って。歳が離れていると考えていることも違うかもしれないけど、音楽でコミュニケーションするというのは俺たちは得意だと思うんですよね。それで仲良くなれたことも今までいっぱいあったので、こういうイベントをやってみようかなって。それで自分たちなりに若いバンドをリサーチして(笑)。でも僕らのことを向こうが知っていてくれていることが多くて。"SCOOBIE DO聴いてました"とか。だから自分たちが思ってもみなかったところで、思った以上に根が張っているというか。"あ、知ってるんだ!?"っていうことが多々あるので、だったら俺らがいいなって思ったバンドには声をかけていったら音楽的にすごくいいマッチングをすることがあるだろうなと思って。だからすごく楽しみですね。

-そういった若手バンドとの対バンも含めて、21年目のSCOOBIE DOはアウェイもすべてホームにしてやって行くということで。

マツキ:アウェイがアウェイのまんまだったっていうのもやってみたいんですけどね(笑)。

コヤマ:"あれ? ワンマンなのにな"とかね(笑)。